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4月7日(世界保健デー)

WHO 世界保健機関 世界保険デー

詳しくはWik○pediaで検索、検索!

「なでこちゃん、今日は世界保健デーだよ」







春うららかな今日この日、私は通っている高校の2年生へと進級した。

仄かに暖かい風が心地よく、太陽は眩しい。


あぁ…いい天気だ。


そんな私の詩的な心情を消し飛ばす様な事を言ってきた人は隣の席の男だった。

艶やかな菫色のウルフヘアーにまるで血溜まりの様な紅い瞳のシニカルな笑みを浮かべるこの男は

「彼岸…なにそれ。それから私は撫子だってば」

一学年上になり新しいクラスへと変わった教室で、私櫻撫子(さくらなでしこ)の隣の席に座るこの男は彼岸(ひがん)と言う。

1年前も同じ教室で授業を受けた言わば友人であった。

去年の同じ日から彼岸に話しかけられて以来、こうして雑談をする仲なのだが、彼はその知識の量が兎に角凄まじい。

彼岸に知らない事は無いのか?と疑問を持つ事は常々あり、仲良くしている身としては無人島に一つ持っていく物何がいい?と聞かれて迷わず彼岸と答えた時にはクラスの女子から

―え、モノ扱いで良いの…?―

なんて困惑と疑念を持たれたものだ

まったく、言わば彼は私のテストの時にのみ発動するスタンドだと言うのに。

普段の可笑しい言動をしだす彼岸は要らない。

面白いけどたまに熱量強くて煩い



「今日は世界保健デー

WHO世界保健機関の後援を受けて毎年この日、4月7日に行われる世界的な健康啓発デーなんだ。」

「ふぅん、WHOってなんだっけ?なんか聞き覚えはあるんだけど…」

「…………おつむが弱いなでこちゃんには少し難しい話だった?」

む、……確かにテストの点数は赤点ギリギリで、授業のノートはクラスメイトに見せてもらうし、テスト勉強は毎回彼岸に先生役になってもらっているが、流石にその言い草は無いだろう。

「日本人なんだから、英語に疎くても仕方ないでしょう」

「英語に疎い以前の問題なんだけどなぁ…まぁいいや。

WHOとはWorld Health Organization

そのままの意味で世界保健機関。

国際連合による国際連合機関の一つで、

健康を基本的な人権の一つとして捉えてそれの達成を目的として設立された機関の事だね。

病気に対抗する為の治療とか薬とか、病気を無くす為の研究、感染症への対策や災害時の対策等、兎に角人類の健康を守って、生活の質を上げたりだとかそういった事に力を入れている機関の事だね。

もっとも、例に上げたのはあくまで一部だからもっともっとなでこちゃんが知らない事も研究したり活動してたりもするね」

「つまり、みんなが健康を維持出来るように考えてくれる所…って感じ?」

「物凄く大まかに言えばそんな感じだね」


流石は頭が良い彼岸先生。私の分からない事も即座に分かりやすく説明してくれるとは

それにしても

「それで、その保健デー?がどうしたの」

なにかする日?なんて疑問を持った私に突然、彼岸は机に肘を付き、組んだ手の甲で口元を隠して神妙な顔をした。ゲ○ドウポーズをやめなさい


「世界保健デー…つまり、世界的に保健についての注意喚起を促す日とも言える今日この日、あまたある保健学の中に入るであろう性指導についてもさり気なく促せる日とも言えるのではないかなと思ってね」





……………




「つまり、結論は?」

「世界保健デーと言う名の保険のお勉強をする為に今日はえっちな事を合法的に誘えるかもしれない!」

カッ!と開かれた瞳は瞳孔が完全に開いている。

美人の瞳孔まっぴらきは迫力があるなぁなんて少しの現実逃避だ

そうか、私はこの変態的な友人と向き合わなければならないのか…ふぅ〜〜〜〜


「彼岸って、顔は凄く美人で頭も良いし背も高くて身体付きも良いし運動もできるのに、物凄く最低だよね」


普通は女の子である私に対して明け透けにそんな事言える方が可笑しいと思う…コイツに恥じらいは無いのか?

無いのだろう。あればえっちに誘えるかもなんて事言わない絶対に…言わないよね?


「まぁ、半分冗談は置いておいて」

「半分は本気でえっちの話だったの?」

「半分は本気でえっちしたいんだけどそれはまず置いといて」

「わかった」

えっちは置いとくらしい。男子高校生の性欲にも勝る物があったのか


「保健デーなんて名前があるんだから、お互いまた1年健やかに宜しく?櫻さん」



―不意をつかれた

空いた窓から入り込む突然の風に煽られ揺らめく綺麗な菫色の中に見え隠れする柔らかに微笑む紅色に惹き込まれる。

本当に、この友人は可笑しな点を除けば…いや、寧ろこの可笑しな所も含めて飽きる事が無い

「…ふふっ、散々えっちな事話してた口で言う?普通。


こちらこそ、また1年お互い健康でよろしくね?彼岸くん」






こうして、櫻と彼岸の記念日と共にある日々の日常は幕を開けたのだった。


なんて、モノローグを思い浮かべてみるのもまぁ、たまには悪くないでしょう。









「明日は、なんの日かな?彼岸くん」

「それは明日のお楽しみだよ。櫻さん」



初めまして。

こちらに小説を載せるのは初めてになります。


少し不思議な距離感の男女2人による記念日と日常のお話

櫻さんと彼岸くんの様に緩やかな更新になりますが、もしお気に留めて頂けたのであれば今少しお付き合い下さい。

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