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第六話 準備のちご挨拶!

さぁ、旅の前段階入りマス!

次話から本格的に旅に出ます。













それからの一週間は、とても早く感じた。もちろん旅の準備が忙しかったから―――


「お母様、何を準備したらいいのかな?」


「そうねぇ・・・食材は現地調達でいいし、やっぱりご飯はユニが作るから調理器具から見る?」


町の商店街に使用人の一人も付けずにメルドール一家が来ているのは、この町がメルドール領でありその気さくな性格と民の事を考えた徴税で領民からはかなり好かれているからである。


そこでパティは頬に手を当てながら少し考えてからそう言った。それを聞いて嬉しそうにユニが、


「包丁だけはいいのが欲しいな。」


「えぇ、もちろん。他の物は持ち運びの便利なサバイバル用品だけど、包丁だけはうんと立派な物にしましょう!」


「わーい!お母様大好き!」


テンションの上がりきった二人を一歩後ろを歩きながら遠い目で見るのは父、マーズなのであった。


















ほぼ丸一日の買い物も終盤に差し掛かった頃―――


「お母様、次は?」


「そうね。そろそろ日も暮れそうだし、今日は次の所で最後にしましょ?」


今日だけで、必要な道具や服を買い今父が持っていないものは特注で後日屋敷に届けてもらう事になっている。


「最後は何のお店?」


その質問に、悪戯っぽい笑みで答える。


「最後は鍛冶屋よ。フフフ・・・いつまでも母様のお古じゃ嫌でしょ?いい機会だから何本かユニの気に入るような物を特注で作ってもらいましょう!」


「私、別に嫌じゃないよ?」


疑問に満ちた顔でそう言うユニを見て


「あれは大分古い物だからいつ折れてもおかしくないのよ。危ないし、ユニには少し重いと思うの。」


















そして、町外れのこじんまりとした鍛冶屋の前で立ち止まった母は


「ここよ!この鍛治屋、見た目はこんなだけど私の知っている限り最高の物を作ってくれるわ。ちなみに私のナイフもこの店で二十年ぐらい前に作ってもらったのよ♪」


「こんな見た目で悪かったな・・・」


そのとき、店の入り口から腰の曲がったおじいさんが出てきた。


「あら、お爺さん。まだこの店あなたが切り盛りしてたの?そろそろ代替わりしたかと思ったわ。」


「残念ながら、息子は二年前に流行り病でポックリ逝っちまってな・・・孫はまだそこの嬢ちゃんぐらいだ。嬢ちゃんは何処の子だい?」


「失礼な!正真正銘私の子です~!」


「はっはっ、顔はともかく性格が似なかったみたいで何よりだ!」


「・・・はぁ。まぁいいわ、今日はこの子にナイフを作ってもらいたいの。」


ため息をひとつ付いた後本題に入った。


「まさかこの子にお前さんが教えたわけではあるまいな?」


きょとんとして、母はさも当然と言うように


「他に誰が教えるのよ?一通り教えたら直ぐに飲み込んで、今じゃ若い時の私そっくりの実力よ!」


「・・・やはり血は争えんか・・・はぁ。まぁいい、とにかく入れ。」

















「で?どんなタイプのナイフがいいんだ?」


「この娘、私と違ってそんなに力無いから、まだ幼いし。でも、その分コントロールは抜群で急所を狙う事では私よりも優れてるかも知れないわ。」


それを聞いたおじいさんは疑問に思ったのかこう尋ねた。


「急所を狙うって、練習で使うんじゃないのか?」


「今度、この娘旅をするの。今回はシルフの森に行くらしいわ。」


それを聞いても全く動揺を見せずおじいさんは一人事のように言った。


「そうか、やはり腐っても親子。そっくりじゃ・・・そうなると魔物とも戦うの。魔法は使えるのか?見たところ魔力は物凄いようじゃが、コントロールできなければ諸刃の剣じゃ。」


それに胸を張って答える母。


「私達の娘よ?使えないわけ無いじゃない!多分本気で使えば町一個は軽く吹き飛ぶわね。」


「魔法は父親からであろう。お前は魔法は全くじゃからな。」


「うるさいわね!」


(本気で怒ってるわけじゃなさそう・・・なんだか親子喧嘩みたい・・・?)


「ふむ、それならば素材は魔法を通しやすい物にした方がよいかの・・・まぁ、それならわしに任せろ。三日ほどで届けてやるわい。」


「よろしくね・・・」


カランカラン


こうして、丸一日の買い物が終わった。














―――そして、王城に行く日になった。


朝起きた私は、顔を洗って特注で買った、動きやすさを意識して膝上辺りまでのスカートと半袖のそんなに高そうではないがいい生地を使ったドレスを着た。腰辺りに十本ほど特性のナイフが入ったポーチを付けその上に淡い空色のマントを羽織った。

玄関の前に止まった馬車にリヒターと共に乗り込み両親と一言、二言交わした後元気な声で


「行ってきます!」


両親が「行ってらっしゃい」といった後に続いて、屋敷の皆が一斉に「「行ってらっしゃいませ!」」


屋敷が見えなくなるまで手を振り続けた。














そして今、少し前に父と共にいた玉座の前。王の間には王、王妃、そしてルーとユニ、リヒター以外の者は皆以前のように外に出ていた。


「それでは、リヒター。頼んだぞ。」


王が軽くそう言うと、


「はい。」


リヒターは短くそう答えた。


「ユニちゃん。ルードリヒの事はお願いね?この子意外と人付き合い良くないから。」


「はい!」


元気よく答えるユニであった。

挨拶が終わって、翌日に思いを馳せながら眠りについた。















「行ってきます、父上・母上。」


ルーが挨拶するのを隣に付いて待っているユニ。


「行ってらっしゃい。気を付けてね?」


「楽しんで来いよ!」


「はい!」


親子の会話が終わったのを見計らってリヒターが


「では、行ってまいります。」


「「頼んだぞ(わよ)?」」


息がぴったりの王と王妃に背を向けて歩き出したとき、ユニは後ろを振り向いて手を振りながら元気に


「行って来ま~す!」












その後、王と王妃は顔を見合わせて笑いながら


「あの娘ならあの子の支えになっってくれるわ。それにきっといい方に変えてくれる。」


「あぁ。そうだな。アイツのあんなに優しい顔始めて見た。それにマーズとの約束もあるしな・・・」


「そうね。」
















旅です!次回からしばらく旅しますよ~!



ユニ「やったぁ!!」

ZG「!!?」

ルー「何か文句があるのか?」

ZG「いえ、何でもありませんorz」

ルー「ふん、やっとユニと旅に出れるな」

ユニ「そうだね!楽しみ!」

ルー「どこかの馬鹿な作者がなかなか旅に出さないから・・・」

ZG「あのー・・・口調違いませんか?」

ルー「こっちが素だ。何か問題でも?」

ZG「いえ、全く全然これっぽっちもありませんorz」

ユニ「次回もよろしくね~」

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