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20. 二人だけの三角形(2)

「由来、無事でよかった..っ

私が出ても足手まといになるから

窓から見てたんだけど..」


馬車に戻ると

オリヴィアがおずおずと私を見てくるので

少し安堵して微笑む。


「大丈夫、二人とも無事だし、

それより今心配なのは嵐だね」


「そうね、馬も心配だし..それに..」


「ここの地形は土砂が

崩れやすそうだからな」


パールの言葉に私は頷く。


確かにこの山道は所々が崖のような

斜面になっていて危険な地形だ。


だけど山賊に時間を取られたせいで嵐の中、

この山道を下るしかない。


外は暗くなりつつある。


嫌な汗が頬を伝うが焦っても仕方がない。

雨はたちまち雨脚を強め、

馬車の窓をぼたぼたと叩きはじめた。


「オリヴィア、ローブのようなものあるかな、

気休めだけど多少は雨をしのげるから」


私が言うとオリヴィアは大きなバックを

物色してくれる。


「これでいいかしら」


「うん、従者に渡していいかな?」


オリヴィアが頷くのを確認してから

馬車の扉を開ける。

雨は激しく音を立て打ち降り

刹那の間に服や髪を濡らす。


「従者様!オリヴィア様から受け取りました。

お使い下さい!」


轟々と唸る風に負けないように声を張り上げ

ずぶ濡れの従者にローブを投げると従者は無言で

受け取りコクリと頷く。


それに頷いて返事をすると

右側に広がる岩肌から

妙な音が聞こえた気がした。


「....従者様!妙な音が聞こえませんか?」


従者はその声に反応して音の先を見上げる。


この音.......近づいて来てる。


ゴゴゴゴゴゴと地を這うような音とともに

土砂が右の上方から

すごい速度で這ってくる。


打ち付ける雨の音を巻き込んで

茶色い塊が落ちて来る。


「オリヴィア!まずい!!

土砂崩れだ!!」


私が叫ぶとオリヴィアは

青い顔をして立ち上がる。


「ヒヒヒィーーーン!!!!」


鞭を打つ音が聞こえると

馬が大きく声を上げて

馬車内が激しくぐらついた。


「うぐっ、オリヴィア!大丈夫??」


「うん!

でも、....由来、神様は?」


「.........え?」


肩に捕まっていたはずの神様がいない。

慌てて外を確認すると神様が

外に舞い上がっていた。


「神様!!!!??」


「由来!来ちゃだめだ!!」


神様が叫ぶ。


雨で手が滑ったんだ....っ


助けなきゃ、


私は、気づけば馬車から飛び出していた。


ボコボコと土が盛り上がる地面を

猛スピードで駆け抜ける馬車から飛び出すと


一瞬身体が宙を舞った。


「由来!!!!!!????」


オリヴィアの叫び声が背後からする。

私は腕を思い切り伸ばして神様を掴むと

胸にぎゅっと包み込んだ。


地に着く前に土砂が頭上から降って来る。

土砂の唸る声が頭を震わせ、

身体を侵していく。


あぁ、私って本当に学習しないな。


地鳴りのような低い音が

何重にも重なって、

視界が真っ暗に染まっていく。


「........っ!!!!!!」


私は恐怖で瞳を閉じた。


...................。


......?


しかしなぜか

土砂が身体を打ち潰す事はない。


そればかりか暖かい光に包まれるような

心地がする。


瞳を開けると

本当に真っ白な光景が広がっていた。


眩しい視界を片手で塞ぐが

その光は勢いを増していく。


横たわる身体は妙な浮遊感を持ち、

身体は羽が生えたように軽い。


「ここは、.....天国?」


『全く...由来は無茶しなきゃ生きられない

人間なわけ?』


白い世界のどこからか神様の声がする。


「神様?

良かった無事だったんだ..。

....でもあれ?ここが天国なら

神様も一緒に死んじゃったの?」


『....由来ってやっぱり変な人間だよ。

僕のためにあんな土砂の塊に飛び込むなんて、

頭がおかしいとしか思えない』


白い世界が少しずつ暗くなって

目の前の世界が鮮明になって来る。


ポワポワと眩しい光に包まれて、

私は土砂の中にいた。


抱きしめていた神様はピクリとも動かない。


「神様?どこにいるの?

