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本が売れない…それはネットのせい??いえ、それは自業自得というものです。

作者: じゃんご

あなた…業界やマスコミに誤魔化されていませんか?


いつものごとく余計なお話も含みながら…の検証です。

…本が売れない時代だそうです。


で、業界の方はその原因の一つとして「ネットの普及」を声高に叫んでいます。でも、それって本当なのでしょうか?


ということで、この短編…なろう小説界の異世界放浪研究家でありガンマンである'じゃんご'が、そんなアホなお話を論破してあげようというのがこのコーナーです!!


 まず、そもそも、本の販売数が減ったのはいつからでしょうか?そこからまず考えましょう。


本の販売部数が減ったのは1996年をピークに1997年の統計からです。つまり1996年を境にどんどん販売数が減っていったのです。


 ここで本業界はこう書くのです。Windows95の爆発的なヒットによりPCが普及しネットの時代が始まったとね…そう結びつけた人も多いのではありませんか?


 それは大きな間違いです。日本はそもそもワープロの普及率が凄く、それがPCへの対応への出遅れとなっていました。1996~97年はまだワープロとWin95は鎬を削り大乱闘をしていた最中なのです。因みに死闘に完全決着がついたのは2001年です。2003年に最後のワープロ機である「書院」が「アイ しゃ~る りた~ん」と云って、ワープロが店頭から消えていったのは有名なお話です。つまりこの戦争に勝つまで5~6年かかったのです。OSも2001年にはXPが出ていますから…OS三世代にわたる死闘だったのですよ。勝者 ビル・ゲイツと勝ち名乗りをあげても良いくらいです。


これの意味するところはですね~。ついに「親指シフト族」の退治に成功したということですよ!!!!

あの何かあるごとに「俺、親指シフトだから…」と五月蝿かった連中が馬鹿にされる時代になったということです。


あっ、ついつい興奮してしまいました…


 で、そんなワープロの話はどうでも良いのですが、1996年のネットの普及率はどれくらいであったかと言いますと…僅かに3.3%です。これでいかに販売数に影響がでるというのでしょうか?電子書籍もありませんよ~。影響は全くないといえるでしょう。


 では、実際にネットが普及したはいつからなのでしょうか?

ネットが実際に普及したのは2002年です。その理由はこの前年にブロードバンドが登場したからなのです。これが大きかった!!そしてe-Japanという施策もあってここから爆発的に増えました。


 2002年に普及率は60%を超えるのですが、それまではネットの普及率は3割台なんですね。つまり2002年に1年で3割も増えたわけです。これは驚くべきことです。例えば、奥さん!!いきなり家事を完璧にこなす旦那が3割も増えたら驚きでしょう?えっ、驚くより喜ぶ…ですか(笑)ま~そんな感じで…どんな感じかはどうでもいいのですが、本当に2002年のブロードバンドの登場は画期的なことだったのです。因みに2003年には8割を突破しインターネットの普及は当たり前のものとなったのです。

 

ということで、ここで云える事はネットの普及と販売数の減少に相関関係はないということですね。





つまりネットが普及する前から、本は売れなくなっていたのです。


つまり、ネットが普及して本が売れなくなったとか読まれなくなったというのは大嘘です。


つまり、本はネットに関係なく売れなくなっていたというのが正しいのです。



では、なぜ1996年を境に本が売れなくなったのでしょうか?

それは簡単です。大人が活字離れしたからです。

それはなぜ?


答えは単純なお話です。


団塊の世代(ビートルズ世代)が50歳を迎え、老眼のため本を読むのが辛くなったからです。

そこで一気に団塊の世代のライトユーザーが本から離れ、ヘビーユーザーはライトユーザーへシフトしたのです。


 本業界にとってヘビーユーザーもライトユーザーも一番ユーザーが多かった…つまり購入者や読者数が多かったのが団塊の世代でした。団塊の世代の別名は「濫読の世代」と呼ばれていたくらいなのです。実際に各種統計を調べると、団塊の世代の一人当たりの書籍購入額も冊数も多かったことが分かります。まさに「濫読の世代」にふさわしい買いっぷりでした。ですから、いっぱい購入してくれる上に、人口も多いとくりゃ~それは数字は上がるわけですよ。その世代に売れそうな本を乱発していけば買ってくれるのです。だから、本の編集はマーケティング力が軽視されてきたんですね。団塊の世代が好みそうなものを作れる「直感」もっていることが編集者の力量だったのです。ということで、本が売れていた時代というのは、この団塊の世代の層をメインターゲットにして乱売した時代だったのです。


