表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オリジナルオンライン−唯一無二のその力で−  作者: 井上狼牙
第一章 焼き尽くす炎の拳
15/82

第14話 衣替え

この話は前話と同時進行で時間が進んでいます。

 カルカで決闘があるみたいだよスレ@1


1:山田博士


カルカで決闘があるみたいだヨ!

暇人集合



2:ヘリクツ


マジかよ。

攻略初日の真昼間っから何やってんだよw



3:マリ


ゲームから出られなくなってストレスが溜まるのは分かるんだけどねぇ。

こうなるのも仕方ないか。



4:シンジョー


ちょっと見に行ってみるか



5:チカ


どうやらチンピラ6人が攻略の見返りだとかなんだとか言って露店の少年にアイテムを要求。

それを止めに入った1人との勝負みたいですね。



6:エミナ


かなり強引に決闘まで持ち込んでたねぇ。



7:ヘリクツ


善悪がはっきり分かれてますなぁ。



8:コウジ


一見ただのイザコザのようにも見えるけど意外とそうじゃなかったりする。

これでチンピラが勝っちゃった場合、攻略組には見返りにアイテムを渡さなくちゃいけないみたいな風潮が広がるかも。

そうなった場合誰も攻略組のサポートなんてしなくなるからプレイヤー間のやり取りはなくなりゲーム攻略なんてできなくなる、なんてことになるかもしれない。



9:ジュリア


なるほどねぇ。そう考えると正義の味方側に勝ってほしいね。



10:木端微塵


ところがどっこいそれも難しいかも。

正義の味方さん(リュウって言うらしい)は初期装備。武器も持ってない。



11:ジュリア


えww



12:コウジ


オワタ(/・ω・)/



13:エミナ


それ結構ヤバイんじゃないのw



14:山田博士


『速報』リュウさん1人対チンピラ6人のリンチになるそうです。



15:チカ


1対6www



16:ミジンコ


どうしてそうなった……。



17:シンジョー


チンピラ親玉「お前が喧嘩売ったのは俺ら全員なんだぜ?」



18:Watabe


滅茶苦茶すぎるww



19:ヘリクツ


見に行ってみるか・・・。



20:チカ


リュウさん頑張れー!!



21:コウジ


いくらなんでもww



22:山田博士


そろそろ始まるみたいだよー。

見に来る人は早めにどうぞ。



23:リーシア


リュウさんは素手で戦うつもりかな?

相手は大槌、盾刀剣、長弓、メイジ、大盾、最後は銃かな。



24:フウマ


バランス取れてんなー。

勝てる気がしない。



25:山田博士


開始



26:ミジンコ


速い!



27:ショーニン


!?何だ今の紫w食らったやつ全員毒状態になった。



28:ジュリア


付与スキルと何かを組み合わせた感じかな。

OOの特徴として相手が何をしたのか分かりづらいね。



29:Gebena


一瞬でメイジ屠った!

これは分からないかもしれない。



30:カジマ


ちょwwレーザーwww



31:フウマ


よく躱したな今の。というかレーザーとかチートじゃね……?



32:アナ


やっぱOOは強いスキル一つ持ってるだけで違うねぇ。

うらやましいな。



33:根暗


見てもいないのに勘だけでレーザー躱したリュウさんかっこよすぎ



34:チカ


レーザーというより太陽光線(ソーラービーム)らしいw



35:コウジ


!?



36:エミナ


ワープww



37:キタジマ


大槌でワープとかエグいな



38:Ganji


矢の躱し方がワイルドすぎるw

爆風利用して回避ってw



39:ヘイヘイ


大盾使いは簡単に吹っ飛んだね。



40:ミカヅキ


読んでた感じだね。

貫通技使ってたし。



41:Hatake


またワープw



42:山田博士


終わったかな・・・。



43:キンキ


1人倒しただけでもすごいと思うよ……。

レーザーとワープが強すぎた。



44:シンジョー


リュウさん何か狙ってる



45:ホーマー


レーザー躱す気かね。10mの距離で放たれるレーザーを躱せるとはとても思わないけど……。



46:ジュリア


さっきのあれからして発射音もないしねぇ……。



47:カゲロウ


躱した!!!



48:醤油ラーメン


うおおおおー!!



49:木村


リュウさんかっこええ!!



50:文屋


!!!!!



51:キタムラ


何が起きた



52:カワタ


矢、キャッチした……?



53:ガガ


嘘でしょ……



54:SたけとS


レーザー躱す→矢キャッチ→矢投げからの連撃で銃使い倒す

リュウさん半端ないです



55:じぇじぇじぇ


ワープも見切ってるなぁ



56:グライシア


終わりましたね



57:ジジババ


リュウさん勝った



58:ミジンコ


WINNNER リュウ


かっこよすぎ



59:ショーニン


矢掴むとか信じられない



60:タクヤ


普通に矢を掴むだけならまだ分かる。現実でもそういう曲芸あったし。

でもあれは長弓のスキルでファストアローってやつ。速度が通常の3倍。リュウさんはそれをキャッチしたからね。



61:ヘリクツ


うわぁ



62:山田博士


6対1で勝つとかおかしいでしょ



63:チカ


これでOOの平和は守られた。

それで終わらせていい一戦なのだろうか



64:ジュリア


最後すごい殺気放ってたわね

降参するのも分かる気がする



65:キタジマ


お互い握手を交わして一件落着……?



