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洗濯中です

のんびりうろなに住もうと思います。


http://kyodo765.jimdo.com/


上記企画、参加作品です。








「いいお天気ね」


 空を見上げると綺麗な青い空が広がっていて、森の樹が揺れてます。私の伸ばしっ放しにした白い髪が水面で海藻の様に漂っています。

 この陽気なら、側の樹に蔦を張って干している白の継ぎ接ぎワンピースも下着も、綺麗に乾くでしょう。

 あ……私は森の中にある湖で行水中でした。

 裸なので、まじまじとは見ないで下さい。

 ……チラッとなら良いのか? 無論ダメです。いや、誰もこんな森の中に来ては見ないですね。


 ここは森の奥。

 うろなと言う町の北にある森の奥。


 私をちらりと見た人は幽霊なんて言いますが、ちゃんと生きています。

 ちゃんと人間です。

 …………たぶん。

 一緒に住んでいた母が、ここに住んで二か月ほどで『待っていて』と告げて、姿を見せなくなって一年くらいは経ったのではないでしょうか?

 私は赤い瞳と白い髪ですが、母は標準的な黒髪黒目の日本人でした。父は知る限り、身の回りに居ません。


 ですから、言っておきますけれど、白い髪って言っても私、おばあちゃんではないですよ?

 中学校までは母と別の街に住んでいて、普通の中学生でした。髪は染めていましたし、カラコン入れれば、肌が少し白いなーってくらいで目立ちませんでした。


 でも卒業式の日に、母はうろな町の森、その山小屋に引っ越してきてここに住むって。

 高校も決まっていました。行っていれば今年二年生になっていたはず。けど、勉強は好きではなかったので、今の所は行かなくて良いです。

 友達もさしていなかったし。

 母はずっとここで好きな絵を描いていて良いって、たくさんの紙と絵具を用意してくれました。



 住民票とかはどうしているのでしょうね、あまり考えた事がありません。役場の人、ごめんなさい。

 だいたい逃げるようにココに来たので、母は借金でも抱えていたのかもしれません。

 電気とガスはあって、無駄遣いはしていないので、母が作ってくれていた通帳から引き落とされて、後数年は問題なしです。


 あれ? 通帳作る余裕があるという事はお金がらみではなかったのかしら?

 良くわからないです。


 何もない生活です。

 特別な「波」もありません。

 でも「敵」がいます。


 今、最大の敵。

 世界の様々な気候や環境に対応し、世界に百万種は蔓延っていると伝えられる、地球最強の生き物。


 それは……虫。


 蚊は育てたハーブで作った液を肌や服などに塗っておくことで解決したけれど、訳のわからない甲虫はお友達になれないです。

 蛇は触らなければいいですが、ムカデはお布団の中に入られたら嫌です。あ、蛇やムカデは虫じゃないですね。

 それでも「来ないで」って、ずっと思っていたせいか、来なくなった気がします。でも……時期が夏になったらどうでしょうね?


 それ以外はプランもない、のんびり生活。


 私の名は宵乃宮 雪姫、「よいのみや ゆき」です。姫って字は要らない気がしますが。

 って、誰に説明してるのでしょうね。


 まあ良いのです。


 私は近くの大きな岩に水をかけ、砂を落としてからそこに腰掛けます。まだ水が冷たいです、凍えそうです。

 いや、凍えてます。唇がきっと真っ青です。

 考えているうちに、浸かり過ぎたよう。タオルにくるまって暖を取りながら空を見上げます。


 今日も、うろなの森の空は変わらず綺麗です。

のんびりうろなに住もうと思います。


血を見ない展開にしたいと思いますが、どうなることか。

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