 ちょっと話はそれまして、余談ですが第一ターゲットが団塊の世代であるならば、第二ターゲットはどこだったのでしょうか?それはバブル世代(ガンダム世代)です。彼らは漫画を愛し楽しみました。そしてライトノベルというジャンルに最初に目をつけたのも彼らです。本のサブカルチャー化とライト化を推し進めたのは彼らだったのです。だから漫画誌が乱発されたのも、ライトノベルのレーベルが増えたのも第二ターゲットとして、そこに業界が物量をつぎ込んだ結果なのです。


で、話しを戻しますと…団塊の世代が老眼で苦しむときを迎えて、その蜜月関係が終わったわけです。


調査によって数値に若干の差異はありますが…色々な調査において、彼らが50歳を迎えてからは確実に購入数が減っていることが分かっています。そして何よりも本を読まなくなったという人も増えているのが分かるのです。調査によっては、現在では団塊の世代の7割弱が本を読んでいないという結果が出ています。彼らが40代のときは本を読まない層はどの調査でも30%台でした。それから3割から4割近くも読まない層が増えているのです。これでは販売数が落ち込むのも当然といえるのです。



本業界は団塊の世代が年齢を重ねるということに対して大きな間違いを犯しました。

団塊の世代が歳をとることに対してこう考えたのです。マーケティングも無しにただ直感で…


「彼らが定年退職したら暇になるぞ…そうしたらもっと本を買ってくれる!!」


はい、大きな勘違いでした(笑)


彼らは読者という第一線から引退する道を選んだのです。そして旅行とか孫への送金とか違うことにお金を使い出したのですよ(笑)


 老眼の方に訊くと…細かい文字を読むのは拷問に等しいそうです。私も会長や社長に社内プレゼンするときはパワーポイントも文字をいつもよりも大きくするサービスを行っています。当然、無料サービスですがどうも評価には直結しないようです(笑)良く考えれば、苦行をしてまで本を読みたいと思う人のほうが少ないというのは当然のことでしょう。ま~例えになっているかは微妙ですが、作業ゲーからユーザーが離れるのと同じだと思って貰えればいいですね。


そこに業界は全く気が付かなかったのです。今でも気づいているかは疑問です。


業界は「暇になるから買ってくれる」という短絡的な思考から、もっと本が売れると勘違いし、過剰出版の流れを作ったのです。


その結果が

「本屋に行っても、本は揃っているが、買いたい本はなにもなし」

という状況なのです。


それが今の出版不況の真実です。


つまり、本業界はマーケティングに失敗したのです。そもそもマーケティングなんてしていたのかも疑問です。土地の値段が上がり続けると信じてバブルが弾けたように、本は売れ続けると信じて物量をつぎ込んだ結果…バブルが弾けたら残ったのは不良在庫の山だったということですね。


そんな彼らが娯楽という厳しい競争世界でシェアを奪われるのは当たり前のお話なのです。



若者の活字離れとかネットが普及したとか図書館で本を借りるからだとか…そんなことに業界やマスコミは責任を転嫁しようとしていますが、全部嘘っ八でございます。


本業界は自分たちのミスや無能を覆い隠して…

外部要因に責任を転嫁しようとしている…それだけのお話です。


自分たちのマーケティングの失敗を反省しない限り…本業界は縮小するでしょうね。

なぜなら…今度は第二の購買勢力であるバブル世代が老眼期に入るのですから…

何も手を打てないようだともっともっと落ち込むことでしょう。


他の要因とかも色々と書きたかったのですが…

今回はネットに絞って書いてみました。


ではでは…


し~ゆ~れた~・ありげ~た~

じゃんごでした。



追記:最後にこれってネットゲームのサービス終了と同じルーチンじゃないの?と気づいたアナタは鋭いです(笑)

本が売れないのではない

本を売る努力をしていない

それだけのお話です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なるほどそんなところでも売れなくなったのかと知れてへーボタンを10回ほど押した気分です。 [一言] 元書店店員からすると書店の販売戦略のなさも多分にあると思っています、なんせ元職場では新刊…
[良い点] 軽妙な語り口と、フラットかつ鋭い視座からの皮肉溢れる太刀筋に感服しました。非常に読みやすく、かつ自分が漠然と感じていた不信感に筋道が建てられた気持ちです。 卒業論文研究の中で「文学の本が売…
[一言]  確かに母も読書量減っている。若者がくっそちいさい端末でなろう読んでいるのは明白なのに(なろうの人気作品はスマートフォンで閲覧されている。PCでがっそり座って読む人のほうが珍しい)若者のせい…
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