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- The sixth episode – part 2

「へ…?」

あまりに唐突なその言葉に、僕の頭がついて行かない。そんなこと知ってか知らずか、

「…帰り道が一緒なのを見た…部活の事で話したいことがある。」

先輩はそう言うと、「外で待ってる」と続けて出ていった。僕に選択の余地を与えないなんて、先輩は鬼だろうか。

「…でも…これってチャンス?」

思ってみればそうだ。これは先輩と親交を深める?チャンスなのだ。そう思うと早く行きたくなってきた。しかし、鍵を返さなければいけない。なんでこんな時に時間を無駄に食うんだろう。そんなことを思っていると、そこに

「あら、麗亜君じゃないの。まだ居たの?久美がお待ちかねよ。」

と言って部長が入ってきた。もう先輩の登場ですっかり慣れてしまった僕はもう驚かなかった。

「あれ?部長帰ったんじゃ…?」

一番の疑問を投げかける。先輩にさっき帰ったと聞いたばかりなのに。

「忘れ物を取りに来たのよ。そしたら校門に久美が立ってて、あなたを待ってるなんて言うんだもの。ビックリしちゃったわ。あの子とそんなに仲良くなったのかしら?」

部長はまるで母親のように先輩とのことを聞いてくる。しかし、僕が答えようとすると、

「ああ、答えなくていいわ。早く行ってあげて。あの子、あれでも寂しがり屋さんなのよ。早く行ってあげないとそのうち泣いちゃうかも」

なんてね、と続けて部長は笑った。先輩にそんな一面があったなんて初めて知った。家で真央を見て思ったこととは少し違うが、やっぱり想像できない。

「じゃあお願いします」

ぺこりと頭を下げ、僕は急いで校門に向かう。校門に近づくと、先輩が立っているのが見えた。

「…遅い」

先輩は、僕を見るとそう言って地面に下ろしてあった鞄を持った。

「…由紀に変なこと聞いてない?」

「あ、えっと、聞いてないです…」

「…嘘」

すぐにばれた。やっぱり僕は嘘がつけない。

「まあいい。帰るよ。」

と言って先輩はこっちを気にしつつ、歩いていく。確かに、帰り道は一緒の様だ。先輩は部活の話と言っていたが、何だろう、やっぱり怒られるのかな…。

なんて馬鹿みたいに考えながら、僕もついて行った。


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