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俺と僕と私と儂  作者: キュウ・ナナレー
第一章 テラとガイア、銃と魔法
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第35話 ほのぼのと陰謀

精神的に参っていました。

「どうだラケール?」


「ちょっときつい……かな? 右腕は某FFの侍風に出しているけど」


「うッ?」


 俺はさっきの人工物から拝借した宇宙服らしいものにラケールと共に着替えていた(ケイコは嫌がったので俺とラケールの着ていた服の無事だった物を着せた)。 中には居住区らしき部分があり、損傷が激しい物の中、密閉され保存が効いていたコンテナなどから必要なものを出していた。


 居住区だったのでベッドなどもあって一瞬その中で暮らそうかと思ったが未だに謎が多すぎるのでその考えは捨てた。

 上がるときには余裕がなかったがラケールたちのいる地面の方へと降りるときに一際大きい建物があり、着替えた後の次にそこを目指す事にした。 


 最初はこの宇宙服に着替えるかどうか迷ったが、ケイコの服をそのままにしておくのは正直目のやり場に困る。

 特にこう……無邪気に周りを見るときに頭と体ごと回す仕草にボディラインが釣られて色々………


 これ以上考えるのはやめよう。 うん。

 え? 何を考えているかって? 言わせないでくれ…………


「そっちもきついか」


「うん」


 俺達が着た宇宙服はハウト連邦で支給されている物より分厚く、オレンジ色で体に密着したデザインだった。 他に違う部分があるとすれば通常、酸素発生器や応急修復用パッチなどの生命維持機能が腕やヘルメットの部分ではなく、腰にあるベルト脇のコンパクト化された状態のポーチの中に入っていたぐらいか。


 まあ、何時の年代物か知らないが無いよりマシか。


 そんなこんなでラケールが文字通り片手でケイコをあやしながら大きい建物は昔会館のような場所だったのか、作りがそれに類似していてつくりも割と頑丈だったので三人はここを仮の拠点としてラケールはケイコの世話と片付けを、マイケルは先の人工物の探索や物資調達を。


 それらを二日ほど繰り返し、時は第34話の冒頭へと戻る。 やはり会館らしく、粉末製の非常食などが備蓄してあった(勿論これを直接使うなど論外だが塩胡椒らしい調味料は使えたので近くから獲た食材と使っている)。


 その内マイケルは人工物の探索し終わり、帰ってきたところラケールのシチューをマイケルが幼い子供をあやす様にケイコにシチューを食べさせながら探索結果をラケールに話した。


「宇宙船? あれが?」

「らしい。 と言っても電源を通して辛うじて生きていた端末からはあれは一部でしか過ぎない」

「………よく電源通せたわね?」

「良くも悪くも、携帯のおかげさ」


 笑いながらマイケルは自分のスマホを出してラケールに見せる。

 支給品の中でも地味なスマホだが頑丈で、体内電気を拾って自己充電するタイプを、マイケルは片っ端から繋げられる端末に繋げて作動していった。


「で? それで手を火傷しそうになったと?」


 ジト目でラケールは焦げている宇宙服のグローブ部分を見、マイケルは苦笑いする。


「いや~、まさか一番初めに試した端末がショートするとは思わなかったぜ!」

「呆れた」


 ケイコはと言うと口をモグモグしながらマイケルとラケールを静かに見ていた。


「その他に収穫は?」


 マイケルがニヤリとするとラケールは嫌な予感がして、彼の視線を返す。


()()()()()()()()()()()()()


