9.火の海Ⅲ
投稿遅れました(^_^;)
ッパァン!
ガラスが割れ、破片が3人に降りかかる
悠「…いつっ」
ツゥー…
その際、頬をガラスで切ってしまった
小さいが、ハッキリした痛みを感じ、すぐに目を覚ます
飛び起きて状況の把握に努める
悠「…はぁ!?」
目に入ってきた情報を一つずつ言っていくとこうだ、
俺達の右にあったはずの、消えた壁
一枚残らず割れた窓
それに…なくなった壁から少し覗ける
大きな…眼、
悠「ってことは、今俺が見てる赤い壁は…化物の皮膚かなにかってことか?」
形状から察するに…鱗…のように見えるが
すー、すー
ってか、よくこの状況で寝られるな!
悠「…おい!2人とも、早く起きろ!」
リ「ん、うぅ…ん?悠?」
咲「ふあぁ……なに?」
悠「欠伸してる場合か…あれ見ろ」
赤い壁を指差してみる
・・・
リ「……うぇぇえ!?」
咲「えっと…あれ、なに?」
悠「知るか!…早く逃げるぞ!」
さすがに目が覚めたのか、寝起きとは思えない速度で動き出す
と、その時
ズゥーーーン…
ゴシャアァァ!
おそらく、モンスターが体当たりしたのだろう
ほんの一分前まで俺達がいた場所が、一撃で瓦礫と化した
悠「これは…マジでヤバいぞ…明らかに俺達を狙ってる」
リ「早く!こっち!」
声の方を振り向くと、リリィが雷撃で壁に穴を開けていた…おそらく非常口を造ったのだろう
人が通れる程の穴を空けたのに、家が崩れてないのは杖のおかげか
その非常口は他の家の屋根に続いていた
リ「咲妃さん!捕まって!」
リリィを見ると、咲妃の方に手を差し伸べている
ガシッ
咲「…これでいいの?」
リ「うん…絶対に離さないでね…!」
バチッ……バシィ!
ジジジジジッ…
なにやら、リリィの両脚が激しく放電している…
まさか、咲妃を掴んだまま跳ぶ気か?
ガンッ!
バチバチバチッ
そう思った瞬間、
リリィは咲妃を掴んだまま、いとも簡単に穴から飛び出し、屋根を一つ飛び越えて着地した
…リリィが蹴った床は、凄まじい量の電流だったのかいまだにバチバチいっている
俺もリリィに続いて跳ぶ
悠「…そんな力あったんなら使えよ!」
リ「ゴメン…隠してたわけじゃないんだけど、って今はそれどころじゃないでしょ!」
そこで初めてモンスターの姿が全て見えた
悠「…ありえねぇでかさだな」
リ「こんなデッカいの、初めてみた…」
見た目はイメージそのままの真っ赤なドラゴンといった感じだ…
四足歩行の足、膨らんだ背中、その背中に翼
しかし、大きさが規格外過ぎた
目測で、ドラゴンの指と俺が同じくらいのサイズに見える
驚いたのは俺だけではなく、もともとこの世界にいたリリィですら初めて見たと言う
…倒すのはまず無理か
ドン!ドンドン!!
悠「え?…咲妃!?」
なんと、咲妃がドラゴンに向けて発砲した!
こちらに気付いたドラゴンが、デカすぎる翼を広げこちらに向かってくる
咲「かかって来なよ!」
悠「おい!なにしてんだよ…早く逃げるぞ」
一緒に逃げようと手を掴むが、
咲「離して!…コイツは倒さないといけないの!」
邪魔だ、と言わんばかりに払いのけられた
すでに咲妃の決意が固まっているのはわかったが、倒す…という意図がわからない
悠「なにいってんだ?お前らしくない…こんなの1人で倒せるわけないことぐらいわかるだろ…」
咲「それでも倒さないといけないの!」
ドン!!
ビシッ!
