すごいな!このバナナ
どもフレアです!書くこと見つかりません、助けてください
「どうするか…この状況…」
やあ!私は転生者のナナだ!私は転生してそうそうゴブリン?に襲われ、死を覚悟していたのだよ。しかし、そんな窮地に勇者を名乗る少女達が現れた!もうこれは勝ち確!そう思っていたのだが…
「うー」
「きゅー」
「よっわい!!!!なんだコイツら!!敵を瞬殺どころがお前らが瞬殺されてんじゃねえか!?」
勇敢にもモンスターに挑み、ものの数秒で気絶させられ、地面に倒れ伏す二人の少女をみて思わず口走ってしまう。
畜生!どうするか…この状況!!
「クチホドニモナイ…コレガユウシャカ……」
呆れたような表情で呟くモンスターに心の中で同調する。
あれだけの啖呵を切ってこの様なのだからそうも言いたくなるだろう…。
そして、少女達が敗北したということは、状況も逆戻りしたことになる。
「サテ、ツギハキサマダ…」
「待てモンスター!!ここはバナナでも食って!」
「いらん!!!」
当然のごとく放たれる拒絶の言葉と同時に今度こそ鋭い爪が彼女を抉る。
「ッ!!!」
持っていたバナナが宙を舞う。そして腕に走るのは経験したことのない、現代日本ではそうそう感じられなかったであろう痛み…
「ったい!!!!」
不味い!言葉にならないくらい痛い!!
腕を押さえてその場で転げ回る。
どうすれば!?
血が止まらない!!
血が吹き出すなんて始めてだ、ていうかこんな痛いのか!
「ツギハアシダ…」
痛みに悶える中、少女の恐怖を掻き立てるようにモンスターは次に攻撃する箇所を予告する。
腕から痛みすら感じなくなってきてる。くそ、こんなに頑張ったのに…こんなところで…私は…ぼ……は…
その痛みのお陰でこんな非現実的な状況の中でも正気を失わず、思考を保つことが出来ているのだが、その思考があるからこそ、薄れていく痛みに危機感と恐怖を感じる。これは生命的に不味いと…
「クラ…エッ!!!」
指定通り足を潰すため、そこそこ吹き飛んだナナの元へ走ってくるモンスター。
しかし、走ってきたモンスターは唐突に宙を舞うことになった。
「え?」
「ナ?」
両者から発せられる困惑の声、頭と足を逆にして宙を飛び、そのまま頭から落ちていくモンスター。
全く意味の分からない状況に困惑するしかないモンスターとは対照的にナナからはしっかりと一部始終が見えていた。
先程私が落としたバナナを踏んづけギャグマンガのように転けた…?
いや、物理的に考えてあんな180度回転する普通!?
更に彼女に起こった異変はそれだけではなかった。
というか、傷直ってる!?
先程モンスターに深く抉られた腕の傷がまるで最初から無かったかのように綺麗に癒えているのだ。
痛みが薄れていったのは認識できなくなったのではなく、そもそも傷が癒えていたのだ。
一体何がどうなって…
あり得ない状況の連続に困惑するしかないナナ。
「グッウウ」
そこで、倒れていたモンスターが起き上がる。
あっゴブリン?起きた
「キサマ、イッタイナニヲ!!」
「なんもしてねえよ!!!お前が勝手に転けたんだろうが!!!!」
「…!?ソレニキサマ、ナゼキズガイエテイル…」
「それも私が知りたい!!」
困惑した表情で返すナナ。
確かに私は切りさかれた。感じたことのない鋭い痛み、恐怖は今もしっかりと私の脳内に刻まれている…
「…!マサカ!キサマノショクシテイタカジツノセイカ!?」
まるで見当違い。そんなモンスターの言葉に対し
なわけあるかぁ!!!バナナだぞ!?!?んなスーパー食品だったら…
っと声をあげようとして、寸前で引っ込める。
いや、待て…そういえばこれはただのバナナではない…おそらく転生特典って奴だ…
転生特典といえば物凄い火力の魔法だったり無尽蔵の力、どれもチート能力ばかりだ。つまり、このバナナもそんなチート能力に匹敵する代物なのでは!?!?
