表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

彼女が手に入れたモノ

彼女は半信半疑ながらも、ネックレスを首にかけた。


「キレイだなぁ」


自分の青白い肌に、ネックレスは映えた。


特にクリスタルの中に入っている、小さな赤い石がとても美しく見える。


「見ているだけでも良いものよね」


見ているだけで、心が熱くなる。


その熱が体に満ちていくようだ。


彼女はネックレスを付けたまま、眠った。


翌朝、予想以上に目覚めが良かった。


そして学校へ行く。


するとまるで疲れを感じず、最後まで授業が受けられた。


先生や友達はびっくりしていたが、彼女自身が一番驚いていた。


家に帰り、両親にそのことを報告すると、涙を浮かべながら喜んでくれた。


「コレのおかげかな?」


照れ笑いを浮かべながら、彼女はネックレスに触れた。


学校に行く時も、制服の下に隠しながら付けていった。


今、部屋で1人いる時も身に付けている。


鏡でネックレスをじっくり見つめる。


「…とと。勉強しなきゃね」


名残惜しくも鏡の前から離れ、机に向かった。


不思議とまだ元気で、勉強も進んだ。


夜、寝る時もずっと身に付けたままだった。


最初は恐る恐るだったが、今ではネックレスの効果が信じられた。


正直言えば、半信半疑だった。


でも今は疑いようがない。


彼女は毎日、最後まで授業に出れるようになった。


体育にも参加できるようになり、好成績を出したことから、体育部の人達から勧誘を受けるまでになった。


勉強は元々得意だったのだが、今まではテストを受けることができなかった。


いつも体調が悪く、なかなか受けることができなかったのだ。


しかし今はテストもみんなと受けられることができ、結果も良かった。


周りから注目されてきたせいか、性格が明るくなった。


友達に面倒をかけることもなく遊べるようになり、両親は激的な変化に驚きつつも、喜んでくれた。


彼女は世界が明るく、そして色が溢れていることに気付いた。


今まではモノクロのように見えていた世界が、こんなにも楽しいものだと生まれて始めて知ったのだ。


彼女が明るく、活き活きとした生活を送っている中で、1つ変化しているモノがあった。


それはネックレスだ。


最初は小さかった赤いハートの石。


しかし今ではその大きさが倍になっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