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俺と僕と私と儂  作者: キュウ・ナナレー
第一章 テラとガイア、銃と魔法
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第33話 「ONMITSU」

お待たせしました! もっと早く書いて投稿する予定が他のキャラの外伝っぽいのを見つけてそれを投稿しようか迷ってて……


けっして仕事が忙しいとか風邪を引いたとかありませんよ?!


すいません、両方でした………

「(C-130 ハーキュリーズ輸送機か、よくこんなものが動いているぜ。)」


 (マイケル)はそう思いながら中を見────


「あいで?!」

「ちょっといい加減に下ろしなさいよ!」

「ああ、すまん」

「それにしてもお前の格好…ブフゥ!」


 暴れ始めるアイリを下ろして覆面の男が噴き出した。


「仕方ないだろクリフ。 てか作戦ではラケールの筈だったんじゃ?」

「何だよ? 俺じゃ不満か?」

「そうじゃなくて────」

「安心しろ、俺よりアイツの方が手先器用だから武器と装備の点検を代わってもらっただけだ。 それに……」


 ん? どうしたんだクリフの奴急に黙って?


「私は着替えをして来るわ────」


 アイリは少し手を加えた輸送機の中にある移住区っぽい奥へと行き、クリフが覆面を取る。 リックが“少し手を加えた”と言ったから何かの改造と思ったが……

 まさか個人で飛ぶCPコマンドポストを実現するとは。 ま、そのおかげでプロペラの音が中までで響かなない仕組みになっているのはありがたい。


「エッシェンバッハは?」

「ゴスロリに連れて行かれた」

「…………………すまん、もう一回言ってくれるか? 何か聞き間違えた様な……」

「ゴスロリ風少女に連れて行かれた」

「……………………お前、パーティーで薬盛られてないよな?」

「いや、至ってマジだ。 しかも飛んで行った」

「……………………………………………お~い! リック! マイケルが薬盛られたってよ!」

「だから違うって!」


 分かる。 分かるよクリフ、お前の考えが。 俺も信じにくいがもうどうやっても“飛んで行った”という表現しか出来ないから“こいつラリっているのか?”の顔をやめろ。


「………………あー、どっちにせよ収穫無しって事か?」

「まさか。 話からしてケイコは生きているっぽいし“保管”言っていたから────」

「────で、やっぱ“中央”か?」

「ああ、エッシェンバッハから“コレ”をもらった」

「………………カードキー? 今時珍しいな」


 そう、エッシェンバッハがリムジンの中で俺に手渡したのはカードキーだった。 クリフが言った様にカードキーのような物理的暗証は今ではほぼ廃棄されて体内ナノマシンから発するデータ転送によって自動的にオープン/クローズするのが主流なのに……………


 え? ここで“何でナノマシンが出てくる”かって? 言ってなかったっけ? 言ってない?

 あー、そっか。 じゃあ着替え&次の作戦準備中に説明しとくさ。

 まずハウト連邦はティダ帝国との戦争で国民全員には一通り予防接種などが施されている。 一般的なのは毒耐性や傷の治り具合とかかな?

 で次に俺達みたいな特殊作戦実行部隊経験者には思考速度上昇やそれに間に合うように体が動くようなリミッター解除(と言っても体を無理やり動かしているのに変わりはないから使った後の頭痛とか眠気や体の痛みが酷いが)。 

 分かりやすい様に言うと人間の脳と体の速度を疑似的に早くする為に()()()()()()()と言う枷を外す。 そしてその行為をナノマシン経由で無意識と言う()を外す。 ちなみにこの制御を行っているのは脳内アナウンサー(潜在意識AI)さん………らしい。

