第二十二話 熱い男
さぁ遂に三大国の最後の国<メテオルド>に行きます!
若干デジャブ・・・
「ここが・・・」
「あぁ、炎の国<メテオルド>」
遂に、三大国最後の国に着いた四人は閑散とした港を歩いていた。
「で?王都は離れたとこにあるんだっけ?」
「えぇ、この国の王都『マグネリス』はかなり内陸に位置するところにあります」
ユニの疑問にリヒターが答えると、ルーが少し怒り気味に言った。
「何で、わざわざ港から遠く離れた所に作るんだよ・・・色々と面倒だろ?」
それに溜息を吐きながら頭に手をついてレイが説明する。
「あのなぁ・・・攻め込まれ難い様にわざと内陸地に作ってんだよ、他の大国から攻め込ま
れ難い様にな」
二人が口論しながら歩く後ろを少し離れてユニとリヒターが溜息を吐きながら街道に入った
。
「今回の神殿は何処にあるんだろうね?」
ユニの問いにリヒターが少し悩みながらゆったりと答えた。
「そうですねぇ・・・今までの神殿の位置関係から考えると、その属性に関係した所にある
と考えるのが普通ですから・・・砂漠や、火山と言った火や熱を連想させる所にあるのではないでしょうか?」
「ふーん」
リヒターの説明で少し不満そうに返事したユニ。
「まぁ、それも国王が知って・・・どうしたんですか、お嬢様?」
何か不満そうな態度に引っかかる事があったのか、ユニにリヒターが尋ねると。
「・・・べつに・・・」
「別にって顔じゃありませんけどね」
ポツリと呟いたリヒターに知らん振りをしながら小さく、
「汗掻いて汚いとか思われないかなぁって思っただけだもん・・・」
(一応他人からの目を気にするほどの恥ずかしいと言う感情があった事に感動しますね)
「何ニコニコしてるのよ・・・」
「別に何でもありません」
そう言いながら嫌らしい位にニッコリとしたリヒターを目を細めて訝しげにユニは見た。
「先に進みましょう♪」
「・・・」
疲れたように先に進んだ一行であった。
ちなみに、ルーとレイは未だに口論していた。
「――――恐らく、危険な為に立ち入り禁止になっているベルフェルム火山の遺跡が神殿であると思われる」
国王に謁見したユニたちの話を聞いた気さくな国王は時々笑いながら楽しそうに話している
。
「因みに、あそこには火山の熱気が立ち込めており我々も入る事ができないのだが、まぁ入
る場所はあるから入れるだろう、そこまでは我が息子が案内しよう。火や熱についてかなり知識を持っているから助けになるだろう。・・・おい、フレッド!!」
そう国王が叫ぶといきなり側近の中から真っ赤な真紅のマントをはためかせた筋骨隆々の大男が、大きな大剣を振り被りながらユニの目の前まで一瞬で移動すると一気に振り下ろし鼻先でピタッと止めた。
「・・・ふ・・・良い度胸だ!気に入った!!」
「?」
大剣を地面にグッサリと刺すと(あぁ、綺麗な床が・・・)ガハハハハと笑いながら、
「おいおい・・・お前らも剣、下げてくれよ!」
レイは冷たく視線を向けているだけだが、ルーは剣を目前で止めて、リヒターは双剣をハサミのように交差して構え首を今にも切り落とさんと言う格好だ。
「ルー、リヒター」
そう、ユニが名前を呼ぶと二人は渋々剣を納める。
「俺は、フレッド!フレッド・ボル・メテオルドだ!よろしくな!!えーっと・・・」
「ユルニス・メルドール、ユニってよんで?」
大きな声で言ったフレッドに小さく微笑んでユニが言うと嬉しそうにガハハハハと笑いながら言った。
「おう!よろしくな、ユニ!!」
「よろしく、フレッド」
気さくな巨人フレッドが仲間になった。
フレッド仲間になりました。
因みに大男って言ってるだけあって身長は大体2m50cmぐらいです。
人間なの!?って質問はお受けできません。