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06

~無手~



「早く戻って!」


 リコちゃんさんの声を聞いて俺は何も持たずに扉へダッシュした。


『痛っ!』

「えっ?」


 扉は開いているのに何かにぶつかった。

 リコちゃんさんのいる部屋に戻れない。


 何だこれと思っていると照明が消えた。


『うおっ』

「どうしたの!? ねぇ大丈夫??」


 リコちゃんさんの声が真っ暗闇の中から聞こえる。

 こちらの部屋もあちらの部屋も暗くて見えない。


「……タ! ケ…………」


 リコちゃんさんの声が遠くなる。

 そのままスーっと意識が遠のいた。


◆目次から4へ



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