お菓子の国のダンジョン攻略
「それでパーティーさんこの前話したことなんですけど」
「ああ、お菓子の家が見てみたいからお菓子の家があるダンジョンの攻略を手伝って欲しいって話だったか」
「そうなんです、私このゲームのバトルについてはからっきしなので一人ではダンジョン攻略なんてできそうもないので是非手伝って欲しいんです」
「まああそこのダンジョンなら全部で四人もいれば攻略できると思うがメンバーはどうするかな~」
「お菓子の家!?なにそれ私も行きたいわお姉ちゃん!」
いきなりバディが部屋の奥の扉から飛び出してきた。
「なんだバディいたのか、お客さんに失礼だろノックぐらいしてから入ってこい」
「ごめんごめんお姉ちゃんでも今日はお菓子屋さんがお菓子を持ってきてくれる日でしょ?いてもたってもいられなくて文字通り風魔法で飛んできちゃったわ!」
「はいはい元気でよろしい、リング、デコレこいつは私の妹のバディだ、騒がしいやつだが仲良くしてやってくれ」
「あれ?ていうかリングお姉さんじゃない!?どうしてうちのギルドに?リングお姉さんももしかして空賊ギルドに入りにきたの?」
目をキラキラ輝かせながらまくし立てるバディ
「あ、バディちゃんだ、こんにちは、違うよ~今日はお菓子屋さんのアルバイトできたんだ」
にこやかに返すリング
「そうなのね!久しぶりあえて嬉しいから再開のハグしましょう!?ギュー!」
「はい、ギュー!」
「む!ちょっとあなたいきなりなんなんですか?リングさんとの距離が近いです!離れてください!」
ヤキモチをやいてバディを引っ張ってリングから離れさせようとするデコレ
「くんくんあなたいい匂いがするわ!あなたがお姉ちゃんの言っていたお菓子屋さんね!いつも美味しいお菓子をありがとう!私一口食べた瞬間からあなたのお菓子の大ファンなの!是非仲良くしましょう!」
「そ、それは嬉しいですけどえへへ…私のお菓子のどういうところが気に入ってくれたんですか?」
「味が美味しいのはもちろんだけど私鼻が利くから香りがいいのが特に気に入っているわ!一つ一つのお菓子を丁寧に作っている作り手に気持ちが伝わってくるわね!今日はあえて光栄よ!」
「こちらこそ私のお菓子のファンになってくれてありがとうございます、さっきは引っ張ってすみません、お菓子の感想はパティシエにとって励みになるのでこちらこそ仲良くしてください!」
デコレとバディは固い握手を結んだ。
「すぐに仲良くなれるのが子供のいいところだよなリング」
「私たちも昔そうだったね懐かしいよねパーティー」
微笑ましい気持ちになるリングとパーティー。
後日、リング、デコレ、バディ、パーティーの四人はパーティーを組んでお菓子の家を見つけるためのダンジョン攻略に乗り出しました。
「私お菓子の家が見てみたいんです!」
そんなデコレの一つの夢から生まれた大冒険さてさてどんな旅路になるのでしょうか?
「デコレちゃん確認だけどお菓子の家ってお菓子の国のどこかにあるって幻のお家だよね?」
「はい、でもお菓子の家はダンジョンの奥深くにあるって話なので私一人じゃ絶対にたどり着けないんですよ」
「うーん私も戦いは苦手だしなぁ今日は力になれるかな?
「リングさんが一緒にいてくれるだけで私は嬉しいのでそれでいいのです!」
「そっか、えへへありがと」
「空賊ギルドの二人もそろそろ来るはずなんですが……」
「風魔法でドッピューン!」
空から声がしたと思うと強い風が吹き荒れて空の真ん中に小さな竜巻のようなものが見え、こちらに向かってきた
「あれなに!?」
「こっちに向かって来ますよ!?」
小さな竜巻はリングとデコレの近くの広場の真ん中に降り立った。
「風魔法でドッピューンっと到着よ!」
竜巻がなくなるとそこには仁王立ちのバディと座り込んでクルクルと目を回しているパーティーがいた
「待たせたわねデコレ!リング!」
「バディ!?」
「バディちゃん!?」
二人は突然現れたバディに驚きながらバディの横にいるパーティーに気づいた
「…とパーティーさんは目を回してるみたいなんですけど大丈夫なんですかね?」
「大丈夫じゃねぇよ!」
急にパーティーは立ち上がり怒り始めた!
「おいバディいっつもその魔法で飛んでいくのは自分一人だけにしろって何回も言ってるだろ!こっちまで巻き込むな!ウップ…気持ち悪い…」
「えーだってこの方が早いじゃないお姉ちゃん、約束の時間よりも30分も前につくことができたわ!」
「時間の問題じゃねぇんだよーー!」
「ねぇんだよーー……!」
「だよーー……!」
パーティーの声が虚しく辺りに響き渡った。
「ともかくこれで」
「全員集合ですね!」
「ダンジョン攻略の始まりよ!」
「お前ら飛ばしすぎてバテるじゃねぇぞ登山と一緒でダンジョン攻略はペース配分が大事だからな」
「はーい」
3人は元気に返事をした
「やっぱり慣れている人がいると心強いですね」
「えへへまあないつもお菓子を安くしてもらっている分今日はたくさん恩返しをさせてもらうぜデコレ」
「空賊ギルドは仁義に厚いってやつねギルドの決まり事の一つよ」
「へー決まり事なんてあるんだ、なんだかカッコ良くていいね」
「でしょー?わたしたち空賊ギルドは最高にクールな集まりなんだから!」
「うちのギルドはなにぶん人数が多いからな、人の道として外しちゃいけねぇ基本のマナーってやつを決まり事っていう分かりやすい形にしてるってだけの話だ」
「それでも立派なことだと思うよ、人をまとめるギルマスって大変そうだもん、私にはとてもできそうにないな」
「つるんでて楽しいなって思える奴らが集まってたら自然が大きくなったってだけの話だそんな大層なもんじゃないよ」
「でもやっぱり私もパーティーさんのそういうところ格好いいと思います、堂々としてるというか、オーラを持っているというか」
「でしょー?私のお姉ちゃんは最高に格好いいのよ!」
「なんでお前が自慢気なんだよ」
「だって私のお姉ちゃんだもーん」
「あははは」
四人は和気あいあいとお菓子の家のダンジョンを進んでいきます。