 いや学校でそう習っただけだから詳しい事は知らんがな。

 っと着替えも()()()()()()被り終わったし、あとは────


『あ、マイケル』

『ようラケール、武器点検ご苦労さん』


 俺は武器庫(に急遽改造した個室)に入ると今回使う装備を点検していた(俺と同じヘルメットを被っている)ラケールに労う声を掛けた。


『ねえ、本当に()()大丈夫なのよね?』

『ああ(多分)』

『今回の作戦は上手くいけばいいけど……アンタが術式を施したこの装備はちょっと』


 そこでラケールは俺が刻み込んだ装備らを見る。


『まあ、使わないに越した事はないが…万一の事を考えて、な』

『おーい、お二人さん方。 そろそろ例の“中央”の化学施設上空に着くぞ!』

『ああ、有難うリック。 すまないな、色々コネとか財産使わせて』

『いいって事よ! ただガイアに着いたら可愛い子紹介してくれよ? ………ああちなみにクリフにも』


 俺とラケールは服と装備、銃、そして()()()()()()を再度チェックし直して後方カーゴスペースへと戻る。

 いやあ、生身のHALO(高高度低開口)ジャンプなんて何時頃か。 訓練生時代以来か?


『二人とも分かっているな? もう一度ブリーフィング(作戦内容確認)をするぞ』


 1.(マイケル)とラケールが“中央”の化学施設の敷地にHALO(高高度低開口)ジャンプで降下

 2.ジャンプ中にクリフとリックが陽動を仕掛ける

 3.陽動が終わるまでに施設内に潜入

 4.ケイコを確保

 5.施設から脱出、そして後でクリフ、リックかアイリのいずれかと合流

 6.先の三人はガイアへの航路を確保

 7.ケイコをガイアに送り返す


 とそんなところだ。 弱化穴だらけに感じるが仕方がない、むしろ即席で出た割にはしっかりしているって褒めてくれても良い。

 息を吸い込む度に純度100%の酸素が肺から体中に行き渡る(急速な高度降下時の減圧病又は低酸素症の予防)。


『すまないラケール、今回は隠密行動だから重機は────』

『────持っていくわよ? 何があるか分からないし』

『持っていくなとは言ってない。 使うのは最後の最後、絶体絶命な時だけだからな?』

『わかっている……ねえマイケル?』

『うん?』


 ラケールが俺の方を見る。 ヘルメットのおかげで顔は見えないが声が震えている。


『私……私ね? えっと……』

『何だよ、急にモゴモゴ&モジモジしながら?』

『……私マイケルに聞きたい────』

『────二人とも着くぞ! 早くジャンプの準備をしろ!』


 ラケールの声を遮ってクリフが輸送機内のインターコムで俺達を急かす。


『で、何だってラケール? 質問の途中ぽっかったけど────』

『────ううん、やっぱりいいや!』

『???』


 ラケールが装備の点検を切り上げて準備をして個室を出る。

 ……っで結局何だったんだ? ま、いっか。

 俺も自分の装備らを確認してから後を追う。


 ………

 ……

 …




【無事に入れたな】

【ええ、ターゲット(エッシェンバッハ)おかげ(カードキー)ね】


 今俺とラケールは共に軍用サインランゲージ(手話)で話しながら施設内の通路を移動する。 なるべく警備についている人やDocka、ここで働いているらしい研究員はスルー。

 ケイコと居た時の索敵能力が恋しいぜ。 そう言えばどうやってアレやっていたんだっけ? ケイコは“風が教えてくれています”とか言っていたが……

 そういえば────


【待ってくれ】

【何故?】

【新しいアドバンテージを組み込む】

【もう皆動いている、危険よ】

【承知の上】

【……分かった、辺りを警戒しておく】

了解(ヤー)


 ラケールがサプレッサー付きQ Honey Badgerを構えて次の角辺りを警戒している間に俺は一冊の本を出した。 それはガイアから俺が持ってきた魔法や魔術に関するノート。

 確かここに……

 “原初の理、即ち万物万象のものは全にして個、個は全なり。”

 …違った、こっちはまだ訳も分からん魔法の方だった。 

 “()()()使()()()()()”は…っと。

 あった! えーと、これの術式は……フムフム…………これなら使えそうか?

