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14.洋館Ⅲ

久々の投稿です

どっかおかしいところがあったらご指摘よろしくお願いしますね!



マズい、早くみんなに知らせないと!




バァン!



時間を無駄には出来ない、手遅れになる前に


その一心で扉を蹴破る





悠「あつっ!…なんだこれ…燃やされてんのか?」




扉の外は、つまり廊下は向こう側の壁…それこそ1、2メートル先にあるはずなのに炎と煙でなにも見えない




悠「くそっ!…窓しかねぇか…」




グイッ




藍「……え?」




ダン!



パァァァン!




女の子の腕を掴んで窓から外に飛び出した


二階から飛び降りれば自分でも助かるかわからない。それも女の子を傷つけないように、なら尚更だ





レノアに1人分なら飛べるんじゃないか…とか言ったが、今は2人で飛び降りている最中、そんなことを言ってる場合ではない



地面までもう余裕がなくなっていた





悠「止まれーー!」





全力で急降下を止めようとする…が、飛ぶことすら難しい現状では落ちる速度を少し緩やかにする程度が限界だった






自分が抱えている女の子を見て、自分のせいで他の人が傷つくことを


2人分くらい飛ばせると思ったが甘かった


…それでも速度は落ちている。怪我は避けられないだろうが打ち所が悪くない限り助かるだろう




「!!」




悠「……ぶつかる!」



激突の瞬間、怪我するのは自分だけになるよう藍華を抱き締め、体を出来る限り丸める



直後、藍華が呟いた






藍「……掃塵華…(そうじんか)」





ボンッ!!




地面まで残り一メートルを切り、叩きつけられる寸前


着地点になるはだった緑の大地は、一瞬にして紅と蒼の炎に彩られた





悠「うっ…あっち!」




フワッ



爆発時に起こる爆風で体が軽くなり


落ちる速度も爆風に殺された





タッ



悠「ふぅ…危なかった、怪我覚悟で飛んだのに無傷ですんだ…ありがとう」




藍「………」



礼を言っても無反応だ、だがそんなこと気にしてる余裕もない


早くみんなに知らせないと…






バシィ!!




「!!」




その時、洋館をぶち抜く光が見えた


聞こえた音からして…雷か、リリィが起きたのか?





ガシャアン!