咲妃の撃った弾が翼に当たった
ズズーー…ン
効いてるようには見えないが、一瞬翼が動かなくなりバランスを崩して墜ちたんだろうと推測した
悠「…なんでそんなにこだわるんだ?」
咲「…コイツがいなかったら、どれだけの人が助かったと思う?」
最初は戦争のせいだと、互いの意見にくい違いがあって人同士が争ってるんだと思ってた
でも、違った。
こんなワケのわかんないやつに…みんな殺されたんだ
咲妃はこの街で何度も動かなくなった人をみた…その時はやめればいいのに…くらいにしか思ってなかった
戦争なんか、やめればいいのに…って思ってた
でも、違ったんだ…
咲「それはあまりにも理不尽でしょ?…だから思い知らせるの、人間の底力を」
悠「…わかった。俺も手伝ってやるよ」
咲「ありがと」
悠「リリィ!そういうわけだから手伝ってくれ!」
リ「え!?コイツ倒すの?」
悠「そうすれば、避難してる人がいるんならこの街が復活するかもしれないだろ?」
リ「それは、そうかもしれないけど…」
悠「俺と咲妃で動き止めるから…そん時にリリィの全力の電撃当ててくれ」
リ「そんな…急に言われてもこんなデカいやつ倒せるかどうか…」
悠「この中で一番強いのはリリィなんだから、それ以上の選択はないだろ?」
スゥゥーー…
ドラゴンが大きく大気を吸い込み始めた
咲「これってまさか…悠!お願い!」
悠「わかってる!」
それに合わせて、悠も大気を集め始める
ゴォアァァァ!
ドラゴンが巨大な炎を吐き出した!
悠「…っ!消えろ!」
ゴゥ!
咄嗟に反応し、右手で直径50センチ程の圧縮弾を撃ち出す
ドォォォン!
悠の風弾とドラゴンの炎が衝突した
炎の方が圧倒的に巨大で、勝負はすでについていると思われたが意外にも、互いに拮抗・爆破した
衝突の際の破壊力は凄まじく、家三軒分がクレーターへとリフォームしていた
相手が攻撃を終えて、隙ができる
次の攻撃する間を与えないためにもやるんなら今だと思い、ホルスターから銃を引き抜き弾が切れるまで撃ち続けた
ガンッ!
ガンガンガンガン!!
所詮素人なので、5発しか当たらなかったが
それでも足を狙った甲斐あって体勢を崩せた
もう一発で転ばせられると確信した
悠「…倒れろ!」
そこで初めて杖を使う
向けたまま力を込めると、杖の先端から眩いほどの光が溢れた
フ…ッ
不意に杖の光が先端からドラゴンの足までを繋ぐ薄く細い線が現れ、すぐに消えた
すると、ドラゴンが音もなく一瞬浮いた
そしてそのまま重力に従い、地面に倒れ込んだ
ズズーーーン…ッ
倒れた衝撃でここまで激しくゆれたが、そんなことは気にもとめず
リリィが電撃を放った
バォォォン!
直径1メートルを越える電撃の塊は、雷特有の轟音を撒き散らしながらドラゴンとの距離を一瞬で詰め、胴体にめり込み炸裂した
ズン!
ヴァァジジジジジ!!
「ゴギャアァァァ!!」
雷の衝撃で、ドラゴンの巨体が地面を引きずりながら後退した
ザリザリザリザリ…
バガァァン!
その勢いで街の時計塔に突っ込んだ
というより押し潰した
…ドラゴンは突っ込んだまま動かない
麻痺しているのか、気絶したのかはまだわからないが
リ「…よかった、ちゃんと当たった」
悠「よし、そのまま気絶してろ」
咲「倒したの?」
悠「多分な…倒せた筈だ」
咲「そ、ならよかった」
屋根から降り、悠の制止を意に介さずとどめを刺しに行く…と言って聞かない咲妃、目の前まで来るとドラゴンの眉間に銃を突きつけた
パァン!
使用した弾はマグナム、頭にぶち込まれて生きていられる道理はなかった
ただしそれは当たった場合の話しである
化け物は、あれほどの衝撃を受けて尚……気絶すらしていなかったのだ
ズン!
急に起き上がった為に、弾が鱗を引っ掻くに留まった
咲「そんな…」
悠「咲妃!逃げろ!」
リ「駄目!……そんなの…絶対させない!」
止められるような状況でもない
倒したと思い込み完全に油断してしまった
助けるには距離がありすぎて間に合いそうもなかった
ブォ
……ゴオォッ!
そして1人近寄った咲妃に、無情にも人を1人潰すのに充分過ぎるであろうその尻尾を、鉄槌のように振り下ろした
現時点で楽しみにしてくれる人はいるんでしょうか?
いたとして、何人ぐらいいるのか…
作者的には凄く気になります( ̄∀ ̄)