SIDE : シトリン
穏やかな日差しが差し込み、彼女の瞳を照らした。
少女シトリンは静かに体を起こし、静かに屈伸する。
一日の始まりだ。
「シト、朝食食べな」
部屋を出てすぐ、変なお兄さんが声をかけてきた。灰色くんだ。
「俺の名前はグレイ、な」
「なんで分かるんですか...」
シトリンはエスパー・灰色に恐怖した。
「お兄、何してるの?」
そう可愛げに呟いたのはミリーちゃん。この灰色野郎の妹さん。
私も一応家族と認めてもらえたからこの子は私の妹でもあります。
灰色のお兄さんなんて知りませんけどね。
「おう、ミリーも食え、一日の始まりの食事だぞ」
ミリーはそのまま一直線に椅子に座り、貪り食い始めた。この家一番の大食漢さんです。
おかげでいつも我が家は食糧難。
・・・え? 私が採ってくればいいって?
嫌だなあ、肉体労働は剣士の仕事です。私のようなか弱い魔法使いは家で留守番すると相場は決まっているのです。
「今日も灰色くんは犠牲になるのです」
「なんか言ったか?」
低く落ちた声に、背筋が一瞬凍った。
慌てて首を横に振る。
良かった。聞こえないくらい小さな声で。
シトリンは心の底から安堵した。
・・・だからだろうか、灰色剣士に睨まれていることに気づかなかった。
そして、灰色妹に朝食を掠め取られたことにも。
おかげで自分で狩りに行く羽目になった。
おのれ灰色兄弟。この怒りは忘れない。
この日、シトリンの復讐リストに二人の名が加えられたとかいないとか。
次、妹のミリー視点での同じ場面が載ります。
短かい文章でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。