この光は何?」


『僕はここにいるよ、

アンタを包んでる光自身だ』


「神様が守ってくれたの?」


『僕が由来を守らないわけないでしょ?』


そう言うと光に包まれたまま

土砂から浮かび上がる。


「私、どこまで流されちゃったんだろう..」


土砂の上から立ち上がると

外はすっかり暗くなり、

私はどこかの林の中にいた。


神様の光が木々を照らし、

激しい雨や風は林のお陰で

その勢いを弱めている。


私を包んでいた光がすーっと

くまの人形の中に入っていくと


「さっきの山道から土砂で流されて

崖から落ちたみたいだね」


くまの人形が再び動き出して話しかける。


「神様!助けてくれてありがとう...っ」


私がくまの頬に頬を擦り付けると

神様は眉を下げて短く嘆息した。


「オリヴィア達は無事かな?」


私が言うと神様は頷く。


「神官とはテレパシーで連絡が取れるから。

彼女らは無事だよ。

僕らの無事も伝えておいた。

向こうから迎えに来てくれるみたいだよ」


神様の言葉に安堵し、

張り詰めていた息が放たれる。


「良かった...。

でも今こちらに戻るのは危険だから

オリヴィア達には宿に泊まるように

言ってくれる?合流は明日って事で」


「いいけど..由来はどうする気?

まさか嵐の林の中で野宿する気じゃ..」


神様の呆れたような声に微笑むと

神様は深い溜息を吐いた。


「平気だよ、

嵐の中なら獣の心配もいらないし、

木々のお陰でそこまで雨風も激しくない。

どこかで雨をしのげる場所を探さなくちゃ。

暖は神様の光を借りるから平気だし!」


私がニコッと屈託無く笑うと

神様は呆れ顔で私を見る。


「由来って謙虚なのか

図々しいのか分からないね..」


まぁいいけど、と神様はくまの人形から

少しだけ光を手に集める。


「神様すごい、そんなこともできたの?」


神様の光を懐中電灯がわりに使わせてもらい、

林の中を散策する。


「館がある。」


しばらく歩くと

林の中にひっそりと佇む

大きな木組みの館があった。


誰かの家にしては簡素な気がするけど

灯りがついているし、

人が住んでいるようだ。


「少し近づいてみる?

運が良ければ宿が借りれるかも」


私が言うと神様は眉をひそめる。


「その格好で?」


私ははた、と自分の格好を思い出す。


「ごめん、無理だ、通報される..」


足元泥まみれで、ずぶ濡れで、

怪しげな格好の使用人なんて

泊めてくれる人いないよね..。


「おい、君はどこの家の者だ」


肩を落として踵を返そうとする

私の姿はランプで照らされ

後ろから声がかけられた。


降りつける雨の中、

その低く響く落ち着いた声が

耳に入った瞬間、

全身が舞い上がるように高揚する。


懐かしくて、どこか切ない。

この状況で一番、

聞いてはいけなかった声だった。


ジュール、


振り返らずとも分かる。

どうしてこんな辺境の地にいるんだろう。

騎士の視察だろうか。


だけど今は関係ない。

すぐにその場を立ち去らなきゃ。


ジュールはこの国の騎士だ。

見つかってはいけない。


私は意を決して声の先へと振り向いた。


雨粒がジュールの黒髪を僅かに濡らし、

仄かに灯るランプが黄金の瞳を艶やかに

照らしている。


その瞳が私を真っ直ぐに見つめた。


「ブルーローゼ家の者です....。」


何故かそんな言葉を口にしていた。


私は胸につけたブルーローゼ家の

使用人バッチを見せる。


何をしてるの、私..?

逃げなきゃ、


だけど....


なんでか分からないけど

身体が動かない。


ジュールの姿を瞳が捉えて離さない。


全身が震えて、涙が出そうだ。


ジュールは私の声に反応すると、

私に近づいて来る。


大丈夫、声色は変えたはず..。


「声が震えている。寒いのか?

あの屋敷は、

近衛騎士の臨時の宿泊施設だ。

ブルーローゼ家の者なら

泊まっても構わないだろう。

合流は出来そうか」


ジュールは無表情なまま

穏やかな口調で話しかけてくる。


私がコクリと頷くとジュールは行く道に

ランプを照らして私を促した。


私は目の前の状況が飲み込めず

呆然とジュールについていく。


ジュールは背丈がさらに伸びて

身体も以前よりも

がっしりとした気がする。

きっと近衛騎士として

さらに力をつけたんだろう。


..なんで私、ジュールについて行って

しまっているんだろう。


どうして離れがたく感じているの?


久しぶりに会ったからだろうか。


ジュールがいないうちも

ペンダントが私を助けてくれたから?


この状況は私にとって、

一番危険な状況なはずなのに..。


どしてこんなに..。


ジュールに促され私は近衛騎士の

宿泊施設へと足を運ぶ。


中には騎士達が大勢いて、

皆各々楽しげにトランプをしたり、

酒を飲んだりしている。


「外に様子を見に行ったかと思ったら

その女の子はどこかの使用人か?

なぜこんな所に..」


「なんか妙な格好をしているなー」


騎士の数人が私達に話しかけて来る。


「ブルーローゼ侯爵家の者らしい。

紋章も確認した。」


ジュールが言うと騎士達は

驚いて近づいて来る。


「へぇーどおりで!