自分の知っているいくつかの物語の例から、この能力をそんな無敵の能力の一つなのではないか?っと考察するナナ
そこに
「ナニカ、コタエロォ!!!」
痺れを切らしたモンスターが走ってくる。
がモンスターは再び先程自身が踏んだものと同じバナナを踏んづけ先程のように転ける。
また踏んだ!?奴がただ阿保なだけなのか、ほれともやはり…
…物は試しだ!!
私はゴブリン?が転けてる隙に瞬殺された勇者(笑)達のもとへ走る!
というか今気づいたけど私なんか早くないか!?子供の頃みたいだ!
「うー」
「きゅー」
そして倒れてる二人の口に生み出したバナナを食べさせる。
「どうだ!?」
「うー…うまい…」
「きゅー…あ、美味しい…」
味は聞いてねえ!!
心の中で突っ込むナナではあるが、明らかにボロボロだった二人がみるみる内に回復していくのが見て分かる。
間違いない!このバナナ!回復能力がついてるようだ!!
自分の能力を所謂チート能力の一つだという確信を得るナナ。
更に傷の癒えた二人が目を覚ます。
「んっ…あれ?ここは…」
「私達生きて…」
多少名残が残るのか、顔をしかめつつ、ダメージを受けた箇所を抑えながら起き上がる二人。
次々と好転していく事態に気分が上がっていく。
「さあ!お二人さん!!今度こそアイツをやっちゃってください!!」
したっぱみたいなノリで、目覚めた二人にモンスターにびしっと指を指して指示を出すナナ
「キ…キサマァ…!!」
「ってうわぁ!!ゴブリンキング!!!」
「ちょ!!」
しかし、一度瞬殺されたのがトラウマなのかモンスターを見るなり逃げ出してしまう。
ゴブリンキング…?アイツの名前はそう言うのか
…っていうか勇者逃げたぞオイ!!!!
「ユ、ユルサンゾォ!!!」
物凄く恐ろしく怒っているが、二回連続でバナナ踏んで転けた奴に怖がる私ではない
それに、私の予想が正しければ…!
「コォノ!!!」
激昂し私に向けて突進してくるゴブリンキングに向けて私は先程二人に食べさせたバナナの皮をぶん投げる!
「ッ!アォ!!」
すると予想通り見事に間抜けな声を上げながら、皮を踏んづけ、ギャグマンガのように盛大に転ける!
「ッ!」
「プッ!」
少し離れた場所からその光景を見ていた二人が吹き出す。
やっぱり!私の生み出すバナナはただのバナナではない!食べれば超人的な回復能力、投げれば回避不可能の無敵のトラップとなる最強のアイテムだったんだ!!そしてこれをあの一回で見切る私の洞察力!!流石私だ!!
「ワラウナァ!!!」
「うるせえ!叫ぶな!!」
「ウォワ!!」
もう一発私は皮を投げた
「二人とも今のうちに早く!!」
さあ!今度こそ行け!勇者よ!!
今ならいけるだろ!っと声をあげるナナだが…
「いや無理無理無理!!!」
「あんなの私達じゃ絶対無理ィ!!」
「いや!勇者だろう!?君ら!!」
さっきまでの威勢はどこに行った!?
「クックックッ!ムリモナイ!ナニセワタシハゼンマオウ!!ゴブリンキン…グウォ!!」
「うるせえ!!てめえ全部カタカナで読みづらいんだよ!!」
だが不味い…確かに状況は好転したが勇者と魔法使いとやらが使い物にならない以上、奴にやられることは無いにしても奴を倒すことが出来ない…!どうすれば…
ミリノ 16歳 レベル16 職業 勇者
容姿 青髪のロングヘアー 身長は高め
能力 ???