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第三十三話 闇の王

















カツンカツン


「ん?何の音だ?」


「何の音もしてないだろ?」


「ええ」


「そうか?」




カツンカツン


「ほら!絶対音したって!」


「あの音は・・・?」


「明らかに、この先からと言うのは間違いなさそうですね」


金属を打ち鳴らす様な音が空虚な通路に響く。


「この音が、何であれ先に進むしかなさそうですね」


「行こう!」


















カツンカツン・・・キンキン・・・


「もう近いな」


「何の音なんだろう?」


「さあ」


通路をゆっくりと全員で歩いていると、大きな扉が目の前に現れた。

勝手に開く重厚な扉。

その向こうには―――――――






『よく来たな。招かれざる者達よ』


「お前は・・・だれだ!」


ルーが大きな声で問いかけるのに僅かな嘲笑を浮かべながら、こちらを漆黒の黒曜石のような瞳で見る。

全身真っ黒の鎧の様な物を纏い、背中からは蝙蝠の様な真紅の翼が生えてる。


『我が何者かだと・・・?闇の神殿に我以外の者が存在する事はあってはならぬ』


「まさか・・・貴方が闇の精霊王?」


チラリとこちらを見ると少しの間動きを止め、再び嘲笑を浮かべる。


『フッ・・・お前が彼女の生まれ変わりと言って他の精霊王を集めている者か?とんだ茶番だな』


「どういう事ですか?」


リヒターが呟く様に尋ねると大きな笑い声が闇に響いた。


『ハハハハハ!!お前が彼女の生まれ変わり?笑わせる!彼女の記憶を少しばかり持っているからといって彼女本人と言う証拠にはならん!彼女は貴様など到底及ばないほど気高く、力に満ちていた!』


「・・・」


『お前の記憶にある彼女は・・・今のお前の様に、他の精霊王を使役して戦っていたか?精霊王の力に頼るお前などが彼女であるはず等ないのだ!』


「私は・・・!」


『お前から聞く事など何もないわ!かかって来い!万が一、お前達が我に打ち勝つ力を持っていたなら・・・その時は、話ぐらいは聞いてやろう・・・まぁ、そんな事ありはしないがな!』


そう言った闇の精霊王は空に手を出すと、大きな鎖の巻きついた鎌を取り出した。


「他を受け入れず拒絶して・・・誰かを傷付けるなんて間違ってる!私は貴方の昔の心を取り戻してみせる!」


『ほざけ!!』


鎌を横に薙ぐと、闇に溶ける様な斬撃が無数の鎌となって襲い掛かる。

地面に当たったり、直接狙って来たりする攻撃をかわす。


「くっ・・・全く隙がない!」


「近づけない!」


「くそっ!」


ルーが剣を抜き、刀身を天に掲げた。

刀身から光が溢れ出し、闇を照らす。


『くっ・・・何だこの光は!?』


「いつもユニに守られているが・・・俺だって力になってみせる!」


『無駄だ!!』


鎌を薙ぎ、再び斬撃を飛ばすがルーは光の剣で全てを弾き、切り伏せる。


『馬鹿な!?』


「うおおお!!」


ルーは大きく跳躍し、闇の精霊王の身体を斜めに一閃した。

闇の精霊王は、大きく後ろに仰け反ると動きを止めた。




















「・・・ふう」


「ルー!」


一息吐いたルーの下にユニが駆け寄ると、ルーはユニを庇う様に手を前に出しそれ以上前に出る事を静止する。


「まだ、終わっていない」


『終わりだ』


「え?」


その時、黒い光が精霊王から漏れ出し暗いのに眩い光に目を細めた。




















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