66:木端微塵


リュウさんに感動した

攻略がんばろ



67:アナ


ああいう人が居るとOOから出るのも夢じゃないって感じがするよね。







 恥ずかしい。

 何が恥ずかしいって?言うまでもない。

 怖かったからなかなか見れなかった掲示板をやっとの思いで見たらこの有様だよ。

 確かに俺も矢を掴んだのは無茶だったと思う。

 もう一度やれって言われてもできるか分からない。

 だからって何だこの書き方は。

 アドリアといい今回と言い過剰評価しすぎだろう。


「もう俺に関係ありそうなスレはできるだけ見ない様にしよう……」


 そう心に決めてラナの待つ生産広場へと歩を進める。

 なんだかんだで時間を取られてしまったがちょうど1時間経ったところだ。

 そろそろ俺の防具もできている頃だろう。






「あ! リュウさん! 待ってましたよ!」


 生産広場へ着くとラナがこっちを見つけて呼びかけてきた。


「悪いな、ちょっと遅れたか?」


 ラナに近づきながら話しかける。どうやら既に防具は出来上がっているようだ。


「いえ、時間的にはちょうどいいですが……。聞きましたよ? 決闘の事」


「……」


 ラナにジト目で見られ言葉を詰まらせる。


「なんで知ってるんだ?決着ついたのがさっきなのに」


 純粋に疑問をぶつけるとラナは目を丸くする。


「あんなに騒ぎになってたのに気付かなかったんですか……やっぱこの人バカなんじゃ……」


 ぶつぶつ呟くラナ、というか聞こえてるぞ。

 後半取り消せよ。

 色々言いたいことはあるがとりあえず我慢する。

 しかしそこまで騒ぎになってたのか。次から気を付けないと本当に悪目立ちしてしまう。


「まぁ続きはアドちゃんが引き継いでくれるだろうしとりあえず防具のお披露目ですね!結構すごいのができちゃいましたよ!」


 引き継ぐってなんなんだ? という疑問は、ラナがアイテムウィンドウから取り出した防具を目にして一瞬でかき消された。


「お、おお……」


 ラナが取り出したのは茶色というよりも黄土色(おうどいろ)に近い色の防具だった。

 ヘビの皮でできているため表面には光沢があり、そこらのNPCが売っている防具とは比べ物にならないほどの存在感を放っている。


「とりあえず、身に着けてみるのが一番ですよね」


 ラナがそう言って防具をトレードしてくる。



装備名:オロチローブ


 部位:胴

(防)

 効果:防御力+8 毒耐性+5

 説明:巨大なヘビの皮を加工した防具。金属に勝るとも劣らぬ防御力を持つ。



「これは……」


 装備の効果を見て素直に驚く。

 防御力+8と言ったら現時点で手に入る金属鎧の2倍近くの防御力を持つはずだ。説明にもある通り、適正レベルになっても金属並の防御力を持つんだろう。

 金属のメリットは高い防御力、デメリットはその重さにあるので、金属の高い防御力と皮の軽さ、両方を兼ね備えたハイブリッドな防具と言えるのではないだろうか。

 当然ゲーム攻略が進めばどんどん防具を変えていくことにもなるだろうが、しばらくお世話になりそうだな。


 ラナがトレードしてきたのはローブ、ボトムス、ブーツの3種類だった。

 俺個人の好みとして頭防具はそこまでゴツイ奴は嫌なので今回は見送りということにしている。

 視界が塞がれるのは困るし単純にカッコ悪いからという訳で。


「おお、なかなか格好いいな」


 防具を装備してみて率直に感想を漏らす。

 ローブは結構長めで後ろの裾が膝の後ろに来るあたりまである。まぁ回避に支障はないだろう。

 2Dのゲームならばあたりまえの事だったが防具は誰にでも着れるようになっている。つまりサイズが自動で調整される。

 自分がもう使わなくなった防具を中古として売り出すこともできるわけだ。

 ちなみに男女で装備不可の物もないらしいけど変態が喜びそうだよなホント。


「とりあえず、感謝するよ。ありがとう」


「いえいえ、リュウさんの支援があったからこそですし、礼には及びませんよ。当然お代も結構です。大事に使ってくださいね」


「おう。いい素材手に入ったらまた来る。お互い頑張ろうな」


「はい、リュウさん、ゲーム攻略お願いしますね」


 短く言葉を交わす。


 そうして俺は新たな装備を手に入れて、生産広場を後にするのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