あの家のご令嬢は使用人にまで

奇抜な格好をさせてるって噂を聞いてたけど

本当なんだな!」


「こんな辺境の地までご令嬢と来たのか?

またどうして?」


「でもはぐれたんだろう?

嵐の時に災難だったなー!

ところでなんで肩にくま乗っけてんだ?」


騎士に囲まれ一斉に話しかけられると

妙な懐かしささえ感じてしまう。


だけど極力話さない方がいい。

どこで粗が出るか分からないし..。


「でもこれじゃ、前が見えずらそうだな」


ひとりの騎士が、

突然私の目にかかった布をめくろうとする。


私は反射的にステッキ振り上げ、

首にピタリと突きつけてしまった。


「お、おぉ、すまん。つい。」


やってしまった...。

私の馬鹿!馬鹿!


私は動揺を顔に出さないように頷くが

ジュールが訝しげな表情で近づき、

間近で私を見る。


「今の剣筋..」


ひっ....っ

やっぱり剣に関しては鋭いな...っ


薄布越しだが、

久しぶりにジュールの顔を間近で見たせいか

顔が熱い....っ


「おいおい、照れてんぞ。この色男!」


騎士の一人がジュールを

冷やかすように肘で小突く。


ジュールはクールな表情を崩さず

考え事をしている。


「....だったら顔を赤くはしないか..」


ジュールはブツブツと

何やら一人で考えては落ち込んでいるようだけど

何を考えているんだろう?


とにかくこの空間にいたら命がいくつあっても

足りない..っ


私が、ジュールの騎士服の裾を小さく引くと

ジュールがそれを察してくれる。


「すまない、部屋はこちらだ。

部屋にある物は

好きに使ってくれて構わない」


ジュールに通された部屋に入ると

深々と礼をする。


「嵐の中、部屋を貸してくださり

本当にありがとうございました」


私が言うとジュールは無表情な顔で頷き

部屋の戸を閉めた。


「ベッドで寝られて良かったね、由来」


肩にくっついていた神様が

にこっと微笑む。


「そうだね、神様。」


私はずぶ濡れの服を脱いで部屋に干し、

置かれていたタオルで身体を拭う。


「ウィッグだけは..しとこうかな。」


淡い青紫のウィッグを外し、

タオルで拭いてからまた被ると

ベッドに横になった。



.........


.....


..




風雨が窓を叩いているせいか、

ふと夜更けに目が醒める。

ベッドの横を見ると神様が寝息を立てていた。


「トイレに行きたいけど..

聞くの忘れてたな..」


私は神様を起こさないようにベッドから出て、

服を着る。


..まだ少し湿っているけどだいぶ乾いてる。


あとは、念の為剣を持っておこう。

ルイを証明してしまう物だし

肌身離さず持っていなきゃ少し不安だ。


剣を腰に差して部屋の戸を開けようとする。


ガコンッ


「え?」


戸を開けようとすると何かにぶつかる。


「...なに?.....!?」


戸の隙間をのぞくと扉の前でジュールが

剣を抱えたまま座り込んで寝ていた。


しゃがんで様子を覗くと、

隣に置かれたランプが

ジュールの寝顔をほのかに照らしている。


無防備に閉じた瞼が不意に開けられ

ランプの灯の灯る瞳がこちらを見る。


その所作にドキリと身体が跳ねた。


「....?どうした、何かあったのか」


寝起きだからだろうか。

緩慢な仕草で身体を動かす。


どうしてこんなところに..?


いや...ちょっと待って、

私、目隠し出来るヘッドドレスつけてない!


