宴と仲間と水浴びと
第3章です
見ていただけると嬉しいです!
カンカンと 骨を打ち鳴らす音と
少人数とはいえ うるさいくらいに
響く男の声 そして 目が痛くなるほどに光を発して燃え上がる炎
その外れで1人 俺と同じくらいの少年が
伸びをしていた
1 道中
やっぱり風の音と風が気持ちいい
隣の弥生も 頷く
太陽が真上にあって 暑い確かに暑いんだけど それを忘れさせてくれるような
風の音だ
それよりも 風にたなびく 弥生の髪と
風と汗で張り付いた 服も 暑さを忘れさせるには十分すぎるくらいあった
てか そのせいで 暑いというより熱くなった
そんなことを思ってると
「ねぇ 槍ちょっと川にいきましょう」
そう言うと弥生は俺の返事を待たずに
スタスタと川へ歩いて行った
俺も頑張って追いつく
「川 行って何をするの?」
と 問いかける
「あのー なんか気持ち悪いのよ 汗が」
と言った
あー なんかわかる確かにベタつく
弥生が あのーって言ったのに少しビックリしたけど
え? その格好で入るの?待って待って
やばくない? 透けない?
そう思ってると 弥生が
川に向かって走り出した
「弥生!ちょ!待って!」
あ、目が 回ってる あぁ〜
ドバーンと 飛び込む音がした
ふ〜と 気持ちよさそうに息を吐いて
濡れた前髪を後ろに搔き上げる
透けてますやん
「あの〜弥生さん 胸隠してもらえます?」
今気づいたみたいだ
顔が赤くなって思いっきり 川に潜っていった・・・
「俺も入るか」
上を脱いで 川に飛び込んだ
これは気持ちいいな
それよりもなかなか 弥生が出てこないので
脇を持って 持ち上げた
結構軽い
う〜 と変な声をあげてる
相当恥ずかしかったみたいだ
今思うと この距離で弥生を見たことがない
意外と細くて そして小さい
157とか それくらいだろうか
ギューッと抱きしめたくなるのを
堪えてそっと 地面に置いた
そのウルウルした目で俺を見るな
「ごめんごめん 早く言わなかった俺がわるいな」
そう言うと
「そんなことない 槍は言ってくれた!
でも そのまま飛び込んだ私が悪い」
うん 申し訳ないけど確かにそう でも
さっきの目をされると怒るに怒れない
「それはそれとして 狩に行った人たち?戻ってくるんじゃないの?」
「あわあわ い、行かないと」
なんか慌ただしいけど なんか愛らしいと言うか
可愛らしいと言うか
彼女の小走りの背中を見て
そう思っていた
2 宴
視線が 視線が痛い
めっさ 見られてる
珍しいのはわかるけど てかよそ者だし
弥生が村の方たちに 一通りの説明をしてくれたけど珍しい物は珍しいみたいだ
俺からしたら 藁を腰に巻いて
石槍と骨を鳴らして 獲物を拝む姿
が珍しいけど
相手からしたらこっちの方が珍しい
さっきから何人かの人たちには 話しかけられるが 笑って話を合わせるのが
精一杯だ 弥生はなかなか はしゃいでる
これには苦笑いだ
ふと周りを見渡して見ると
打ち解けてないような
青年を発見した 恐る恐る話しかけて見る
「こんばんわ 君名前は」
「僕?僕は 翔」
声と態度でわかる 内気って感じのやつかな?本をもたせたら 止まらなくなりそうなタイプだ
ふと 翔の足元の 石の板に絵が描かれていた 祭りでみんなが 騒ぐ姿だ
かなり上手い
「これ 翔が描いたの?」
うん、そうだよ
と返ってきた
「あ、紹介まだだったね 俺は
石谷 槍 気軽に槍って呼んでよ」
「よろしく 槍」
ぎゅっと握手を交わす
「それにしても絵が上手いな」
「ありがとう 槍 描くの好きなんだ
狩の仕方 毒の有無の見分け方とか
伝えるには絵が必要だろ?」
そうか この時代には文字がないのか
それだったらこの絵の上手さは
かなりの頼みの綱になりそうだ
「今度 俺にも教えてよ」
「絵を?」
いや違う 狩の仕方やら見分け方やら
「絵もだよ」
その会話が1番 この時代に来て落ち着けた会話だった
すると 弥生が
「槍 お肉食べないの?」
と言ってきた
どうやら長い長いお祈りは終わったらしい
「行ってきなよ 槍 僕は
君たちの絵でも描くよ」
「あぁわかった カッコよく頼むよ」
任せて だそうだ
そう言って 俺と弥生と翔は
配られた 肉にかぶりついた
その後描かれた翔の絵が
上手かったのは言うまでもない
どうでしたでしょうか
続きの方もよろしくお願いします
また不定期に出します!