季節外れのクリスマスと半額ケーキ
「クリスマスケーキはいりませんか? クリスマスケーキはいりませんか?」
「あまーいあまーいスイートなケーキですよー!よければご試食もあるのでご賞味あれー!」
リボンとカシミアはサンタガールの格好で道行く人々に呼びかけていた。
これはケーキ屋さんのクリスマスでのアルバイトというシチュエーションだ。
ここはVRゲームのVRシチュエーションの中の世界しかし町行く人たちはNPCではなくプレイヤーつまり現実の存在する人間たちだ。
ちょっとやそっと勧誘では振り向いてすらもらえない、何か他のケーキ屋にはない特別でプレミアムな方法やアイデアがなければいけないのだ。
「うーんなかなか売れないねカシミアちゃん」
不安げな顔するリボン、それに反しカシミアちゃんはなぜだか余裕の表情
「ふふーん想定内ですわ、ちょっとみていらしてリボン」
そういうとカシミアは驚きのアイデアは実現してみせた。
「ただいまからケーキ全品半額でーす! 半額ケーキいかがですか!?」
「ええ!? ちょっとカシミアちゃん店長さんの許可もとらずにそんな勝手な……!」
慌てふためくリボンを横目にカシミアはいい放つ
「昔の人はこういいましたわ、『パンがなければケーキを食べればいいじゃないかと』ケーキがパンと同じ値段になればお客様も嬉しい!ケーキが売れれば私たちも嬉しい!これぞWINWINですわ!」
「これじゃあ大赤字だよ…カシミアちゃんが悪役令嬢に見えてきたよ……」
半額ケーキは飛ぶように売れた、やはり半額に人は弱い!
後日談だが店長さんに怒られると思っていたが派手に半額ケーキをうりまくったことでケーキ屋さんの名がバズり後日多くの客がその店を訪れたことで店長さんはご機嫌でした。
私たちのおかげですわねと自慢気なカシミアにたまたまうまくいっただけどよかったとホッとするリボンだった。
「というかここVRゲームの世界ですし、バズれば基本なんでもありなんですのよリボン、私とお姉様の服もたまにバーゲンセールどころか無料で配って現実で作った服が売れやすくするようにしてますし」
ウインクしながらカシミアはてへぺろと舌をだした
「もーそういうことは早めに言ってよー!」
「まあまあこうやって色々知っていくのもこのゲーム世界の醍醐味ですわ、リボンがあたふたしてるところすごくかわいかったです!」
「もう言い返す気力もでないよ……」
変わったおかしなVRゲームの世界に翻弄さに驚くリボンでした。
「あと店員さんたちがかわいかったから買っちゃったというコメントもありまてよ」
「それは素直に嬉しいなえへへ」
「さあ次のVRシチュエーションへゴーですわ」
「おー!」
二人は満足げに次の場所へと向かった。