めんどくさいぞ!畜生!その3
フレアです。昴の和名はプレアデス。
やあ!私はナナ!今私は…とか言っている場合じゃない!!今この人なんて言った!?
「君って何処から転生してきたんだい?」
「転生…?」
「どういう事…?」
転生者…なんて信じてもらえる訳がないと思っていたが…そういう訳ではないのか…?
驚きのあまり未だ声を出せずにいる
「ちなみに転生者が珍しくない訳ではないよ?むしろ伝説の存在だね」
「正直…俺もアイツのホラかと思ってたんだけど…その反応を見る限りマジっぽいな」
「お父さんどう言うこと…?」
「転生者って何!?」
勇者コンビの反応を見る限り、やはり一般的には転生のことは知られていないようだが…
「仰る通り、私は転生者です。」
「やっぱりねー。」
「私以外にも転生者はいたんですか?」
「確認はされているね。それとわざわざ馴れてない喋り方で喋らなくてもいいよー。」
そうか、それは楽でいい。
「ならばお言葉に甘えさせてもらおう。」
「ちょちょちょ、ちょっと待っておじさん!」
「そうだよ!まず、テンセイシャってなんなの??」
まあ、漫画もアニメもラノベも無いんだからピンとは来ないだろうな。
「わかった、わかった。説明するよ」
「まず、こことは別の世界があって…」
「待って…いやお待ちください。王様に任せると日が暮れます。ここは私が」
「おっ助かるよケガレー!僕説明とか苦手だし」
―――――いやこっちも説明下手だった!!
まあ大まかにはラノベなんかでよく見る転生者の設定そのものだ。
向こうの世界で死んでしまったものがごく稀にこちらの世界に転移してしまう…。いったところだ。
だが、
「何故私が転生者であるとわかったんだ?」
「そら、あのゴブリンキングをたった一人で仕留める位の冒険者で、尚且つ出身地も詳しい情報も不明ってなったらそれしかないかなー。って」
「後は少し情報源がありましたね。こっちはちょっと詳しくお話出来ませんが」
ふむ…というかもう身分証やら無いのバレてた。
「あっ国家機密だから口外しないでねー」
だから護衛がリノアの父親しかいないのか…
「ちなみにゴブリンキングを仕留める程って言い方を見るに、やっぱり転生者は基本的に強い力を持ってこちらに来るのか?」
「そうだったみたいだねー。」
そうだった?
「って言うのも転生者なんてここ数百年事例がないもんでねえ…」
「ほうほう…」
「古い文献の幾つかにそんな存在がいることが記されているってだけで正直実在すら怪しいレベルだったのよね。」
「あとは物語のモデルがそれじゃないか?みたいな考察もありますね」
「まあ、君の存在でほぼ確定したけれどねー。」
なるほど…。
「では、今回私を呼んだのはこの件の確認をしたかったってことか?」
「純粋にゴブリンキング討伐を褒めたかったてなのもあるけどね。それともう1つ」
「?」
「これに関してはお願いなんだけど…」
「良ければ娘たちの旅について行って…」
「やだ」
「即答!?」
嫌に決まってるだろ、面倒くさい上に恐ろしい。ゴブリンキング見た上でいきたい奴なんて居ないだろ。
「ま、まあまあ少し待って!」
「なんだ」
「勿論、ただでとは言わない!」
「ほう?」
「まず、君に王国証明書を発行して上げよう」
王国証明書?住民票のようなものか?
「ちなみに、証明書があれば自由に家が立てられたり、月々に生活金が支給されたり、外国への渡航に活用できたりもするよ」
厚遇!住民票どころじゃないじゃないか!
「本来は限られた極一部の英雄なんかに発行されるものさ。」
「う…」
「それと勿論、国民登録…ステータスカードの発行もしよう。」
住む場所に地位が手に入るのは大きいな…。それに圧倒的厚遇。
考えてみれば敵といってもゴブリンキングでかなり上の方みたいだしな…。
「わかった…。入ろう」
「おおー!行ってきてくれるかい!」
「え!?ナナ、一緒に来てくれるの!?」
「凄い!冒険が凄く楽になりますよ!」
「では、色々と手続きもあるから、明日から行ってもらうよー」
「わかっ…明日!?」
「ちょっ!ナノ!?それは急すぎない?」
「善は急げっていうでしょ?」
「そりゃそうだけども…」
「さ、さ、そうと決まればすぐに手続きだ!!」
「よろしく!ナナ!」
「よろしくお願いします!ナナ!」
完全に物に釣られた形にはなるが…まあバナナもあるから問題ない!!
こうして私の勇者パーティの一員としての生活が始まった。
次回から本編開始です!!