26.アリア
せっかく今話のイメージはあったのに諸事情によりケータイが手元にありませんでした
作者「くそっ、あのオッサンマジでふざけ……いえ、なんでもないです(-_-#)」
投稿が遅れ、申し訳ありませんでした
今回は暗い話から一転、明るい話になります
リリィに問いたださないと…
そう決心して部屋を飛び出した
幸い、アイツは客人の接待に追われている
今ならここから出られるかも知れない
「出口は……ん?」
どこか出られそうなところは…と探し歩いていると、他のとは仕様の違う扉が目に入った
「この部屋は…多分アイツの部屋だな。少し漁って行こう」
扉の四隅に金の装飾、真ん中に雷を彷彿とさせる紋様からそう判断した
なにか珍しい物でもあるかも知れないと部屋に踏みいった
ガチャ
「あれ?…思ったよりなんもないな」
部屋にはクローゼットに事務的なデスクしかなかった
クローゼットにはスーツや普段着など…特に気になった物はなく、デスクには…
「お…っと……これは護身用か?」
一番上の引き出しに拳銃…それも隠し持つような小さいものではなく、軍用出来るような中型オート…予備の弾もある
「…一応貰っとこう」
少し考えたが、やはり持って行くことにした
その後、部屋を物色してみたがこれ以上の成果はなく…部屋をあとにした
(あ、俺の荷物も探さないと…最初着てた服はある、でもさすがに銃は隠されてるよな…)
今のところ人の気配はない。さっきの使用人と主人、あとはいるとしても使用人が数人だろう
ここは私用の屋敷のようだし…
「-……あった」
度々人の気配を確認しつつ、次々部屋を見て回った
ちなみにこの部屋で4つ目だ
「もう忘れ物もないし…出るか」
玄関から出るわけにはいかないので、身近の窓から抜け出した
ドサッ
「はぁ…疲れた……んー…追っ手は…来てないな…よかった」
あれから、行方がわからないよう走ってここまできたが、足が限界近かったのもあり休憩することにした
(…そういえば、どのぐらい距離があるのかわからないな)
さっきは、とにかく屋敷から出ることが最優先だったから気付かなかった
今更だが、考えてみれば距離も方角もわからないままここまで来てしまっている
「…ま、まぁ…街の名は覚えてるんだしどうにかなるだろ」
…ここは前向きに考えよう。近くに街でもあればそこで誰かに聞けばいいんだ
「あ~、もう少し考えてくるんだった」
そんなことを考えていると空が紅くなっている…暗くなる前に野宿の準備でもするか…
「ふー…やっっと寝れる…」
あれから三時間かけて野犬を追い払ったり、簡単な寝床作ったり、落ち葉拾ったり……寝ようとしたら襲ってきたお姉さんを説得したり…がやっと、やっとだよ?
ギャグじゃねぇっつの
説得に二時間かけたんだよ!
眠いのに!
「…そういえば、こっち来てから1人で寝るの初めてだな…」
とりあえず落ち葉に火をつけることにした
ポケットからオイルライター…俗にZippoと呼ばれるものを取り出し、集めておいた葉の一枚に火をつけた
急に持ってることになったのは作者のミスだ
シュボ…ッ
パチ…ッ…パチパチ……
最初に会ってから…4、5…一週間ぐらいかな?
今考えると、愉快の笑いじゃなく…滑稽、の方の笑いだったんだろう
高度な演技して…利用してたってことか
そう考えると無性に腹が立ってきた…
咲妃も俺も馬鹿みたいだな
どうせレノアもグル…とかそんなこと当たり前のようにやりかねない…
面白いぐらい思い通りにいってるんだろうな
でも、気付いてしまったからにはこれ以上踊ってやるわけにはいかない…
アイツらには同情の余地なんかない
やり返したら俺も最低の仲間入りだな
(まぁ咲妃と唯以外こっちに知り合いもいないことだし…どう思われようが知ったこっちゃないんだが)
「……隣、いいかしら?」
「…えっ?…あ、さっきの……駄目ですってちゃんと言ったじゃないですか」
「…まだそんなこと言ってんの?あなた意外と根に持つタイプなんだ?」
「えぇ!?…まだそんなこと…ってあんたが言ってたんじゃ…」
「もうそんなことどうでもいいじゃん…だからそうじゃなくて、悩んでる事があるなら相談乗るよ…?」
~…!
