めんどくさいぞ!畜生!その2
フレアです。短い奴その2です。次かその次辺りでプロローグを終わらせて本編に入ろうと思っているのでよろしくお願いします。
やあ!私はナナ!!色々あって国王と面会する羽目になった。転生者という都合上身分証だの色々と問題を抱えた私が名が売れるのは非常に不味い…不味いのだが…やけに感が鋭い上に押しの強いミリノのせいで結局面会する事になってしまった。
そしておまけに…
「「「食べすぎた…」」」
腹を満たすため…と不味い方向に話がいかないように定期的にバナナを出していたが…流石に出しすぎた…
あと純粋にうまいんだよなコレ。食べると力が漲る感じがする。
しかも最悪なことにこの後すぐに面会だ。終わりだ。
「うぅ…苦しい…」
「ほ、ほら歩いてください。もうそろそろ王の間ですから…」
「いやー…食べすぎちゃったねー…」
私達は今騎士達に連れられ王の部屋?へ向かっている。
忘れていたが身分証問題関係なく相手は一国の王。敬意を持って粗相の無いようにしなくては…。
ミリノ曰く緩い人…らしいが。
そんなこんな考えていると、騎士達の足が止まる。
「こちらです」
どうやら着いたようだ。他の部屋とは明らかに違う豪華な装飾が施された、巨大なドア。
何が緩いだ…ドアの時点で威厳タップリじゃねえかこの野郎。
「準備は良いですか?」
騎士の一人がそう聞いてくる。出来てないなら帰っていいんだろうか…多分駄目だろうな…
この世界に転生して最初から着ていた服をさっと整えて準備は完了
「あぁ、構わない」
ゴゴゴっと重たいドアが開けられる。さて、面倒なことにならなければいいのだが。
「よく来たね…」
椅子に座っている紫色の髪の男がそう話す。
いやよく来たも糞も無理やり連れてこられたのだが…。
見た目は想像よりも遥かに若い。30代とかだろうか?
それでも様々な装飾品で飾られた男からは威圧感を感じる。
「どうも、お初にお目にかかります。ナナと申します。」
こんな堅苦しい挨拶するのなんか久しぶりだぞ。受験の面接以来じゃないかな…
「そっか!僕はナノ。よろしく~」
は?
「おーいお茶持ってきてー」
「かしこまりました!」
は?
「まあまあ、座って座って。」
いや緩いっていうか…何て言うか…。黙っていた時に感じた威厳は一瞬で消し飛んでいた。
目の前でニコニコと笑っている男が王で会ってるんだろうか…。
実は後ろで怖い顔して立ってる男の方が王じゃないの…?
「お言葉ですがもう少し威厳ある厳正な態度で」
「まあまあケガレ。君だってリノアちゃんと再会出来て嬉しいでしょ?」
「いやついさっき別れたばっかりなんだけど!?………失礼」
中々に苦労人そうだなぁ……。
「ミリノとリノアちゃんも元気してたかい?」
「いやだからさっき別れたばっかだってお父さん」
「はい!おじさん!お父さんも久しぶり!」
「それはよかった!」
「だからさっき別れたばっかだっての」
「お父さん…?」
「あれ?言ってなかった?ミリノちゃんは王様の娘、用はお姫様なんだ!ちなみにあの怖い顔の人が私のお父さん!」
「怖い顔で悪かったな」
そういえばこの二人、王に会いに行くって言うのに全く緊張もしてなかったが…そういうことか………。
「…」
「どうかしたかい?」
王は私にそう聞いてくる
「申し訳ありません、少し情報が多くて困惑してました。」
流石に情報量が多すぎる…。ていうかアイツら王とその家臣の娘かよ!バリバリ貴族じゃん!
ていうか私一国の姫相手にタメ口使っちゃったけど!?
「っとそっちのけで話しちゃってごめんね。そろそろ本題なんだけど」
困惑が終わらぬまま王が私にとう。
「君って一体何処から来たんだい?」
―――いやいきなり火の玉ストレート!!!!!
ど、どうするか…適当に答えるか…?いや一国の王だぞ…!架空の地名なんか速攻でバレる!
「あれナナ?顔が青いよ?」
「ちょっと、ナノ…様。それでは伝わりませんよ」
「あっそっか。ごめんごめん。それとタメ口で構わないからね?」
それでは伝わらない…?
「じゃあ改めて…」
「君って何処から転生して来たんだい?」
「転生…?」
「どういう事…?」
耳を疑う一言に私は固まることしか出来なかった。
騎士団 平均レベル8 平均年齢34
能力 防御壁 槍による突撃