詩全集 抉る 作者: 那須茄子 掲載日:2023/08/14 薄汚れた善人の偽装 その膓(はらわた)に詰まった 汚物とともに正体を現した グロテスクで血肉が騒ぐ 人間の中は案外 鮮明に見てみれば 気色悪いものばかりで できていた それに堪えきれず 弱い者たちは 傲慢にもそれをまた偽りと 決めつけ始める 救済の施しようもない愚考 進んでいくうちに彼らの先には 破壊と亡骸で山積みの 幸福の化けの皮がうごめくだろう 道化師が笑いを潜ませて 目一杯に絶望を炙り出す 混ざりまざった雑種の中で 震える心臓を 赦すこともできないでいる