 俺はウエストポーチの中からタクティカルゴーグルを取り出して股の外側から下げていたKA-BARナイフで術式をガリガリガリっと。


【何をしているの?】


 俺は術式を刻み込んだタクティカルゴーグルを付けて────


()を見ている】


 ハァ?と言いたそうな呆れた顔をしてラケールが俺を見ている気がするが俺は無視して周りを見る。


 おー、これは何と言うか……新鮮だな。


 〔マイケルの見ている景色は普段人が見ている景色の上にまるで一帯が陽炎のごとく揺らいでいて、ところどころから波紋の様な軌跡が視界を遮る。 試しにマイケルは自分の手を見て指先を擦るとそこから球状の波紋がゴーグル越しに見えた。〕


 よし、これで────


【我に続け】

【了】


 〔マイケルとラケールはそのまま施設内の中核らしき場所へと進む。 なぜ彼らが高も初見の内部を進めるかと言うとこういう場合、あるいは機密性が重視される場所などは基本的に最も秘密にしたい物は外部からの最も遠い中央か地下、或いは両方と言う作りに自然となる。

 マイケル達は徘徊している警備Docka等を警戒しつつ奥へ奥へと進む、そしてその度に通過する数々のガラス越しに見える部屋を彼らは横目で見る。

 中には様々な器具や明らかな倉庫や実験室などを通り()()に辿り着く。〕


「なんだ…こりゃあ?」


 俺は思わず声を出し、隣のラケールも警戒をするのを忘れ俺と一緒にその()()。 と言うか部屋か、これ?


 〔マイケル達の前にはただっぴろい場所の壁や部屋の中にびっしりと並ぶ棺桶みたいな箱が天井まであり、それら全てがパイプや機械などに繋がっていた。〕


「ようこそお二人さん、待っていたよ」

「「?!」」


 〔マイケルとラケールは後ろから声がかけられ振り返り、銃を構え上げるとそこには────〕


「お久しぶり、と言っておこうかしら?」


 〔そこには明らかに場違いなスカートの端を摘み一礼をする、ゴス風の服を着た少女が一人いた。〕


「あなた、誰?」

「お前、博物館とさっきの…」

「え? じゃあこいつが────」

「あ、空は飛んだけど私スーパーマ○になったつもりはないわよ。 その気だったら『目からビーム!』かクルクル回って『竜巻!』ってしているし」


 俺とラケールが銃を構えているのにこの余裕……それにこいつ、()()()()()()()()()()。 何かあるか、それか────


「────嵌められたって訳か?」

「マイケル?」


 〔ゴス風の少女の口の端が吊り上がり────〕


「へぇ? どうしてそう思うのかしら?」

「ここまで俺達が楽々と侵入出来たのが腑に落ちなくて、な」

「そうね、私に感謝して良いのよ? 何せこれは()の独断だから」


 ん? どういう意味だ?


「人払いに警備のルート調整その他もろもろ。 と言っても時間稼ぎ位しか出来なかったけど」

「…何でだ?」

「そうね~、ぶっちゃけ“気まぐれ”って言うのかな? でも良いの、お喋りに時間使って? ああ、ちなみにお探しの物は右奥から三段目の一番下よ」


 少女がそう言い、指を差すが俺もラケールも微動だにしない。

 分からん。 何でこいつはこんな事をするんだ?


「……ハァ~、好きにしなさい。 私は帰って────」

「────動くな!」


 踵を返し俺達が来た通路を戻ろうとする少女にラケールが怒鳴るが一向に振り向く気配がしない。


「動くなと言っている!」


 俺はゴーグルを外し再度脅しを掛けるが少女は無視し────


「────チィッ!」


 バスバスバスバスバスッ!


 俺が銃の引き金を引くとラケールも引き金を引き、俺達のQ Honey Badger弾丸が少女の四肢目掛けて飛んで皮膚と肉をえぐ────


 ────らなかった。


「んな?!」


 少女は撃たれたどころかそのまま歩みを変えず、角を曲がる前にこっちを向いて手を振り消えた。

 代わりに少女が撃たれたと思う場所の空中に今尚前に進まずに回転する俺とラケールが撃った.300口径の弾丸達があった。

 少女が角を曲がり視界から消えると弾丸はそのまま回転しながら床へと落ちる。


「…………………………………なあラケール?」

「……………………………何マイケル?」

「今何があった?」


 今起きた事を考えようにもどこか気がまとまらず俺は疑問をそのままラケールにぶつけた。


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