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うろな町の森に住んでみた、ちょっと緩い少女のお話  作者: 桜月りま
7月1日(割り込み投稿分です)
28/531

買物中です


遡って割り込み投稿です。

 










「司先生!」

「お、待たせたか? …………ユキ、なんだか疲れてないか?」

「い、いえ」

 私は手にしていた地図をしまいます。


 ばれたかな~



 朝一からずっと電車や地下鉄に乗りまくって、確認しましたが、作った地図の配線などに大きな間違いはないようです。でもそんな事してたって言ったら、司先生が体を休ませろと言ってお買いもの中止しそうなので、言いません。

 だって司先生と会ってお買い物するのが楽しみ過ぎて、家でじっと待っていられなかったんだもの。



 司先生はちょっと私の様子を窺いながらも、

「何を買う? モールは大抵の物が揃うぞ?」

「えっと、えっと、色々見たいです。服とか寝間着、小物とか、えっと……下着とか、も」

「そうか、女の子なのに、いろいろ我慢していたんだものな。軍資金は心配せんでいいとタカさんも言っていたし」

「わ、私もちゃんと持っているのに、タカおじ様、いつも大丈夫かって」

「娘を持つのは初めてだから、嬉しいのさ。使わせてやるのが親孝行だ。無駄遣いしているわけでもないだろう?」

 今日の交通費は無駄遣いだったかな? でも変なのは、よいの ゆきひめ の名前を出す以上、出せないから。取材費は惜しんじゃいけない。よね。清水先生に恥かかせてはいけないし。



「小雨が落ち出したから。入ろう。モール内は傘も要らないから」

「はい」

「でも、その傘は?」

「賀川さんが晴れ雨兼用の傘を買ってくれたんです。あ、司先生も日傘買ったらどうですか? これから日焼けも気になる時期ですし。それに司先生、今日みたいな、シンプルな服も良いですけど、可愛い服も似合いそうです」

「私の買い物に来たんじゃないぞ?」

「えーこれから夏だし、いろんなモノが要りますよ。清水先生とのお出かけもあるだろうし」

「あ、あああ、あいつとの外出ならジャージで……」

「そんなわけにはいかないでしょう? さ、先生早く見に行きましょう。そう言えばお昼ご飯は食べました?」

 先生のお仕事が午前だけだったから、今は一時。ご飯の話をした途端、司先生と顔を見合わせて、二人で笑います。

「まずは腹ごしらえだな」






 二人で食事して、買い物して。今日使いたいモノ以外は、宅配にしてもらいました。

 楽しかったです。

 今度のお祭りにつける髪飾りも買いましたよ。

 梅と雪のイメージ。密かに清水先生の水のイメージも込めて。だって言ったら、司先生、照れてきっと買うって言ってくれないから。

「あの、帰りに病院に寄って帰ります」

「薬を取りに行くのか、付き合おう」

「それもあるんですけど、行く前にロッカーに寄っていいですか?」

「ん?」

 私は交通網を調べる時に、病院の最寄駅に当たるうろな新田に荷物を置いて来たのです。到着して荷物を取り出すと、司先生は少し怪訝そうにしながら、B3が入る大き目なプラバックを見ています。

 待ち合わせは東うろなでしたから。

「いつの間にここに置きに来たんだ? 」

「えっと、えっと」

「なんだ、ユキ、私に隠し事をするのか?」

「……朝から路線を調べにあちこち出かけて。地図に誤差があり過ぎるといけないでしょう? 清水先生が進めてくれたお話にミスがあってはいけないから」

 小さい体ですが、威厳のある司先生がじっと私を見やります。

「ユキ、プロなんだな。それなら自分の体もちゃんと管理するんだ。いいな」

 私は素直にこくんと頷きます。



「しかし中身は何だ?」

「こないだ病院に会った子に絵を描いてあげたくて」

「あ」

 司先生の目が見開かれます。



挿絵(By みてみん)



「これ、萌、じゃないか?」

「あ、そうか、うろなに中学は1つしかないから、先生知っているんですね。うろな中、制服、どんなのか聞けばよかったなぁ」

「このレトロな制服は確か、八つ葉じゃないか?」

「私の最後に行った中学の制服なんです。知っているんですか?」

「知ってるも何も、超が付くほどの有名進学校じゃないか!」

「そうなんですか? 母が私学の方がお金があれば入りやすいって……彼女が早く治って、学校行ければいいなって思って」

「そうか、萌もきっと喜ぶな」

 司先生の声に私も嬉しくなりながら、病院に向かいます。

 あげるととても喜んでくれました。

「萌、お姉さんと一緒の中学の制服着せてもらっちゃった」

「かわいいぞ」

「今度は本当の制服が着れるといいね」

 そう言うと彼女は笑って、司先生もすごく良い笑顔でした。



 けれど、彼女の病室を出て、薬をもらう前に検査したのです。そしたら少々疲れもあってか、肝臓やらの数値が悪いから気を付けるように言われました。ので、司先生に怒られて、連絡を受けたタカおじ様から明日は一日寝てる様に言われました。


 ぐすん。






YL様より、梅原先生、萌ちゃん、(清水先生の名前だけ)お借りいたしました。


うろな中の制服設定がわからなかったので、ユキの昔の制服を真似た事にしました。

更に萌ちゃん、短めの髪にしました、もし問題があればお知らせください。

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