ステータスを上昇させるお菓子
「それじゃあリングお姉さん、簡単にうちのお店のことを説明しますね」
「はいオーナーよろしくお願いします!」
「オーナーはやめてくださいよ、照れちゃいます……」
デコレは恥ずかしそうに両手を両頬にあててはにかんだ
「まずこのお店くる大多数のお客さんはフィールドとかダンジョンを冒険する前にステータス上昇するためにうちのお菓子を食べにくるんです。」
「え? ステータスの上昇? 普通に美味しいお菓子を食べるためじゃなくて?」
「リングさんこの街にどれほどのお菓子やさんがあるか知っていますか?」
「うーん、数え切れないほどあるね」
「そうなんです、そんな中でうちみたいな新規のお店にシンプルに美味しいお菓子を求めてやってくるお客さんなんて……ほんの一握りですよ」
そんなことない!っといいかけたリングだが確かに現実的に考えたらデコレ言うとおりだった。
「プロのパティシエさんたちに比べたら私なんてまだまだです」
「私は好きだけどねデコレちゃんのお菓子」
「もーそんなに誉めないでください…リングさんにそんなに誉められたら私調子にのっちゃいます……」
また頬が赤くなったデコレは小声で呟いた
「え? 最後の方なんていったの?」
「なんでもないです気にしないでください」
「でも単純なお菓子が目当てじゃないとしたらなんでこのお店はあんなに賑わってるの?」
「ふふ、それには秘密があってですねそれがさっきいったこのお店のお菓子を食べるとステータスがあがるって話に繋がってくるんです」
「なるほど、でもステータスがあがるって具体的にどんな効果があるの?」
「例えばポーションっていうゲームだとおなじみのアイテムがあるじゃないですか」
「ああ、HPつまり体力を回復したり傷を癒やしたりするあれだね」
「そうです、だいたいはあれと同じ原理であらかじめ食べておくと一定時間最大HPがあがったり、モンスターに与えるダメージがあがったりするんです」
「なるほどね、そんな効果があったんだ考えてみたら鎧を着ている人とか大きな剣をもっている人とかスイーツとは縁遠そうな人たちがお客さんに多かったね」
「単純な味で勝てないならそういう差別化させてどうにかお客さんを呼び込めないか考え出したのがステータス上昇の効果のあるお菓子を提供するってことだったんです、私としてはとにかく自分の作ったお菓子をたくさんの人に食べてもらって感想を聞いてお菓子作りの経験を蓄えたかったのでこのゲームのシステムがちょうど良かったんですよね」
「なるほどねデコレちゃんよくそんなこと思いついたねすごいよ!」
「もぉーそんな大げさに誉めるのはやめてくださいって言ってるじゃないですか~」
口ではこういってるデコレちゃんだけども顔はニコニコはにかんですごく嬉しそうだ、私がデコレちゃんのお菓子を大好きなのは本当のことだしこれからもできる限りデコレちゃんの力になりたいなと思うリングなのでした。