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終
その日、キリスは夢を見た。
兄がキリスを探すふれを出す夢だった。皇帝に露見しないように、細々と。ただ、何年経ってもキリスは見つからない。
ああ、そっか。やりかけの仕事を城に残してきてしまったのだな、とキリスは気づいた。今更だが。
ルキリスィア・ダーズン・サングリアは消息不明のままでいい。
その城に、今度こそキリスは二度と帰ることはないのだから。
ふ、と目が覚めた時、ギルバレッタはまだ幸せそうに眠っていた。人の財布を盗ろうなどとは考えていないようだ。
月がこうこうと照っている。まだ夜は深い。
正体不明の少女と、キリスは旅を続けることにした。
……『カソット』という話に続きます。




