強くなれる?本当かよ
早めの投稿です。
×××××by 燈夜×××××××××××××××××××××××××
「お待たせ致しました。勇者様」
そう言って帰ってきた女神様。
女神様が持ってきたもの。それはテレビなんかでよく見るくじ引きの、箱バージョンみたいなやつだった。
ほら、あれだよ。なんか正方形の箱に穴を開けてその穴に腕を突っ込むみたいなやつ。
女神様はその箱を持ったまま僕の目の前まで歩いてきて、箱を押し付けるかのように渡してきた。
「あ、あの……どうするんですか……これ」
「穴に手を入れて、中にあるたくさんの玉の内、好きなのを一つ選ぶんです」
「え……、でも、これから称号をくれるって……」
「だから、今から授けるじゃないですか」
「で、でもこれって……ただのくじ引きなんじゃ……」
「その通りです。しかし、 ただ のくじ引きではありません。それは称号を決める為の 特別な くじ引きです」
「特別な……くじ引き……?」
「はい、その箱の中には、現実『アルラティーナ』に存在する全ての称号の中で、極めて希少で素晴らしい能力を持ったものだけが入っています」
「え!? そ、それって……」
「はい……お察しの通り、このくじをやれば誰だって向こうの人間にとっての『勇者』になることが出来ます」
「…………」
(うっひょぉぉぉい! てことは、このくじを引けば僕も強くなれるってことじゃないか! しかも、勇者って呼ばれるほどの強さでしょ!? キタコレ!)
僕は心の中で歓喜の雄叫びを挙げながら、女神様に訪ねる。
「これ、もうやっちゃっていいですか!?」
「ど、どうぞ……」
おっと、いけないいけない、つい興奮し過ぎちゃって女神様に引かれちゃったよ。でも仕方ないよね、だってこれで僕も強くなれるんだから!
「…………いざ、参る!」
「早くやって下さい」
女神様が何故か冷めた目でこっちを見てるけど、そんなの知ったこっちゃないね。
そうして、僕は右手をゆっくりゆっくりと箱の中に入れていった。
最初に手に触れたのは何かヒンヤリとしたものだった。箱の中で握ってみると、少し大きめなスーパーボールくらいの大きさだった。
(結構硬いな……これ)
その次に触れたのはゴツゴツした石みたいな感触のもの、大きさはさっきとほぼ同じくらいだろう。何故かほんのりと温かく、ずーっと握っていると持っていられないほど熱くなる。
(うわぁー、なんだよこれ、スッゴく見てみたい……でも、まだ決めるには早いよな……)
そんな感じで次々と箱の中にある玉を握っていると、あるものを握った。
(……ん?)
その玉からは、さっきの熱くなるものとはちがい、まるで真奈美ちゃんに抱きしめられているような、安心できる温もりを感じた。
そのとき、ただこのボールを離したくないという強い思いで心が満たされていた僕は、半ば無意識的にそのボールを箱の中から取り出していた。
「……うわぁ、……すっごく綺麗……」
その玉は、まるでシャボン玉のような色をしていて、見る角度を変えると色が変わっていった。
そんな玉に、僕は魅了された。
「……女神様、これは……一体……」
僕はそう言って女神様の方を見たが、
「…………」
「女神様?」
(……どうしたんだろう?)
そのときの女神様は、まるで見てはいけないものを見てしまったというように、片手で口を覆い、目をこれでもかというほど見開いていた。
「女神様? 女神様ってば!」
「……あっ、……すみません。まさかそれを引くとは思いもしませんでした」
やっと意識がこっちに戻った女神様は、続けざまに言う。
「その玉の色……おそらくは『可能性を秘めし者』だと思われます」
「可能性を秘めし者?」
なんだろう、凄く名前はかっこいいけど、女神様があんなになるってことは何かまずいことがあるのかな?
「現在から約600年ほど前のアルラティーナにいた英雄が獲得していた称号……それが『可能性を秘めし者』です」
「……なら何も問題ないんじゃない?」
「いえ……別に問題というわけでは……」
「なら大丈夫だよ、僕はこれで強くなって見せるから」
「……左様ですか」
なぁんだぁ、別になんともないんじゃないかー、無駄に怖がらせないで欲しいね、全く。
「……それでは、その玉を自分の胸に押し当てて下さい」
そう女神様に言われたので僕はさっき引いた玉を自分の胸に押し当てた。すると、
ーー称号『可能性を秘し者』を獲得しましたーー
そんな声が頭に響いた。
(これで……いいのかな……?)
「さて、称号の授与も完了致しましたので、そろそろあちらの世界へ送りたいと思いますが、恐らくあちらへ行かれてから特に、あなた様は苦労されると思いますので、送ると同時に私個人からのプレゼントをお送りします。楽しみにしておいて下さい」
「……え? 僕だけが……苦労? なんで……?」
「あちらへ行かれても心折れることなく頑張って下さい。それでは、さようならぁ~」
「ちょっ! もう少し待っーー」
そうして、僕の視界から女神様とその他諸々の景色が消えたのだった。
やっと少し進めたって感じです。
ていうかこの小説、ちゃんと面白いのだろうか……自己満足感がハンパじゃないんだが……
感想良ければ下さいです。