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05

~すべて回収~



「早く戻って!」


 リコちゃんさんの声を聞いた俺は、慌てて近くのシャーレごと石を引っ掴みつつ机を乗り越えてネックレスを確保した。


「時間が!!」


 そのまま開いている扉に飛び込もうとした瞬間、停電したみたいに真っ暗になった。


『は?』


 何も見えない。扉もない。

 後ろを振り返ると机も部屋も何もない只の黒だった。

 自分がどこに立っているのか分からないと思った刹那、強烈な吐き気に襲われた。


 何かに膝をついた痛みと、手から滑り落ちたシャーレの割れた音が響く。


『床、アるン…………』



◆目次から4へ


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