光るぞ!このバナナ!
フレアです。ようやく1章スタートです。今回から毎話少し話が長くなりますがお楽しみください。
「それじゃあ娘達を頼んだよー」
「こちらからも、どうかよろしくお願いします」
やあ!私はナナ!!転生1日目!!マジで翌日から冒険に叩き出されたぞオイ。どうなってんだ。
ちなみにステータスカードは製法に色々時間が掛かるらしく、また今度になるそうだ。
「はぁ…」
「緊張しているのですか?」
「いや、めんどくさいだけだ。」
「はっきり言いますね!?」
にしても、まさか旅をする羽目になるとは…報酬が魅力的とはいえ流石に断るべきだったか…。
まあすると言ったのは自分だ。頑張るしかない…
「はあ…ちなみに、まずは何処に行くんだ?」
今は旅立ってから数時間、歩きだ。
「まずは、アートリズムダンジョンに行くよ!」
リノアがそう答える。
「アートリズムダンジョン?」
「ここから一番近いダンジョンですね」
「前回はそこに行く途中でゴブリンキングと出くわしちゃったんだよねー。」
「ちなみにダンジョンって言うのは魔王の能力で世界中に作り出された迷宮のことです。」
何気に聞いていなかったがやっぱり魔王倒す旅なのか…
まあ魔物とかいるしな…
「で基本的には主を倒せばダンジョンは消滅します」
「それって放置しちゃ駄目なのか?」
「それがそうも行かないのです。」
「ダンジョンはその場にあるだけで回りに魔物を引き寄せちゃうんだよねぇ…」
「なるほど…周辺住民に危害が及んでしまうわけか」
「そういうことです」
「それに、ダンジョンには奴等の財宝が隠されてるとかなんとか」
ようは人助けと資金調達を兼ねているわけか。
「っとそろそろ森に入りますよ」
出たな私の転生地点!!
「あっ!ナナさんの魔法の跡があるよ!」
リノアが指差した先には凍った地面があった。
「ゴブリンキングの死骸は騎士団が回収したみたいですね。」
「グルォォォォ!!」
っと話していると狼のような生物が茂みから現れる。
「ダークウルフですね。」
「魔物か?」
「はい」
なんか狼をめっちゃ怖くしたみたいな謎の生物だな…
「ここは私が行きます!」
「…大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ、ミリノちゃんは強いから!」
いやゴブリンキングとの戦いをみてると素直に信じられないのだが…
「こう見えても私は勇者です!この程度!!」
と言いながらミリノは狼…ダークウルフの群れに突っ込んでいく。
「ハァッ!!」
そしてまずは真ん中のダークウルフを一撃で真っ二つにする。
続いて左右の一匹ずつを回転斬りで纏めて切り裂いた。
「余裕ですね」
「お前強いな!?」
「ま、まぁ…頑張って修行しましたし…うわっ!」
なんて照れている背後から生き残りのダークウルフに飛びかかられる。
「いや油断すんな!」
それでも難なく振り払って切りとばしてる辺り、やはり本当に強いのだろう。
「しかし、本当に強いな…」
あっという間に最後の一匹を切り捨てる。
「いえ、それでもここまでの力はなかったですよ。ゴブリンキングの時のレベルアップのお陰です。」
「ようはナナのお陰だね!」
「こうガッツリ褒められると少し照れ臭いな…」
「グルォォォォ!!」
っと仲間の血の匂いに釣られたか、奥からさらに数十匹のダークウルフが現れる…数十匹!?
「って多いよ!!」
「これは少し手こずりそうですね…」
いや…あのダークウルフ…数こそ多いが一点に纏まりすぎだ。
これならば…
「どうする…?」
「やるしかありませんね…」
「いーや、簡単だ。」
そう言い私は手に冷凍バナナを生み出し、投げる!!
「グ…!!」
あのゴブリンキングを倒したときのように投げた冷凍バナナは白い冷気を撒き散らし、彼らのど真ん中で大爆発する。
狙いどおり、纏まっていたダークウルフは綺麗に全員巻き込まれ、氷像と化した。
範囲攻撃は便利!その理論は仮想であろうと現実であろうと変わらないらしい。
「いっちょあがり」
「おお!」
「凄い!」
精々散らばっていればもう少し生き残れたものを…
だが…これからもお世話になりそうだな、この冷凍バナナには
こうしてあっさりとダークウルフを退けた私たちは更に森の奥まで歩いていく。
「でも妙ですね…」
「どうかしたか?ミリノ」
「あっ!いえ!問題ないです!」
コイツ妙に鋭いからな…まあ何かあると警戒はしておこう。
「モグモグ」
「あっ!ナナ!私にもバナナ頂戴!」
「私もほしいです!」
「ほい」
「ありがとう!」
やはり無限に食料を生み出せるのは強いな…。
どんどん森が深くなり、辺りも薄暗くなってくる。
「暗いな」
「だねー」
「流石に危ないですね」
これ以上暗くなれば自分の足元すら見えなくなる…なんとかならないのか?と私が考えた瞬間…
「ってうわ!」
「ん?どうしたの?」
手にいきなりバナナが生成された。
「いや、なんか」
「あれ、また作ったの?」
「別に作る気は無かったんだが…勝手に」
「あっ!じゃあ頂戴!」
そう言ったリノアにバナナを奪い取られる
「ちょっと、リノアさん!」
「いや、別に構わない」
腹も一杯だしな。っていうかアイツよく食えるな
そして…リノアが皮をむいた瞬間
「うわ!!」
「!?」
「え!?」
まじか…
「え、バナナ光ってるよ…?」
「ど、どうやら私の力のようだな…」
い、いらねぇ!!絶妙にシュールで使い道ねえの出てきた!!
「これまた珍しい魔法を…」
「で、でも道も照らせるし、ラッキーだね!」
「ま、まぁそうだが…」
謎の光るバナナ持って森を歩く三人組とか怖すぎないか?
「グルォォォォ!!」
しかもダークウルフ多いな!!どんだけいるんだこの森!!
「流石にこいつら出すぎじゃないか?」
「多分、ダンジョンに引き寄せられてるんでしょう。これからもっと増えますよ」
「まじか…」
ウルフを吹き飛ばしつつ、私達はダンジョンへと向かっていった
バナナ生成
光るバナナが作れるようになったぞ!