2.日常Ⅱ
一応ノロノロと頑張ってます
…更新はやっぱり不定期ですけどね(T_T)
悠「…うぅ…ん…」
布団の中で何かが動いたのに気付いて目が覚めた
起きようと思って身体を動かそうとする
悠「!!」
…そうだった…唯…と、一緒に寝たんだっけ
…とりあえず俺の腕に絡まってる手をはずさないと…
少しずつ腕を抜こうとする
スー…
よし、まだ起きる気配はない-
と、その時
ギュッ
悠「えっ!?」
驚いて振り向くと、俺の腕がさらにしっかり抱きしめられている
すー…すー…
だが、まだ起きたわけではないようだ微かに寝息が聴こえる
…もう起こすしかないか…てか腕にむ、胸あたってるってぇ!
唯「…あれ?悠君?…おはよ」
あ、やっと起きた…
悠「お、おはよ」唯「なんで悠君が私と寝てるの?」
悠「それは…唯に誘われたからだと思うけど?」
唯「えっ?私が…?」
えぇっと、昨日泊まりに来たのは覚えてるんだけど…
あ、思いだした…
そうだった…私から誘ったんだっけ
…私、なにもしてない(されてない)よね?
唯「ね、悠君」
悠「ん?」
唯「私、悠君になにもしてないよね?」
そう言われて自分を軽く見渡す
悠「…大丈夫みたい」
唯「よかったぁ」
唯「……悠君は、なにもしてないよね…?」
一瞬、唯の目が鋭くなる
悠「…自信はなかったけどなにもしなかったよ」
なにもしなかったが、ほとんど睨むような目でそう聞かれると少し考えてしまう
…俺、なにもしてないよな…?
唯「絶っ対なにもしてない?」
悠「…うん、絶対」
唯「……」
唯「ふー、よかったぁ悠君がそんな軽い男じゃなくて」
悠「はは」
…なにもしなくてよかったぁ~
ピンポ~ン
我が家のインターホンが鳴る
悠「ちょっと出てくる」
唯「うん」
ガチャッ
玄関を開けると…
咲「おはよ~悠!」
悠「お、おはよ」
まずい…家に唯がいることがバレたら…
咲「そんな女連れ込んでなにしてんのよ!私がいるじゃない!」…とか言いながらキレまくるに決まってる!!(前例あり)
なんとかして今日は帰ってもらわないと…
悠「ごめん、今日は用事が-…!!って勝手に入ったら…!」
咲「あれ?唯ちゃん?なんで悠んちにいるの?」
唯「え?えっと…私は昨日から泊ま…ムグッ!」
ギリギリで唯の口を抑える
悠「あ~!あ、そうだ咲妃!今日はなんの用?」
咲「用事がなかったら来ちゃいけないの?」
悠「いや、そーゆーワケじゃ…なんで来たのかなーって思っただけ」
咲「…それで、その子は?なんで悠の家にいるの?」
…これは誤魔化しきれないかなー…
悠「えっと、それは…」
咲「まぁいいわ、それより唯ちゃん」
唯「はい、なんですか?」
咲「ちょっと向こうで話しよ」
唯「はぁ、まぁ…いいですけど?」
チラリと視線だけを悠に向ける
悠「わかった…俺はあっち行ってるよ」
そう言い残してリビングに向かう
咲「で、話なんだけど」
唯「はい」
咲「アナタは悠が好き…なのよね?」
唯「!!」
言われて一瞬で顔が真っ赤になる
咲「…やっぱりね…」
顔を真っ赤にしたまま意味もなく手をばたつかせて無駄に焦りだす唯
唯「だ、だって悠君は…カッコいいし…優しいし…」
咲「いや、そんなに焦らないでも…てか好きなのはいいんだけどね」
咲「…あたしも…好き…だからさ…悠のことが…」
唯「そうだったんですね…じゃあ一緒じゃないですか」
咲「まぁね、で私の言いたかったことなんだけど…今までもこんな状況は何回かあったの…まぁ、泊まったのは唯ちゃんが初めてのはずだけど」
唯「へぇー、まぁたしかに悠君モテそうですもんね」
咲「そ、実際モテるからね~…悠は」
咲「それで今までも悠に寄ってきた雌共は私が追っ払ってきたんだけど…なんか唯ちゃんは気に入った…っていうか、なんか嫌いになれないから今回は邪魔したりしないから…お互い頑張ろうね」
唯「はい!…てか今までそんなコトしてたんですね…」
咲「だっ、だってぇ…悠に寄ってくるやつってロクなやつがいないから」
唯「ふふふ…大変そうですね」
唯「あ、そういえば名前まだ…」
咲「そういえばそうだったね。私は早瀬 咲妃…悠の幼馴染みで唯ちゃんのクラスメイトなんだよ?まぁ唯ちゃんは気付いてないみたいでちょっとショックだけど…」
唯「あ…ごめんなさい、って咲妃…?…同じ学年で咲妃っていったら…」
唯「えぇっ!?あの有名な男殺しの咲妃さんですか?」
咲「うん…まぁそんな呼び名もあったっけ…てかよく知ってるね?」
唯「もちろんですよ!有名じゃないですか。あれだけモテるのに男は作らないし成績も学年で2位…って聞いたし不良達に“こんな所で溜まるな!”って10人ぐらいの不良を1人で全員気絶させたとか!」
咲「あ~、あったね…そんなことも」
唯は嬉しそうに話しているが聞いてる本人は複雑な気持ちになった
唯「女の子の憧れですよ!私もファンですし…あ、握手してもらっていいですか?」
咲「…どうぞ」
唯「ありがとうございます!」
咲「ま、喜んでもらえたんなら良かった」
唯「あ、たしかに私は咲妃さんに憧れてます…それにお似合いだとも思いますけど…悠君は…譲りませんよ?」
強く決心して言う
咲「ふふ、言うじゃない…私も譲る気なんてさらさらないわよ?」
…その時、確かに2人の間に火花が散った
咲「悠!」
いきなり抱き付く咲妃、しかしそれには悠も慣れているようで
悠「あれ?和解したの?」
咲「あぁ、それは大丈夫…ね?唯ちゃん?」
唯「うん、なにもなかったよ」
悠「それは良かった」
話している間も振りほどくような仕草もみせない…唯はそれを見て今まで接してきた時間の差を感じた…
まぁ悠も咲妃がキレるんじゃないかと心配していたのでその安堵感も相まって余裕がなかったのもあるにはあったが
それからの3人はギクシャクする事もなく1日を終えた
次の日は学校なので全員解散という形になったが…
-次の日-
悠「…お~い、なんで一緒に寝てんの?昨日帰ったの見送っただろ?…咲妃ぃ」
咲「えへへ~、いいじゃん悠の布団気持ちいぃし」
悠の前でだけ普段の凛々しい(はず)咲妃はいなかった
悠「うわ、も~こんな時間か…早く用意しないと」
そういって布団から抜け出す咲妃も悠を追って時計を見てみる
咲「え?7時30分…ってまだ余裕あるじゃん!また逃げられたか…」
悠「咲妃ー!もう行くぞ~!」
咲「えっ!?まっ、待ってよ~!すぐ行くから!」
カツ…カツ…
大体毎日こうして2人で学校に向かう
唯「おはよ~悠君と咲妃さん」
悠「おはよ」
咲「おはよ、唯ちゃん」
ガヤガヤ
教室の中は騒がしい
毎日よく飽きもせずに話すことがあるな…
ガラッ…カツ、カツ
先生が教室に入ってきた
-こうしていつもの
“日常”が始まる-
やっと次話で話が本筋に入ってくる感じです