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「正面から敵! 攻撃を受け止める!」
「プロテクト」
「じゃあ、俺は側面から叩くぜ!」
「パワーアップ」
「僕も魔法攻撃で援護します!」
「クイックスペル」
三人の冒険者は敵、ダンジョン内のモンスターを難なく掃討した。残ったのは、換金する事が出来る魔石のみ。これは冒険者三人だけの功績、ではない。
「やっぱり、キラリちゃんがいると戦闘が楽だな!」
「火力もいつも以上にでるしな!」
「僕の魔法も詠唱スピードが段違いだもん!」
この三人の冒険者の底力を上げているのは、私、キラリ・ホシノの支援魔法のおかげだ。
「私の支援魔法は能力の底上げだから、強いのはみんなの元の能力が高いからだよ」
「謙遜しちゃって。キラリちゃんは町一番の支援魔法の使い手だって有名だよ? 俺らが楽に戦えているのだって、キラリちゃんが俺たちを支援してくれているからだもんな」
「そんなことないよ……」
実際、彼らは冒険者の中でもかなりの腕利きだ。それでも、戦闘に参加していない私のことを持ち上げているのは、私の魔法がすべて支援系に偏っているから。おかげで、私は一切戦闘に参加しないのに、このパーティーの一員としてダンジョン探索に参加させてもらえている。私はとても幸運だった。
この世界は、元いた日本とは違ってとても大変な世界だった。