「トットイレに行きたくて..っ」


私は片手で自分の瞳を隠して言うと

ジュールはゆっくりと立ち上がり

扉を開ける。


「こっちだ」


ランプを持って

促すジュールの後をついていく。


「....どうして、

部屋の前で寝ていたんですか?」


ジュールの背中に問いかける。


「近衛騎士といえど男の集まりだ。

この屋敷は部屋鍵がない」


ジュールの言葉に瞠目する。


「お気遣い、ありがとうございます..。」


ジュールは暫く沈黙した後

こちらを横目で見る。


「似ている」


「へ..?」


「..声が似ている気がして、

思い出していたんだ。


....大切な子の事を。


こんな時、きっとその子なら

こうするだろうと思っていた。

そうしないと

怒られそうな気がしたからな。」


ジュールはそう言い、ふっ小さく微笑んだ。

ジュールの瞳に映ったランプの灯りが

切なげに揺れる。


「今は薄布をしていないな」


ジュールがランプで少しだけ

私の顔を照らすので私は慌てて瞳を閉じる。


「顔立ちもそっくりに見えてきた..。

俺は寝ぼけているんだろうか」


ジュールは深い溜息を吐く。


「髪色も違うし、女性だ。

それに使用人な訳がないのに..」


ジュールは誰のことを

想像しているんだろう。


あれから3年も経ったんだ。

大切な人が出来ていてもおかしくない。

きっとその人の事を今考えて、

こんな切なげな言葉を紡いでいるんだ。


時間というのはなんて残酷なんだろう。


チクリチクリと胸を指すような痛みがはしり

それがじわりと胸を焼いていく。


どうしたんだろう、私..。


ジュールに特別な人が出来たなら

嬉しいことじゃないか。


祝福するべきじゃないか。


親友としても、兄弟としても..。


なのにどうしてか

それを喜ぶことが出来ない。


ジュールの隣で笑う他の女性を想像するだけで

窒息しそうなほどに苦しくなる。


私、ジュールのことが好きなのかな?


今更気づいたって遅いのに。


馬鹿な私、

私はジュールにとって

恋愛対象外(おとこ)だ。


こうなる事は当たり前のことなのに

何をそんなに傷ついているの..?


だけど、

ジュールに大切な人をつくってほしくない。


そんなことが

頭に浮かんでしまう自分が嫌だ。


....今が由来で良かった。


こんなルイ、

ジュールに見られたくなかったから..。


だけど由来だったから、

男の箍のついてない女の姿の自分だったから

きっと気づいてしまったんだ。


ルイに戻った時、

ジュールに笑っておめでとうって

言えるようにならなきゃ..。


だけど...今は無理そうだ。


部屋に戻ると、ふらふらとベッドの中に

潜りペンダントをそっと握りしめる。


これに触れると

いつも気持ちが落ち着けたはずなのに、

....今は全然効いてくれないな。



夜が明けて気づけば朝日が差している。


胸の痛みが身体の中に蟠って

結局一睡も出来なかった。



........


....


..



「本当にありがとうございました」


玄関口で私が深くお辞儀をすると、

近衛騎士達はにこにこと微笑んで

別れの挨拶をくれる。


ジュールも見送りをしてくれる騎士達の

奥から私を見ると軽く会釈してくれた。


「ゆーーーーらーーー!!!!!!

もう!!!!!心配したんだからぁ!!!」


唐突に屋敷に入ってきたオリヴィアが

私を見るなり抱きつく。


「オリヴィア!

....ずいぶん早く着いたね」


私はびっくりしてオリヴィアを見る。


「オリヴィアお嬢様!待ってくださいよ!」


従者も後ろからげっそりしながら

着いて来た。


「おっ、ご令嬢もお出ましか?

役者が揃ったな!」


「近衛騎士の皆さん方、

由来を泊めてくださって

本当にありがとうございましたわ!

このご恩はいずれ必ずお返ししますわね」


近衛騎士の言葉に反応して

オリヴィアがにこっと微笑む。

近衛騎士も嬉しそうに頬を染めていた。


「待て、今なんと言った?」


ジュールが唐突に騎士の群れを掻き分けて

私達のところへ来る。


「ジュ!!!??

......コホン、ジュール様、

どうかなさいまして?

私何か変な事を言ったかしら?」


オリヴィアもジュールに気づいて動揺しているようだが、うまく笑顔をつくっている。


「この使用人の名を、

もう一度言ってくれないか?」


ジュールは真剣な眼差しで

オリヴィアと私を見る。


オリヴィアはその言葉に

焦ったように私の耳元で囁いた。


「え!!?なに??由来まさか自分の名前

ジュールに言ってたりするの???」


オリヴィアの言葉に全力で首を横に振る。


私は切羽詰まったオリヴィアと

今も真剣にこちらを見てくるジュールを

交互に見る。


よく分からないけどマズイことになりそう。


....今すべきことは一つだ。


私はオリヴィアの手を引くと

屋敷から走り去る。


「逃げるよ、オリヴィア!」


「えっちょっ由来!!?」


本当はこんな無礼な去り方したくなかったけど

緊急事態なんだから仕方ない。


後ろからジュールの引き止める声が聞こえた気がしたが、聞かなかった事にした。


「アレは知ってるって感じだったよね..?

なんで?...なんで??」


馬車の中で私が狼狽していると

神様が汗だくになりながら

にこにこしているのに気づく。


「神様....まさか!」


「言っちゃった。

つい僕の方が由来のことを知っているアピールしたくて....ごめんね?」


神様は舌を出してウィンクしながら

瞳をうるうるさせている。


「か〜み〜さ〜ま〜!!!!!!」


私は怒りに瞳を燃え上がらせる。


「どうして早く言ってくれないの!!!」


私の怒声は虚しくも林の中に霧散し、

小鳥のさえずりと共に

朝露の落ちる

のどかな木漏れ日の中に響いていた。

お読みいただきありがとうございます!

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