抉る
薄汚れた善人の偽装
その膓に詰まった
汚物とともに正体を現した
グロテスクで血肉が騒ぐ
人間の中は案外
鮮明に見てみれば
気色悪いものばかりで
できていた
それに堪えきれず
弱い者たちは
傲慢にもそれをまた偽りと
決めつけ始める
救済の施しようもない愚考
進んでいくうちに彼らの先には
破壊と亡骸で山積みの
幸福の化けの皮がうごめくだろう
道化師が笑いを潜ませて
目一杯に絶望を炙り出す
混ざりまざった雑種の中で
震える心臓を
赦すこともできないでいる