レ「…この規模なら幹部も来てるんだろう?雑魚は引っ込んでもらおう…!」




今度は瓦礫と化した壁や斬られて血しぶきを上げて転がる人などが見えた


これはレノアの声か…向こうは大丈夫そうだな


ならこの子をどうしようか…


こんな所に放っておくわけにもいかないし






考えていると、白衣を着た男が歩み寄ってきた





「藍華ぁ~、なんだその男は?施設から逃げてこんな所でなにしてやがる…」






上から見下ろした時、真ん中辺りにいた男だ


体格は痩せ気味であまり目立たなさそうだったが、1人だけ白衣を着ていたせいで印象に残っている





藍「………」



悠「知り合い?」





「知り合いもなにも、そいつは俺のペットなのさ」





そいつはそう言い切ると高らかに笑い始めた




藍「……っ!…」




今までなにも反応を示さなかった彼女が僅かにだったが、自分が見ている限り始めて感情を表に出した



それは怒り、悲しみ、恐怖…どれも含みながら、どれも含まない…そんな表情に見えた



はっきりしたことはなにもわからないが、明らかに負の感情だということだけはわかる





悠「…あんまり良い扱いはしてなかったみたいだな」




「当たり前だろう?そいつは俺の道具だ…返してもらおうか」




悠「ああ言ってるけど…どうする?」




藍「……いや…」



悠「やだって言ってるけど?」



「フン、まだ調教が足りないのか?…帰ったら死ぬまで実験しなくちゃなぁ?」




男はお世辞にも良い、とはいえない顔を更に歪めて吐き捨てた


その言葉によほど恐怖を覚えたのか少女は俺の後ろに隠れてしまった





悠「この子になにしたんだ?」



「さっきから言ってるだろ?実験だ。…これだから馬鹿は困る」


悠「実験って……この子が人に見えないのか?」



「ハッ!…わかってないな、そいつは俺の道具だと言っているだろう!」



そのセリフに顔をしかめた



悠「…どうしようもないクズだな」



「そもそもお前には関係ないだろう?そろそろこっちに渡してもらおうか」




藍「……いや…誰か…助けて…」




その呟きは多分、俺にしか聞こえないような小さなものだった


俺の服の裾を掴み、震えているのがわかる




悠「誰が渡すか…」



「…そういえば、お前も実験体になる予定だったな…いいだろう、こちらも相応の対処をすることにしよう」



男が白衣を脱いだ


白衣の下は意外と引き締まった身体に黒いタンクトップのようなものだった



しばらく脱力していたように見えたが、深く息を吸うと手を振り上げた






「jgtwmjm」





訳のわからない言葉だったが、あまりにも自然に呟いたところをみるとどこかの言語なんだろうか…?




「゛ハンマー゛」





ズズズズ…ッ




…なんだ?これは…

頭上に物凄い圧力を感じる



全身の毛穴が開いて本能が激しく声を荒げる



ここにいたら危ない!





「…藍鎖(あさ)





…ッズドン!!!




チリッ



悠「あちっ…」



髪が少し燃えたのと同時、反射的に頭上を見上げる



何も無いところが激しく燃えている


それだけでもかなり驚いたが、その炎が藍色の球体を為している


見方によっては何かと衝突しているように見える


炎がゆっくりと押されているのがわかった


…悠長に見てる暇なんてない今の内に離れないと




バッ



咄嗟に飛び退いて危機を脱したが


それもギリギリのタイミングだった




グシャァァ!




炎の方が圧力に押し負けて地面に叩き潰された



雨が降ってるのにも関わらずこれだけ激しく燃えているのは能力だからだろう


これほどの火力だと相当の能力者だというこどが推測される



これで二度目、もはや偶然ではすまされない


能力者は多分、手の中の女の子だ…



目の前の男とは敵対しているようだが…



この女の子は味方だと思って良いのか?


俺のことも敵だと認識してたらどうする?


それにしてもさっきの圧力は…?





わからないことが多過ぎて頭が痛くなりそうだ…




…とにかくコイツは敵だ


まずは倒してから、


考えを切り替えよう


その方がシンプルでいい






ジャキン!



銃を抜き、構える。

手をしっかり固定して、撃つ!




ガン!ガン!ガン!




「ハハァ…もしかしてこんな物だけで倒せると思ってないよなぁ?」




クンッ



ビシッ!




撃った弾が軌道を無理やり変えられた



床に4つ程黒い穴が穿たれ、そこから少し煙が上がっているのが見える




やっぱりコイツも能力者か…


だとしたらなんの…?


普通に考えて重力とかだろうか





悠「銃が通じないんなら能力しかないだろ!」




ドン!!




風が自ら回転しながら爆進する




「…なんだこれは?」




ゴシャァァ!



風も圧力で潰される





悠「本命はこっちだ!」



その風は囮で、上からもう一度撃つ


もともとそんな考えで潰されても動揺しなかった


実際、タイミングは完璧で決まったと思った





「甘いなぁ…囮も本気じゃないんなら意味がないだろうが」




ガン!



悠「うぐっ」




飛んでいるままの状態で思いっきり殴られた


衝撃の印象はまさにハンマー、だったが…そんなものどこにもないましてや隠してもいない




ガッ…ダンッ…ゴッ


ズザザザザ…




地面に強く打ちつけられ、一度では止まらず三回転、四回転してようやく止まった




悠「…ゲホッ、ゲハッ…うぉっ」




ありえない血の量、大分飛ばされたからな…



少しなめてた…


…コイツはめちゃくちゃ強い





…少し長引きそうです

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