第三十話 雲間
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ザァァァ―――――
戦いは終わった。
終結した戦いの犠牲はユニの力によって極限にまで抑えられ、瀕死の重症を負った者も生きながらえた。
その、戦いの跡を微塵にも残さないと言うように、降り注ぎ、頬を濡らす温かな雨。
強い雨が降っている。しかし、誰も空から視線を逸らそうとはしなかった。
空中には、翼を広げたユニが腕を下ろした状態で浮いている。
sideルー
(どれだけ時間が経ったのだろう――――)
暫らく呆然と空のユニの姿を見ていた。
すると、雨が次第に止んで行く。
空一面を覆うどんよりとした雲が、唐突に裂け、綺麗な日光が差し込む。
「見て!虹だよ!」
近くを笑顔で駆けて行った少女が嬉しそうに言う。
空には、大きく、今まで見たことも無いほど鮮明な虹が掛かっていた。
そして、虹の頂上で堂々と立っている――――ユニ
「ユニ・・・っ!?」
その時だった。
突然、ユニの体がグラリと傾き、真っ逆さまに落下し始めた。
周りから、この王都中にいる人々の口から悲鳴のような声が漏れる。
「ユニーーーー!!」
そう叫びながら、俺の体は有り得ない速度で王城の壁を大きく跳躍し、城の頂上に向かった。
「オッと――――」
ユニのまるで羽の様に軽い体を受け止めた事に安堵した俺は、ユニが途轍もなく遠い存在になってしまった様な気がしていた。
だが、今俺の腕の中にハッキリと感じる暖かな温もり。
それだけで、ここにいると安堵した。
その時――――――
side out
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
王都の民衆はその日、二度目となる大歓声を発した。
ユニを受け止めたルーの後ろには眼を焼き切らんばかりの太陽が燦々と輝き、それに答えるように七色の虹が太陽を囲む様に円形に広がる。
そして、三体の精霊王達がその周りをクルクルと舞う。
『姫・・・力の覚醒が』
『・・・』
『姫・・・』
三者三様の反応を見せた時、目の前に藍と橙の光が差した。
光が止んだその後には、藍色の髪とラピスラズリの様な瞳の女性と、橙の髪と琥珀の様な瞳のほっそりとした男性が浮いていた。
『我等も姫の覚醒の力で力を取り戻し、封から逃れることが出来ました』
『私は、氷の精霊王『ゾーラ』』
『我は、土の精霊王『アンバー』』
『『以後、お見知り置きを』』
「あ、あぁ・・・」
精霊王達はユニとルーの周りをクルクルと回った後、空に消えたが、その神々しいまでの姿を捉えた民衆はそれを従えるユニ達に歓声と拍手が湧き起こった。
続くよ!