俺の二時間の苦労は一体…
…でも、なにも知らない人に聞いてもらうのもいいかもしれないな…
「大丈夫。お姉さんは人に言いったりしないから、どーんと話しちゃいなさい」
そう言って胸を張り、拳を胸に当てた
人が…それも他人が落ち込んでる時に場違いな明るさだったが、ストレスを全く感じなかった
そんな態度に、なんだか包容力を感じて…話すことにした
意味が分かんないだろうし、自己満だけど
この人なら最後まで聞いてくれそうな気がする
「…じゃあ…聞いてくれますか?」
「えー?どうしよっかなー?」
えっ?
聞いてくれるんじゃないのか?
「じゃあ後で……ええと…?」
「あ、悠…です」
「悠くんね。それじゃ後で悠くんをちょうだいね?」
…そろそろ呆れてきた
なんだ…?
この世界の人達はそんなに俺が美味しそうに見えんのか?
「……ならいいです」
俺が真顔でそう答えると、
「うそうそ、全く…冗談が通じないねぇ?そんなんじゃ彼女出来ないよ?」
うるさい!
大きなお世話だ!
「…そんな彼女なら結構です」
「それで…なんの話だっけ?」
「ああ…えっと、どこから話せば…」
「…で……なんですよ……それから…だし……なってそうで…」
「……そうなんだ……うわっ…そんなの絶対やだ……アッハハハ…なにそれ……ん?試してみる?」
「いや…お姉さん、胸無…おグっ!?」
「…いい度胸ね?そんなに食べられたかったんだ?」
「いや…げほっ、ごめんなさ…うぇぇ…ごめんなさいもうしません」
「よろしい♪それで、どこまで話したっけ?」
「…あの、意識が…飛びそうなんですが…」
「駄ぁ目。朝まで付き合ってもらうの♪」
「……はい」
それから朝まで話をした
気がつくと途中からなんでもない話がメインになっていたりしたが、この人はどんな話でもちゃんと聞いてくれた
ところどころ面白い話を挟んだりして…
そんな態度がなによりもありがたくて……楽しくて笑ってるのに泣きそうになったりした
正直、本当に朝まで付き合ったのはキツかったがそれはご愛嬌だ…
「…でさぁ……で…なのよ……って、もう朝じゃない!?本当に朝まで付き合ってもらったね?」
「はは、そうっすね……でも、楽しかったっすよ?……ありがとうございます」
「…そんなこと言われると惚れちゃうな…また襲っちゃうよ?」
「またって…誤解されるような言い方止めて下さい」
「むー…最後までつれないね?あんたは乙女かっ!」
「お姉さんこそ…もう少し自分を大事にして下さいよ」
「…なら、大事にするから…わたしのこと…もらってくれない?」
なんでもない話とは一転して、彼女は真剣な顔でそう言った
そんな彼女に対して、俺は…
「あ~…俺がもう少し、大人になったら考えときます」
「まぁだそんなこと言うの?やっぱり、最後までつれないね」
「ふふ、そう言うお姉さんも…最後まで同じこと言ってますよ?」
「…そうね。あ、それとお姉さんじゃなくてアリアよ」
「わかりました。それじゃアリアさん…またどこかで…」
「うん、またね」
最後に別れの言葉を交わし、その場をあとにした
「……いい人だったな…」
「ふふ、ありがとう…それじゃそのいい人に道を教えてくれない?」
「!?…びっくりした!!……それで、どこに行きたいんですか?」
「フレンジアってとこ。知ってる?」
あ、運命ってホントにあるんだ…
思わずほくそ笑んでしまった
「あぁ、それなら今から行くとこです」
「ホント?じゃあ一緒に行こっか」
「いいっすよ。ついでだし、一緒に行きましょう」
こうして、別れは先延ばしになり
アリアが仲間に加わった!
好きなキャラとかいたら、感想に書き込んでくれるとありがたいですm(_ _)m