「…………………は?」


 ラケールが呆気に取られ、口がポカンと開いたままマイケルを見る。


「いや、正確には()()()()()()()()みたいな物を見つけたというべき────」


「────な、なんやてぇぇぇぇぇ?!」


「ふぇ?!」


 ラケールが突然声をあげ、ケイコがビクリとして、目に涙を留めながら顔が不安へと変わる。


「あわわわわ! ち、違うのケイコちゃん! 何でもないのよ?! だから泣かないで?!」


 ケイコはマイケルの方を見ながら愚図り始め、マイケルは笑顔を無理矢理作ったのが功を現したのか、ケイコは次第に落ち着いていった。


「でも…………動くの?」


「そこなんだよな~……あまりよく見ていないから何とも言えないが、()()()は放置されて結構立つと思う」


「ちょっと待て、『()()()』?」


「見た所同系統が三機は在ったな。 と言ってもさっきも言ったようにあまりよく見ていないし、あれは宇宙船の一部だけだった」


「じゃあ、方針としてはそれらが使えれば修理して、アイリ達と合流?」


「大まかに言えば、な。 あとはここら辺の探索を続ける。 ノーマンズランドになっていた筈の『ここ』が人の住めるような環境になっているのが違和感ありまくりだ」


「そう…ね」


「それと腕の方はどうだ? そろそろ痛覚もカット(遮断)出来る具合だろ?」


『痛覚遮断』はハウト連邦やティダ帝国の国民達全員が兵士として機能するように生まれた頃に処置を施される機能の一つ。 マイケルが時々使う身体と思考速度の限定強化などに類する、文字通り脳へ伝達する筈の痛覚を一時的に止める事が出来る。


「あー、それが…………()()()()の」


「は?」


 今度はマイケルが呆気に取られる顔になり、ラケールを見る。 何故なら『痛覚遮断』などは生まれた頃から誰もが使え、ほとんど無意識に使えるようになる数多い機能の一つだからだ。


