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第二話 「長耳族に産まれました」

 目が覚めた。視界には天井。寝転んでるのか。私は身体を自分で起こそうと思ったが言うことを聞かなかった。うーん?なんかおかしいな。すると、突然身体が浮いた。そして目の前に男の顔が現れる。抱かれてるのか、今。ていうかこの人結構格好良い。あれ?待てよ?って、てことは、私は赤子に転生したのか!あぁ、てっきりそのままの身体で転生かと思ったよ。嫌でも前世では肉塊になってるわけだし、無理だったのかな。そう考えれば合点が行く。


「この()の名前はどうしようか?」

「そうね…。女の子だし、ラルダというのはどう?」



 あれ?なんで異世界人の言葉を理解出来るんだ?まぁいいや。神様の加護って事にしよう。しょっぼい加護だなあ。そう思いつつ、母親の方を見る。こちらも綺麗だ。ふむ、両方美形の間に生まれたのか。これは私も美形だ間違いない。そこでふと気付いた。母親の耳が長い。おぉ…。これがもしかして長耳族(エルフ)という奴ですか!いいお嫁さんを手に入れたねお父さん!と思い、父親の顔を見ると、彼にも長い耳が付いていた。あっ。私、純血のエルフに転生したそうです。

 これは良い。エルフなら弓を使うだろうし、生前弓道部だった私を思っての神の配慮だろう。ありがたい!神様最高!


「おっ、名前を付けて貰えて嬉しいのか?」


 そういう訳では無い。こっちでも弓を使える事が嬉しいのだ。こんなん自然に口角も上がりますわ。しかし、ラルダねぇ。まぁ悪くないか。原型もクソも無いけど。

 まぁそこはいいか。という訳で、エルフに転生した。結構楽しく過ごせそうだ。これなら後悔無く生きる事が出来るだろう。


「んじゃ、俺はちょっと狩りに行こうかな。今夜は村の皆とお祝いだ」

「ふふふ。いってらっしゃい」


 そう言って彼は私を横になっている母の隣に置き、弓を持って部屋を出て行った。やっぱり弓を使うんだ。狩り、弓。良いなぁ、やってみたい。今の私は産まれたばかりだけど将来は狩りとかしてみたいなぁ。ん、なんか非常に眠い。まぁこんな暖かな陽射しが当たる場所だしなぁ。そりゃ自然と眠くなりますよね。ここは赤子の特権で眠らせて戴くとしよう。そう思いながら私は目を閉じた。



  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


 そして出生から一週間の時が流れ、大分この世界にも慣れてきた。歩く事が出来ないのは当たり前だけど、母親をじっと見ると、抱いて外に連れてってくれる。それで分かったのだけど、ここは森だった。要するに田舎だ。まぁ、エルフの住む村が発展してたらしてたで色々おかしいからこれで良いのだけれど。

 そして、父親はよく家を出ていく。どうやら猟師として食いぶちを稼いでいるらしい。私はまだ母の母乳から離れられないが、彼が採ってくる兎や猪は普通に美味しそうなのだ。肉好きにはたまらないね。

 しかし、動ける様になったら何をしよう。狩りには行かせてもらえないだろうし、危険な事はさせてくれないだろう。そうだ。1人で自由に動き回れる様になったら、家の中を散策しよう。

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