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~大丈夫~
『あっちの部屋って現実にある場所なの?』
「私には見知った場所に見えるけれど、実際に存在している場所かは分からない。蜃気楼みたいな物かもしれない」
怖っ。一人で現実かも分からない場所に放り出されるのは厳しい。
『でも、ネックレスを探さないと俺もリコちゃんさんも元に戻れないんだよね?』
リコちゃんさんは腕組みをしつつ残りの綺麗な薄茶色の石を睨み始めた。考えてるのかな?
「君を元に戻す事はギリギリ出来そうな気がする……」
そう言うとリコちゃんさんはまた大きな機械の基盤みたいなのを外し始めた。
さっきと違って今度は薄茶色の石を全部配線に繋げているようだ。
ガコッという音がして機械の側面パネルが組み直される。
「ここに横になれる?」
リコちゃんさんが指したのは俺が最初に目覚めた床だった。
ゆっくり床に横たわる。
『俺が戻れるのはいいけどリコちゃんさんはどうするの?』
いきなりぶっつけ本番? テストだよねと思いながら質問する。
「大丈夫。ここだとお腹も減らないし眠くもならないから。君を飛ばしたデータから私の戻る道を試算できると思う」
大きな機械をカチャカチャ弄りながらリコちゃんさんがこちらを振り向かずに言った。
強烈な光が発生する。目を開けていられない。
「---------大丈夫。あんただけは!!」
最後に聞こえたリコちゃんさんの声は悲鳴のようだった。
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