カタツムリの最弱転生
俺は生まれた時からセメントのような青春を送ることが確定していた。ずっと家畜のような人生だった。だから、道端で出会ったオークが異世界転生できると教えてくれた時は嬉しかった。俺が頷くと同時に、オークは俺を殴り殺した。
転生をすると、俺はカタツムリだった。しかも異世界でもなくて同じ世界だった。転生してカタツムリになったのか殴られてカタツムリの形に変わっただけなのか俺には分からなかった。
オークに踏み潰されて俺の人生は終わり、本当の死が訪れた。それはとても優しい虐殺だった。しかし、カタツムリにはカタツムリなりの意地がある。俺は死んだ後も戦い続けた。その意思は遠くの街に受け継がれ、今でも砂漠の国ではアスファルトがくらげ帝国に対して抗っている。それはとてもかっこよかった。最終的にオークは死に絶え、地は荒れ、田畑は荒廃し、人類の勝利だった。カタツムリも絶滅を免れた。このクソみたいなハッピーエンドに全英が吐いた。