入院一日目です
正確には17日夜半が一日目ですが。
彼女的に目覚めてこの日が一日目です。
点滴が腕にぶら下がっていて、寝ていても何だか、ふらふらするよぅ。
そう思ったけれど、ナースコールはならすと迷惑かけそうだし、誰か来ないかなぁと思いながら、我慢します。
たまに機械がピーピー鳴くので、可哀想だから『消音』押しとく。
暫くしたら、綺麗な看護婦さんがやって来たので、にっこり笑ってみます。でも彼女の顔が見る間に凍りつく。やっぱり白い髪に赤い目だと怖がられるのかなぁ……
「な、何やってるんですかっ」
「え?」
「こことここ、弄りませんでした?????」
看護師がルートや機械を確認し出します。
「だって落ちたら終わりなんですよね? 針抜いてもらえるんですよね?」
ぶら下がっている点滴を指差す。早く落ちる様にちょっと触ったのがバレたみたい。
「貴女の点滴は静脈路確保で24時間静注なの、抜いてあげられないわ。ちょっと待って。三時間以上かけて落す点滴がカラってどういうこと! さっき入れ替えたばっかりなのにっ、け、血圧! 脈拍……冗談じゃないわよっ、血液検査っ!」
………………ちょっと触っただけなんだけれどな。
それから暇だったからカラカラ点滴押して歩き回っていたら、
「トイレ以外、まだ起きちゃダメ!」
って、言われるし。
お昼になって。
お粥が食べられなくて。
何故って食事が載ってるお皿の洗剤の匂いが強くて、お水さえコップに注がれたら、アウト。
水道水自体がダメだけど、なんとか我慢できるから、洗面所で手を洗うついでに水を飲みます。
それが見つかって、また怒られちゃいました。喉は乾くし、お腹空いているんですけれど、ね。
我慢しなきゃ、ダメなのかな?
そんなこんなで、私は入院一日目でだいぶ目立ってしまったらしいです。
ここは、うろな総合病院。いんちょー先生、宮崎さんっていうらしい。その人がやってきて、さすがに面倒な患者が来たって顔をされました。
「元気になってくれたのは嬉しいけれど、ねぇ」
って。
「点滴に不都合があったそうだが、それにしても数値変位が異常すぎる。レントゲンも影が一気に……これが本当なら研究論文が……いやいやまさか、ありえないよ。うちの計器が壊れているのかも……」
などと呟きながら部屋を出ていくのでした、お疲れ様です。
その後、ココに連れて来てくれたという、小さなって言ったら失礼かな? 可愛らしい女の先生が夕方来てくれました。
改めて自己紹介します。
梅原 司先生って言うんだって。良い匂いがするのはその名前のせいなのかな?
何しに来たんでしょうか? そう聞くと、彼女は、
「どうだ? ユキ。不都合はないか?」
って聞いてくれたので、今日の一連を話します。
誰もそう聞いてくれなかったのに。
きっと私の言い分は偏っているんだろうけれど、ゆっくり聞いてくれて、更に「食器ぐらいは何とかしよう」そう言ってくれました。
夕飯の食器は凄く水で洗ってくれたのか、臭いがしなくて食べられました。
久しぶりの食事。
米の形もない液体だったけど、美味しいって思ったの。それで、お腹も気持ちもだいぶ落ち着いたのでした。
賀川のパートまで行きませんでした。
か、影の薄い奴め。
YL様の梅原先生、お世話になっております。院長先生も。
何だか今、先生が居ないと世界が回らない状態になっていて、すみません。
不都合在りましたら変更いたします。お知らせください。