夜盗
お前の家は、奇怪な音がするな。
なんだ?
ノミとノミをぶつけた様な、鉄の音?
耳障りの悪い音じゃな。
「警法(訪)器」?
これまた知らん。
「アラート」?
不可解な言語を使うな?ぬし。
俺たちみたいな、浅はかな学問、しか知らぬ?
「夜盗を追い払うためもの」
ふーん・・・。
でもな、貴様とて、学問やっておるだけ。
ただの新しい学に追随する、学習者にすぎん訳よ。
寺子屋に通う、目をキラキラさせた子供たちにも、劣る。
何が違うと。
「宇宙」を知るのに、測りが必要?
俺はそんなこと知らん。
「知らんのだぞ」
「あわれ」
学者よ。とんちんかんことを言うなよ!
我はよう知らんけど。
儒学が何に対しているかわかるか?
学者。凡そ人よ。
人と相対する時。
有名な高名な人、もの。
に、飲み込まれるほどの、ときめきを感じて、
空間が持っていかれる事はないか?
歪みじゃ。
その事件が善か悪かの方が、気になるう。
俺の世界じゃ。
それは、良し、として。
お前は墓も掘るのか?
盗掘か。
盗人だな。
理由は違えど、同じだな。
かんそうした人間の何が、興味深い?
ふくそう品が、面白い?
おまええー。
俺の剃刀で、首切るぞ。
本来は、やらぬが、あやめてよいか?
かかあも、そう、いっておる。
背中の赤子、「や助」も、そうよ、のう?
「ほ乳びん」?
今日はそれで、帰ってくれと。
それと五両。
五両で、みのがしてやる。
「とく」
あばよ。またくるけどな。ははは。
「かかあ。おれの勝ちよ」
「ひきょうな、あんた。最初から・・・まあ、いいわ」
鉱山の夜盗
つぎは鉱山の・・・について。