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第五話 旅がしたい!

今回はユニのわがままです!

そして、もうすぐ旅に出ます!














テラスで母親であるパティ・メルドールとユニはティータイムを楽しんでいた。

そのときユニが母に話す事は、もちろん先日のルーとの約束についてだ。

先日のルーとの約束の全貌を母に話したユニは嬉しそうに尋ねる。


「ねぇお母様?わたしルーと世界中のまだ見たことの無い色んな物を見たいの。行ってもいいでしょ?」


しばらく何かを考えるように目を閉じていた母は笑顔でこう言った。


「それはいい考えね!ユニもそろそろ外を見たがる年頃だものね?でも、ずっと旅に出てユニに会えないのは母様寂しいわ。ユニが大きくなるまでは目的地を決めて、年に数回行くっ

て言うのでどうかしら?」


「それだったら行ってもいいの?」


「えぇ、母様は賛成よ。お父様も二人でお願いすれば分かってくれるわよ!」


うふふ、と母が笑うのにつられてユニも笑う。


「そうと決まれば、早速お父様にも報告に行きましょうか?」


どこかいたずらっ子のような笑みで母が言ったと同時に立ち上がり二人で父の書斎に向かった。















「と、言うわけなの」


父の書斎に来た二人から、事のあらましを聞いた父は慌てて


「だ、ダメだユニ!!子供だけで旅なんて父様は許しません!何かあったらどうするんだ!」


反対だった。父はユニに対してかなり過保護な所があるので許すわけが無かったのだ。

しかし、この屋敷で最も強いのは母であり妻でもあるパティと純真無垢なユニであった。


「あら、じゃあリヒターに着いて行ってもらえばいいじゃない。リヒターは王立剣技大会で

二番の実力よ?ルードリヒ様もベスト8の実力で魔法も使えるし、ユニも魔法では誰も太刀打ちできないほどの強さだし、おまけにユニはちょっと前から私がナイフの扱いを教えてきたから魔法以外もバッチリよ?」


それを聞いて父は目を見開く。


「パティ!ユニにナイフを教えたのか!?」


それに母は飄々と答える。


「えぇ。ユニは本当に筋がいいわ!今では、私の現役時代をも凌ぐ程の実力よ!それに、厨房や私のお菓子作りを手伝ってくれるおかげで料理の腕も申し分ないわ。リヒターは料理はダメダメだし、ルードリヒ様はどうか分からないけどユニがいれば食事に困る事は無いわ。野外での料理や生活は毎年のキャンプで覚えているでしょうしね。」


う、と父は口ごもる。そもそもこの妻に口で勝てる訳が無いのだ。それでも、まだ食い下がる。


「ダメだ!とにかくダメだ!」


それを聞いたユニの目じりに涙が浮ぶ。


「ダメなの?・・・ルーと一緒に旅行、言っちゃダメなの?」


そのユニの涙をこらえる姿を見て父は認めるしかなかった。


「わ、分かった・・・リヒターを連れて行くのなら、認めよう・・・」


(あら、いつの間に泣き落としなんて覚えたのかしら・・・ユニったら。将来いい女性になりそうね。今から楽しみだわ♪王子も話を聞いてる限りユニに惚れちゃったみたいだし・・・)


「さぁ、ユニ?そうと決まったら王子様にお手紙書きましょ?向こうにも話を通さなきゃ!」


「うん!手紙書く~♪」


「ううう・・・」


息のぴったり(?)なメルドール一家なのでした。














王子宛に旅の了承を両親から得た事を書いたユニからの手紙が届いた。それを読んだルードリヒは王の間に駆け込んだ。


「父上!!」


目に入ったのは、玉座に座り込んだ王と母である王妃だった。


「そんなに急いでどうしたルードリヒ。何があった?」


「実は、先日城に来たユニといつか一緒に旅をしようと言う話をしていたのですが・・・」


「ほう!もう二人はそこまでの仲なのか!?」


「///まぁ・・・それで先ほどユニから手紙が届いてそこには成長するまで長期に渡る旅は許

可できないが執事を一人付けるのなら、年に数回程の旅ならば出てもよいと両親から許可を受けたのでそっちはどうかと。」


それを聞いた王妃は少女のようにはしゃいで、


「いいじゃない!行ってらっしゃい。でも、出発前にユルニス嬢を一目見てみたいから城から出発ではダメかしら?」


「おい、そんなに簡単に「い・い・わ・・よ・ね?」はい・・・」


何処の家族も母は強しである。男は口で女に勝つのは難しいのだ・・・


「母上、それにつきましては直接王に話す為出発の可能な日の前日に執事と城に参るということです。」


「そう、楽しみね!貴方も楽しんでらっしゃい。」


「はい!」


「・・・」


もはや何もいえない王なのであった・・・















「お母様!ルーも大丈夫だって!一週間後に城に行って王様と王妃さまにご挨拶してから出発しようって!」


「それはいいわね!さぁ一週間で旅の準備をするわよ!ユニ!」


「うん!」











「ユニ・・・ぐすん」

意気投合している母娘を遠目に見ながら涙する公爵を屋敷の侍女が見たとか・・・見なかったとか・・・

それを見た、屋敷の者の中で主人に対する株価が暴落し主人を見る目が相当変わったとか、変わってないとか。

些細な変化の現れた一日なのだった。











いやー旅に出ますね。リヒター(『魔王』、ユニの中では)も来ます。

次回は王と王妃との謁見なのでもうひとつ先で旅に入ります。

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