1回目 多分知らない子
どこ見ても不安だらけです!
安心せずに我を通したいと思います。
※GLではないです。
チュンチュンと鳥の鳴く声が耳に響く。
また朝がきたことを理解し気だるい気持ちを飲みこみベッドから起き上がる。
何時だろうか。
今日は土曜日ということもあって目覚ましをかけずにずっと布団に潜っていた。
おかげで今が何時なのか、午後か午前かすらわからない。
何気なく辺りを見回したがカーテンを閉めているせいからか明かりがなく、暗い。
とりあえずカーテンでも開けよう。
ベッドから足を下ろすとギシリと音が鳴った。
今日はやけに静かだ。母さん達は出かけているのかもしれない。
部屋の中はまるで強盗が入った後のように服や本が散らばっている。
全て片付けるにはかなり時間がかかりそうだ。
とにかく踏まないように足の踏み場を探しながらゆっくりと立ち上がった。
右側の窓がある壁を見てゆっくりと近づく。
そういえば朝ごはん食べてないな。昨日の晩飯も食べていない気がする。
そんなことを考えながらカーテンに手をかけ、滑らかににスライドさせる。
後悔先に立たず。
頭に一つの諺が浮かんだ。
暖かな春の日差しが降り注ぐ。
そして、ひとりの少女が目の前にいた。