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カシミアは対等なお友達が欲しい

 カシミアはものすごくリボンのことが大好きである。


 リアルの話、カシミアは外国から日本に引っ越してきたアメリカ人と日本人のハーフだった。


 それに才色兼備文武両道、大人たちから神童と呼ばれるほど優れた子供であった


 それに加えお金持ちのお嬢様正に完璧超人であった。


 別に嫌われていたわけではないむしろその逆でみんなから憧れて好かれる人気者でカシミアの周りには常に人があふれていた。


 ただカシミアはあまりにも常人離れしていて対等な友達と言える存在がいなかったのである。


 もっと気軽に本音でありのままの自分で話せる友達がカシミアは欲しくてその心には小さな穴があいたようだった。


 それを救ってくれたのがリボンである。周りがまるでガラス細工を扱うように扱ってくる他のみんなとは違ってリボンは自然にフラットにカシミアに話しかけてくれた。


 まだ学校や日本の生活になれていないカシミアに学校のこと日本のことを教えてアドバイスしてくれる人をカシミアとリボンのクラスの先生はいませんか?と募ったしかしカシミアのオーラで気負いしてしまい手をあげる人は誰もいなかった。


 それをみかねて自分から志願したのが他でもないリボンである。


 まだ日本や学校に不慣れだったカシミアはあまりうまくリボンと話せなかった。


「あの……リボンさんごめんなさいね私のことで負担かけちゃって」


「ううん全然そんなことないよ」


リボンは屈託のない太陽ような笑顔で答えた


「リボンさんは何かみんなが困っていたらすぐに自分から動いて助けてくれる人と聞きました、今回も誰も手をあげなかったから動いてくれたんですよね……私その……申し訳なくて……」


「え?違うよ」


「え?じゃあなんで……」


「私カシミアちゃんと友達になりたかったんだ! だから手をあげたの」


「ええ!? 私と!? どうして?」


「カシミアちゃんがおとぎ話に出てくるお姫様みたいだからだよ! 私シンデレラとかいばら姫とかお姫様がでてくるお話が大好きなんだ! 先生がカシミアちゃんの学校生活をサポートしてくれる人を募集した時これはチャンスって思ったね!」


「意外と私欲的な理由なんですね、私リボンさんはクラスのまとめ役って聞いていたからてっきり今回もそうなんじゃないかと……」


「みんなのリーダーやってる理由も色んな人と友達になりたいだけだよ、その方が楽しいもんね」


また太陽のような笑顔をリボンはカシミアに向けた


「それでさそれでさカシミアちゃんのお家がすっごいお金持ちていうのは本当なの?」


「以外とざっくり聞いてきますのね……まあ私の家は世界的にお洋服を販売してる会社ですから世間的に言えばお金持ちってことになると思います」


「おーすごいすごいやっぱり現代のお姫様だよカシミアちゃんは私がちゃんとこの学校のこと教えてあげるねお任せくださいませお嬢様! なーんて」


「リボンさん私家でもメイドや執事からそういう扱い方されててそれがほんとは嫌なんですの」


「えーどうして?メイドや執事さんから大切にされるなんて素敵なのに」


「私ずっと対等に気軽に話せるお友達が欲しくて……リボンさんが私の友達になってくれるのは嬉しいですがそういう扱いは嫌なんですの」


「そっかなるほど分かったカシミアちゃんじゃあ普通に接するね、うーんそれじゃあカシミアちゃんの趣味とかなんなの?」


「綺麗な物集めですわ」


「あーそれ私と似てる私も可愛い物集めが趣味だもん」


「うふふ」


「あはは」


「私たち以外と似てるのかもね」


「そうですわね」


 これがリボンとカシミア二人の出会いだった。初めてまともな友達ができたのでカシミアは少しリボンに依存気味になったのである

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