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~茶色の石を持っていく~
薄茶色の石を握り締めて扉をくぐる。
何の問題もなく透明な実験室に入れた。
さっきは気付かなかったけど、この部屋も周りは真っ暗だ。
透明な壁はあるけれど、その向こうは何もない黒一色。
『光源どうなってんだろ?』
後ろを見るとリコちゃんさんが固唾を飲んで見守っている………気がする。
大きくうなずかれたのでひらひらと手を振り返した。
さて、ネックレスはどこかなあと。
手前の机、奥の机。さっきあった机の上には何もない。あれ?
『リコちゃんさん、何もないよ?』
ダッシュしたときに引っ掛けて落としたかなと思って床を見るが何もない。
『リコちゃんさーん。ナーイ』
情報量が変わらない言葉を口にしつつ適当に引き出しをパカパカ開けてみてもやっぱりない。
「ねぇ、その机に置かれてるシャーレに中身は有る?」
シャーレを持ち上げてリコちゃんさんの方向に望遠鏡みたいに構えた。
『ん?』
シャーレ越しのリコちゃんさんは若干ぼやけて見えた。
「空なのね」
ぼやけたリコちゃんさんはそのまま腕組みしてシンキングタイムに入ったようだ。
暇なので備え付けの棚やら椅子の下やら徹底的に捜索してみたがやっぱりなかった。
どこ行ったんだネックレスよ。
「時間軸が違うのかもしれない」
ぽつりと独り言みたいに呟いたリコちゃんさんは首をコテッとさせながらこっちを見た。
「悪いんだけど、もう1つの部屋も見てもらえる?」
『あっち?』
倉庫っぽい雑然とした部屋を指さした俺にリコちゃんさんがうなずいた。
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