だから、まだ、
「殺気を出されると、安心して眠れないんだよ」
軍人さんは、私の首元を見た。
「すごく苛々する。それに少しは興奮するかもね。……痕は残ってないね、よかった」
そう言った。
「…………苛々した結果、私の首を絞めた――と」
「結果論だけ言えばそうなるね」
悪びれもせずさらりと言った軍人さんの横腹を殴っておきました。
渾身の力で。
痛いー、と笑顔で言ってた軍人さんにむかついて、更に頭に一発加えておきました。
二十九日目。
学校から帰ってくる途中、ポケットに手を入れると、指先に当たる金属質のもの。
取り出してみると……、それは、軍人さんのタイピンだった。
(私が持ってた!?)
「…………あの、軍人さん」
「何だい?」
ポケットに入れっぱなしになっていた、軍人さんのタイピンを取り出す。
赤い縁に、黒い、寺院のマークみたいなの模様。
「これ、返します」
「ん? ああ、……千早が持ってたんだ」
「すみません……」
軍人さんは、くしゃっと私の髪を撫でると、
「千早が持ってていいよ」
と言った。
あまりにも意外すぎる答えに、
「え?」
聞き返すと、軍人さんは、ふっと笑った。
「お守りがわりに持ってて」
お守り……ですか。
まあ、このおかげで私の命が助かったのかもしれないし……。
……って違う違う。
「返します」
私の掌の上のそれを眺めたあと、軍人さんはにっこり笑った。
「駄目」
「は?」
「それ、千早に持ってて貰いたいんだよ」
笑う軍人さんに、まっとうなことを聞いてみた。
「でもこれ、軍のじゃないんですか」
「帰ったら国防軍に戻れるよう頼んでみる。だからSSのなんていらなくなるだろ」
そう言うと、私の手に握らせた。
「……そうですか…………」
その重みも、軍人さんがいつも使ってきたものだと思うと、なんだか嬉しくなった。
そして。
「千早ー」
「なんです
ちゅっ。
……か!?」
髪にキスされた。
軍人さんは私の髪を離すと、またにっこり笑って。
「今日は振り払わなかったね」
と満足そうに言う。
顔に血が上って、多分真っ赤だ。
それを見てまた軍人さんがにこにこする。
むかつく!
「黙ってください!」
声を震わせながら、軍人さんの脇腹を殴りました。
びこーず作者VS登場人物あとがきこーなー(~ω~;)))キツイ……
作者:あ、あと一日!
そして今回は短い!
ザシャ:……書きたいことを前回で全部書いたからね。
そして俺は殴られ損。
作者:しょうがない。
ザシャ:まあね。
次回の予定は?
作者:キスの意味をばばーっと紹介! です!
ザシャ:作者はどこに噛み付かれるのが好き?
作者:肩口……ってどうでもいいでしょうそんなことは!
ザシャ:あはは。
作者:黙れこのカス!
ザシャ:ぐはっ………………。
【作者の特権で、ザシャ死亡】
ザシャ(の魂):助けてー。
作者:そこで大人しくしてなさい。
ザシャ(の魂):え? 最終回俺死んだまま?
作者:その時には生き返らせる。
ザシャ(の魂):作者が身勝手すぎる……。
だれか心優しい作者さん拾ってください(泣
作者:こんな変態を誰が貰ってくれるって言うんですか(笑
そういうことで、また次回お会いしましょう!