 それが()()()()と言うのは異常であり、本来あり得ない。


「あ、その顔は信じていないでしょ? じゃあアンタもやって見れば良いじゃない?」


 そこでマイケルも限定強化を行使しようとしても、何もない事に拍子抜けしていた。


「………何か納得しない。 なんでマイケルはそんなに冷静なの?」


「冷静な訳あるか。 今はただ自分に出来る事をやってないと色々と圧し潰されそうだからな」


 そう言いながらマイケルはケイコの口周りについた食べ跡を拭く。 ラケールは静かにこのやり取りをしているマイケルの顔色を窺うがこれといった変化は無かった様に見えた。


 食べ終わった後マイケルは先ほどの宇宙船の探索に戻り、ラケールはケイコの世話をほぼ行き当たりバッタリ+二次創作ものの知識で何とか乗り切っていった。



 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …



「納得いかな~い!」


 何処かの事務所に場は変わり、そこで十代前半のゴスロリ風の服を着た金髪少女がソファーに座りながら足を不満そうな顔でバタつかせていた。


「そうも言ってられないわ、これは『上』からの命令だし」


 不満まみれの少女に答えたのは近くの窓から夜の街を見下ろす以前“ロクバン”と呼ばれた白衣を纏った紫色のポニーテールをした女性だった(第21話 「POW」を参照)。


「でもさー、幾らなんでもこれは横暴じゃないと思うだけどローちゃん」


「“ローちゃん”って」


「何なら“六番目”で────」


「────うるさい“三号”」


 溜息交じりに“六番目”と呼ばれた紫髪の女性が“三号”にそう答え、場の空気が見るからにピリピリとし始め、二人の苛立ちが顔と仕草でわかる。


「あ゛? “サンちゃん”と呼べっつっただろ? ボケたか何処かでSTD(性感染症)もらっちまったか、クソ婆娼婦?」


「貴方は一度解剖して見たかったのよ、この絡繰り人形」


「うるさいぞ二人とも。 ()ルなら他でやれ」


 一触即発のこの場で声を出したのは明らかに場違いのような侍服装の黒髪ポニーテールの十代後半の少女だった。


「あーらら、叱られちゃったね婆?」


「あら、貴方がイライラするのは珍しいわね“二番目”?」


「………………………」


 クスクスと笑う“六番目”に対して“二番目”はただ黙り込み、依然として表情を崩さず、ただ静か座禅を組むのを“サンちゃん”が面白そうに見る。


「そうねえー、ただでさえ自分の()()()()()された上に『お預け』食らっちゃったじッ────」


 ザシュ!っと音がすると“サンちゃん”と呼ばれた少女の首が胴体から外れ、ドドンと首だけの頭と体が鈍い音と共に血を吹き出しながら床へと落ちる。


「まったく手を出すのが早いわねー『二番目』」


「………………」


 いつの間にか立ち、抜刀した刀を鞘に戻すのを見ていた『六番目』が視線を床で未だに微動だにしない“サンちゃん”の体を見下ろす。


「今のうちに解剖────」


 “解剖しようかな?”と言い終わる前に、“サンちゃん”の胴体が切り離された頭を掴み取り、乱暴に首と首同士を繋げ────


「………………あ゛あ゛あ゛あ゛、びっぐりじだ」


 ────“サンちゃん”がガラガラとした声で、ナプキンで首回りを拭き、口から血を吐き出しながら言う。


「それに不満なのは私もよ~? 何せあんた達は『()()()』に対して、私は『()()』よ? 明らかに人員配置を間違っているでしょ?」


「まあ、『彼女』が私達に出す指示が我々にとって意味不明なのは今に始まった事ではないからな」


「……………そうだな」


『サンちゃん』、『六番目』、と『二番目』がそれぞれ自分の意見を声に出す。


「それでしかも最後にはちゃんと事成すから怖いね~、策士ね~」


「違いないわ! それに『彼女』が一人で全部出来るのにしないのかが『何らかの策の一部』って考えちゃうわよね」


「………………興味がない」


『二番目』が興味がない事を声に出しながら部屋を出て、『サンちゃん』はソファーから飛び降りると後を追って部屋を出る。


『六番目』は近くのテーブルの上に置いてある電話を手に取りながらパソコンに電源を入れる。

 電話の連絡先が固定しているのか『六番目』が手に取ると相手を既に呼び出していた。


『……………もしもし』


「あ、()()()閣下ですか? 夜分遅くに申し訳ありません。 実はLíf(リフ) Lífþrasir(リフプラシル)計画に関しての報告なのですが────」


『────おお! 早速転送してくれ!』


「実は大総統閣下に提案があるのですが、ティダ帝国の上層部にも()()を持ち掛けてはどうかしら?」


『何? どういう了見だ?』


「確かに『不老』は()()ですが、『不死』ではないのでどうせなら二つの大国を合併しつつ、計画の結果を餌に大総統閣下達が新しい国の主導権を握る方がお気に召されるかと」


『………確かに、そのほうが我々も安泰になるが……今まで『敵』として接してきた者達と和解などして国民達が受け入れるだろうか?』


「そうですね…………こちらの考えを言っても宜しいのであれば────」


『────君が今まで言ってきた提案は全て有意義なものだった。聞いて損は無いと()()は思うが』


「では、こう言うのはどうでしょうか? 『この長い戦争に休戦協定を持ち掛けたら相手も休戦協定を申し出てきた。その話し合いでお互いの国の国民に利益のある“寿命延長”を目指して手を取り合う』」


『それは………う~む………』


「この宣言の後に反対しそうな者達や『邪魔者達』を“反逆罪”という大義名分の下で駆除をすれば────」


『成程、それは……少し側近の者達と話し合う』


「では大総統閣下、ごきげんよう」


 そう言いながら、『六番目』は電話を切り、パソコンの画面に出てあるメールを送信して送る。


「さて、見ものよなー? ()()


 クツクツと愉快に笑う『六番目』は椅子に体を預け、座りながら外の夜景をまた見る前に────


「────あ! あの木偶人形、後片付けをしていないじゃない?!」


『六番目』は床にこびり付いた血のたまりを恨めしそうに見、舌打ちをしながら椅子を立つ。


うおおおお、やっと投稿出来た。


と言う訳で最近まで参っていました(今もですが前ほどでは無い)。


しっかし思ったより『サイバーパンク2077』クソゲーだったな、あの後気分直しの『ウェイストランド3』にドはまりしてしまいましたけど…………


未だにTRPG版が好きだっただけにかなり堪えました。 


え? コロナ? みなまで言わせないでくれ。そっちも堪えているから。

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