お菓子屋さんでアルバイト?
「へーじゃあデコレちゃんはプロのパティシエさんの娘さんなんだ」
「はい両親共すごいパティシエで将来は私も二人みたいなすごいパティシエになりたいって思ってます。だからゲームの世界でお店持って練習しているんです」
あれから私はデコレちゃんの店にちょくちょく通って今では店主のデコレちゃんと暇そうな時を見計らってよくお話するようになっていた、いわゆる常連ってやつだね
「デコレちゃんならきっとなれるよ、だってもうこんなに美味しいお菓子がつくれるんだもん」
「ありがとうございますリングお姉さん、でも最近困ってることがあって……」
「困ってること?」
「はい、お店が人気なってたくさんお客さんが来てくれるようになったのはすごく嬉しいことなんですがこのお店ワンオペ、つまり私一人でお菓子作りからお客さんの接客まで全部こなしているので人気になりすぎて全然人手が足りないんです。まさかここまで忙しくなるとは思ってなかったので困ってしまって…お客さんに充分な接客もできないし、誰かに手伝ってもらいたいんですけど私このゲーム始めたばかりでフレンドの知り合いとかも全然いないのであてもないんです。」
「そっか……それは大変だね、ゲームの中の世界と言ってもこのゲームは料理人のうでがそのまま反映されるからアルバイトとか雇うにしてもなかなか人が見つからないだろうしね」
「そこで相談なんですけどリングさん!よかったら私のお店で働いてもらえませんか?」
「ええ!?何で私?私お菓子作りなんて簡単なクッキーやチョコぐらいしかやったことないよ?」
「それは……リングさんのこと前からいいなって思ってたんです、優しくて物腰柔らかでまさに理想のお姉さんって感じで、お菓子作りはゆっくり覚えてくれればいいしどっちかと言うと接客をやって欲しくてリングさんみたいな素敵なウェイトレスさんがいれば私すっごく助かります!」
「うーんでもなぁ私結構人見知りするタイプだよ?接客とかあんまり向いてないと思うし……」
「働きながらお菓子作りを教えますしそれで女子力アップすればリングさんの今後の人生にもプラスだと思います。それに……」
「それに?」
「私どうしてもリングさんと一緒にお仕事したいんです。まずは試用期間ということでリングさんが嫌になったらいつでもやめて構わないので!…どうしてもダメですか?」
「ど、どうしてそこまで私に……」
「一目惚れってやつです!お願いします!」
「ええ……!」
うるうるしたまっすぐな瞳で頼みこまれて私はどうしても断れなかった
「うーんそこまで言うならとりあえずやってみようかな……?」
「やったーありがとうございます!早速お仕事の制服用意しますね!」
こうして私はデコレちゃんのお菓子屋さんで働くことなったのでした。うーん不安だ、大丈夫かなぁ?