第八話 「ショタっ子魔神王」
「ラルダ。起きて、そろそろ…」
「んぅ…ん?」
よく寝た気がする。ていうか気付いたら夜明け前じゃないか。結構寝たんだなぁ。ていうか視界が正常になってる。休めたら戻るのか。ん?あの従者さん達が凄いこっち見てくる。
「あの、なんですか?」
「いやぁ…和むね」
「なーんかエルドラさんとお前って凄い親子みたいだなぁって思ったんだよ」
「おぉ」
親子。もう私とおじ様の距離はそんなに近くなったってことか!やったー!
「さて、僕はそろそろ行かなきゃね」
「何処に?」
「忘れたのかい?僕は長耳族の森で人間族を迎撃しなきゃならない。流石に【土王】だけではどうも出来ないしね」
「あっ、そっかぁ」
「それじゃ、そろそろ…」
あぁー。おじ様と暫く会えないとか私寂しいー。なーんてあまり思って無いけど。どうせ至って短期間で終わるでしょ。とか思ってたら後ろから重圧感のある声が聞こえてきた。
「【龍帝】、そんな小娘と何をしている」
「えっ誰?」
「おや、これは【魔神王】殿。ちょっとこの娘の魔力眼が開いちゃってね。抑えていたんだよ」
【魔神王】…【魔神王】?え?もしかしてあの小さいショタっ子が【魔神王】なの!?かわっ…!ううん。何でもない…。
「ねぇおじ様。あの子が本当に【魔神王】なの?」
「えっ、あぁそうだよ。普通驚くよね。あんな子供なんだから」
ぼそっとおじ様が言う。やっぱり禁句なのかな。
「お前が最後の子供か。よく来てくれた、こんな里で良ければゆっくりしていってくれ」
「あっ…はぁい。あの…」
「なんだ?」
「年齢をお聞きしても…?」
「6歳だが…いや魔神族の場合人間族の6倍だから36歳にあたる。まぁ見た目的にはお前と変わらんな」
「…ほほう」
しばし沈黙が続き、私と【魔神王】はこういう結論に至る。
「お前とは気が合いそうだ。宜しく頼む」
「おぉ奇遇ですね、私もですよ」
「「「えぇっ!?」」」
ガシッと握手。驚く従者さん+α。いやそりゃそうでしょう。こっちに来て初めてですよ。子供と会えるの。いやぁやっぱり子供の時には歳差が近かったり、同じだったりする子が欲しいものだよ。因みに【魔神王】も「同調」を使えるらしい。
「それで【魔神王】殿、人間族側の指揮者は誰だ?行ったんだろう?」
「ん…。【剣聖】だ。だが魔力の流れを感じなかった」
「【剣聖】レイシュか…。物理攻撃は基本的に避けることを勧めるよ。魔力の「重圧」とか僕の「重力」で一斉に落とすのが良いだろう」
「物理攻撃を避けるのは何故だ?」
「奴はカウンターを主に使ってくるが、カウンター範囲がとてつもなく広い。馬鹿みたいに物理攻撃をすると首が飛ぶ」
「成程。それをあっちで待機している【土王】に伝えてくれ」
「了解だよ。それじゃ行ってくるねー」
おじ様はそのまま走り、城壁を飛び降り、暫くして龍の姿になって飛び立っていった。あれどういうシステムでなってるんだろ?
「行っちゃったなー」
「そうだね、ところで王よ、私達の仕事はこれで終わりでいいんだね?」
「あぁ。よくやった2人とも。ゆっくり休んでくれ。あっそうだ」
「どうしたんすか?」
「いやこの娘を【龍帝】が居ない間、面倒を見て欲しい」
「別に構わないが?その子がどう思うかにもよるがな」
クレイドさんがそう言うと、三人がこちらを見た。あっ私が決めていいのね。1人でっていうか、生前ああいう事があったからあまり同族と会いたくないってのはある。なら面倒を見てもらおう。
「別にいいですよ」
「らしいぞ王様!んじゃ、また仕事見つけたら呼んでくれ」
「あぁ」
私はふと彼が気になったので彼に手を振る。すると彼が手を振ってくれた。ちょっと気になったので聞いてみた。
「貴方の名前は?」
「ウェルト。フルネームじゃなくていいだろう?そちらは?」
「私はラルダです。気軽に呼んでください」
「あぁ。それではまた会おう、友よ」
「と、友ぉっ!?」
「まぁ、友は言い過ぎだが…仲は良くしてこう」
「それってナンパですか?私2歳ですよ」
ウェルトは驚きながら笑っていた。まあしょうがないね。
「だはははは!2歳にナンパとかヤベェな!王様も終わったな」
「やめてくれクレイド。別に俺はそういう意味で言ったんじゃない」
「大丈夫ですよ、冗談ですから」
私達は笑いあった。この里の生活も楽しくなりそうだ。やはり人生はこうでないとね。ただウェインさんだけは「ついてけない」って顔をしていたが。