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左右反転世界

作者: 僧侶A

朝起きた。何かおかしい。というより突っ込みたいことがある。


部屋の間取りがまずおかしい。左右逆なのだ。ベッドが逆の位置にあるのは百歩譲って良しとしてもクローゼットの位置が変わっているのはどう考えてもおかしいだろう。


移動しないはずのものが動いている。とは言ってもどうしようもないので諦めて支度をして外に出た。


そしたら脳がおかしくなるくらいの違和感があった。


何もかもが逆なのだ。まず道の方向が逆だ。いつも右に進むはずなのだが左にその道があるのである。


そして道が逆だ。車は左側通行のはずなんだが右側を走っている。最早違和感どころではない。


道が逆であっても、風景は変わらないのでなんとか学校にたどり着いたが、授業では更なる試練が待ち受けていた。


文字列が左右逆だったのだ。文字が鏡のようになっていないのが救いだが、いつもとは逆から文字が始まるので読むだけで一苦労だった。


ノートに写す場合は自分の慣れてる普通の書き方で書けばいいので書く分にはそんなに変わらないが、いずれ矯正しなければならないのだろうか。


そして1番困ったのはパソコンだ。パソコンを使う授業があったのだが、まずキーの配置が左右逆なのだ。


エンターキーが1番右側にある。今まで文字の配列とは違うせいで軽く文章を入力するだけで一苦労だった。


これはゆっくり打てばどうにかなるのだが、どうしても許せないものがあった。


それはマウスだ。クリックと右クリックがめちゃくちゃ紛らわしいのだ。


ダブルクリックをしようと思ったら右クリックを二回押してしまうし、右クリックをしようと思ったらクリックをしてしまい変なところを開いてしまう。


そして右クリックなのに右が左だから頭で考えると余計に混乱するのだ。


これに関しては1番イライラした。


全てにおいて左右逆なこの世界のことはよく分かったが、今まで培ってきた常識のせいで異常なまでに不都合を強いられている。


また、俺は右利きでこの世界の人々も右利きが多い。しかしこの世界での右利きとは左利きのことなのだ。


つまりどういうことか。この世界の右利きに合わせて物が作られているために合わないことが多々あるのだ。


それを見て、左利きはこんな世界で生きていたんだなあと初めて理解した。


右利きに合わせて作られることが多いと聞いていたがこんな不便だったとは思わなかった。


こんな世界で俺は暮らしていかなければならないのか。


全てが逆の世界に慣れるのにはどれだけかかるだろうか。

読んでいただきありがとうございます。よろしければ他の作品もご覧ください。

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