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第三話 メルドール家

今回は前回の後書きの通りメルドール家の皆さんです!











―――メルドール家ユルニスの部屋


「少し休憩にしましょうか。」


昼食の後、暫くの勉強が続いてユニも集中が切れてきているのに気付いたリヒターが声を掛けた。


「ほんと?やったぁ!」


お菓子が大好きなユニにとってこれ以上無いほどの朗報であり、当然のように一気に上機嫌になった。


「食堂に取りに行ってくれますか?」


このメルドール家の家訓は”自分で出来ることは自分でする”なのでお菓子の用意を手伝う為に厨房に行かなければお菓子を食べる事は出来ないのである。


「うん!行ってくるね!」


たたた、という軽い音を出して走って部屋を飛び出していくユニを微笑ましげにリヒターは見つめる。


(いつもこうだったら手間が掛からなくていいのですがね・・・まぁ、それはそれで天変地異の前触れのようで少し恐ろしいですが・・・)











―――所変わってメルドール家廊下


たたた・・・懸命に走っていくユニの姿を侍女達は微笑ましげに、しかし、何時転んでも大丈夫なようにポケットに絆創膏を入れて見守っている。

一方、ユニの方は全力疾走である。


(お菓子・お菓子・お菓子・・・)


少々食い意地が張っているユニであった。










―――メルドール家厨房


お菓子を求めてユニが飛び込んできた。


「お菓子ーーー!!」


「まぁまぁ、ユニ様そんなに急がなくてもお菓子は逃げませんよ?」


厨房にいつもいる厨房担当の侍女が声を掛ける。


「お菓子取りに来たの!」


しかし、ユニの興味はお菓子にしか向いていない・・・


「準備出来てますよ。」


そう言いながら、ユニ用の少し小さいカートのような物を押してきた。


「ありがとー後で返しに来るね!」


「はい。」


そうカートを押しながら言い手を振ってユニは厨房を出て行った。


「本当にいい娘ね。ユニ様は・・・」


そんなユニを侍女はまるで娘を見るように微笑ましげに見ていた。











ガラガラガラ・・・カートを押しながらもユニの頭の中はお菓子で一杯である。

そのとき向こうから歩いて来たのはユニの父である。


「おぉ!ユニ~お菓子の時間かね?」


ガラガラガラ・・・お菓子に夢中でユニは父の存在に気付いていない・・・

そのまま、ユニが見えなくなるまで父は固まっていた。











カートを押しながら部屋に入って来たユニを見てリヒターは机を片付ける。


「リヒター!お菓子食べよ!」


嬉しそうに言うのだった。








オマケ


「聞いてくれ・・・ユニがユニが廊下で擦れ違った時に声を掛けても反応してくれなかったんだぁ!」


泣きながら妻にすがり付く哀れな父。コレを侍女達が見れば普段のダンディーな姿と比べて

、相当なショックを受ける事だろう。

そんな哀れな夫に妻は優しく問いかける。


「そのときユニは何かをしていなかったかしら?」


しばらく考えた後、「そういえばカートを押していたな・・・」と、呟く。

それを聞いて妻はどこか遠い目をして


(この人、お菓子に負けたのね・・・哀れな・・・)


哀れな父は何故ユニが自分に気付かなかったかをまだ、知らない・・・


「ユ~ニ~~・・・」


普段の威厳が台無しになりそうな情けのない主人の声が屋敷の内外に響いた。








クシュン


「風邪ですか?」


くしゃみをしたユニにリヒターは尋ねる。


「違うと思うけど・・・」




まさか父からの過剰な思いが原因だとは気付くはずも無い・・・



因みに、そう言う執事は主人の情けのない悲鳴のような声が聞こえており、お菓子に夢中なユニが厨房から運ぶ間に何があったのか知らずとも大よそ何があったのかを察し溜息を吐くのだった。













まだ旅に出無い・・・後三話ぐらいで旅に出したいですね。

実はまだ出て無いですけどユニはナイフを武器として使います。

それでは次回をお楽しみに!

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