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Because I love you ,   作者: Ψ蒼龍Ψ
8/33

分からせてくれるから。 <with 水城の士官先生>

前回に引き続き今回も深沢義龍さんと赤峰さんが登場します。



七日目、昼。


最近学校を休んでばかりのような気がする。

それは多分軍人さんと深沢さんのせいだ。



「……赤峰(あかね)と喧嘩したんだ…………」



と涙声で告げられた昨晩、私はどう反応していいかわからなかった。

そして今現在、

「…………はあ……赤峰……」

ソファで体操座りをして、深沢さんは沈んでいらっしゃいます。

軍人さんはというと、勤勉なのか暇人なのかわからないが、泊まってもらっている部屋で電子辞書を片手に新聞を読んでいる(らしい)。

「私は赤峰ともう逢えないのかな……」

ぐすん。

…………ってぇえぇえ?!

「あかね……もう一度逢いたい……」

泣いてる!?

泣いてますよこの方?!

「あの、ティッシュいりますか?」

そして不意に近づいてしまった私も馬鹿だった。

「あか、ね…………」

涙で真っ赤になった目で私を見上げて、抱き枕のように抱きつかれた。

私のお腹のあたりに顔を埋めて泣いていらっしゃる。

「ああああの、ふかざわさんん?」

ぎゅうぎゅう抱きつかれて、為すすべもない私は、とりあえず深沢さんの頭を撫でておくことにした。

「…………って苦しい!」

軍人の馬鹿力で抱きすくめられる私の身にもなってください。





「義龍……………………?」




そのとき。

すごくドスの効いた声。

その場にいた一同(といっても私と深沢さんしかいないけれど)の体感温度が三度ほど下がりました。

「義龍ってそんな人だったんだ…………」

私の背後で聞こえる、迫力のある声。

女性の声だ。

私はそろそろと後ろを向いた。

すると、そこには宙に浮いた金髪碧眼の女の子がいた。

「あ、赤峰!? これはその、その……違うんだ信じてくれ!」

深沢さんが((((;゜Д゜))))ガクブルしていらっしゃるんですが。

するとその赤峰と呼ばれた女の子は綺麗な顔を歪ませると、

「義、龍なんか、大、嫌い」

大粒の涙をこぼした。

「待ってくれ赤峰」

赤峰さんは声を震わせながら呟いた。

「……私は義龍に謝りに来たのに。義龍はこっちでほかの子と仲良くなって。……義龍はもともとこっちの人だもんね、北皇より日本がいいに決まってるよね、どうせ赤峰より金剛が好きなんでしょ」

金剛って誰だ。

ってことはさておき、赤峰さんはぶつぶつと呟いて、ソファに座って足を組んだ。

この二人好き合ってるんだ。

「…………深沢さん」

こそっと言うと、深沢さんはちらりと横目で私を見た。

「ちゃんと謝るべきですよ」

深沢さんは、首を振ると、赤峰さんの右手を見た。

「ああなってるとき、下手に刺激すると殺される」

赤峰さんの右手は、柄にかかっている。抜刀体制だ……。

深沢さんは腕を組んで、小さくため息をついた。

赤峰さんの表情を伺うと……、こっちも泣きそうなんですけど。

私、板挟みになってる?

「でも、ちゃんと伝えなきゃ、駄目ですよ」

この一日二日、深沢さんの口から出る固有名詞といえば、赤峰あかねという女性名が圧倒的に多かったのだから。

二人は想い合ってるのに、どうしてこう……すれ違ったりするんだろう。

「…………私はもう帰るよ。邪魔してごめんね義龍」

そう言って立ち上がった赤峰さんは、確かに泣きそうに歪んでいて。


どうしよう。

どうしよう。


動揺している私を尻目に、赤峰さんはどんどん薄くなっていって。










「まってください!」

咄嗟に、赤峰さんの腕を掴んでいた。

「駄目です、赤峰(あかね)さん」

「私は赤峰(あかみね)だよ」

上から蒼眼で見下ろされる。

「……赤峰(あかみね)さん。深沢さんはずっと―――

「待ってくれ佐和くん。私が言うよ」

深沢さんは私の手首を掴んで、そっと赤峰さんから離した。

赤峰(あかね)、ごめんな。私も悪かったよ」

深沢さんは赤峰さんを見上げて、優しく言った。

「あの日は私も苛々してたんだ。八つ当たりだった」

「義龍……?」

赤峰さんは薄くなったまま地面に立った。

「大人気ないな、私は。ごめん」

自嘲するように笑って、深沢さんは赤峰さんの頭を撫でた。

「逢いたかった」

赤峰さんは、ちょっとだけ複雑な顔をした。

「逢いたかった」

深澤さんは繰り返した。

「逢いたかったよ、……赤峰」

「義、龍」

赤峰さんは泣きそうになって――、深澤さんの次のこの言葉で、

帰ろう(・・・)、赤峰」

ふわりと綺麗に笑った。

「うん」




「佐和くん、この二日間、楽しかったよ」

「義龍、この子と浮気したの?」

「してないって。何抜刀体制になってるんだよ」


二人は薄れていった。












少しだけ静かになった、静寂が訪れた、七日目。






びこーず作者VS登場人物あとがきこーなー(☆∀☆)キラッ


作者:はーいはろーこんにちはー。蒼龍ですー。

   今回は原作者:水城の士官先生のお言葉で、ちょっとだけ校生です。(12月10日現在)

   義龍さんと赤峰さんは帰っていきました!


千早:私今回あんまり喋ってないよ。


作者:ザシャに至っては一言も喋ってないね!


千早:今回は義龍×赤峰回だったんですよね。


作者:先に詫びておく。すまなかった。

   赤峰さんをツン→デレにしたかったんだ。  


千早:喧嘩の理由は、


赤峰:義隆が輝野たちとでれでれしてやらしい顔してた


義龍:赤峰が北村の手から「はい、あーん」で菓子をもらっていた


千早:だそうです。


作者:勝手に設定です☆ミ

   水城の士官先生三度にわたってどうもありがとうございました!


ザシャ:次は雨の日のおはなしだよーん。


作者:お前もはや誰かわからないよ……。


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