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Because I love you ,   作者: Ψ蒼龍Ψ
2/33

とてもとても衝撃で





私の両親は、とても仲が悪い。

私を一人でこのマンションに住まわせて、一週間おきくらいに片方ずつがやってくる。

今週はお母さんの日、来週はお父さんの日、とか。

生活費はお母さんとお父さんが半分ずつ出してくれるから、生活に困ってはいないし、むしろ多過ぎるほどだと思っていた。



だけど、こんなふうに生活費を使うなんて、思ってもみなかった。






軍人さんが出て行った次の日、私はいつもどおりに学校へ行った。

いつもどおりに家を出て、電車に乗って、歩いて、授業を受けて、また電車に乗って、歩いて、帰ってくる。


いつもの、午後7時前に。




エレベーターに乗って、7階で降りる。

一番奥の部屋の鍵はかかっていて、相変わらず郵便物はないんだろうなあ。

そう思いながら歩いていると。

「…………………………」

私の部屋の前につっ立った軍人さんがいらっしゃいました。

金髪碧眼の。

「…………済まなかった」

ぽつりと一言。

「一日歩き回って理解した。ここは1930年でもドイツでもない」

金糸が、風に揺れる。

「……言語すら読めない」

ドアに背を預けて項垂れる軍人さん。

「……君の言っていることは本当だった」

「あの、ここに住みませんか」

つい、口をついて出てきた。

「……いいのか」

「大丈夫ですよ。軍人さんさえよければ」

軍人さんは青い眼を細めて笑った。

「ありがとう、住まわせてもらうよ」


私は鍵を開けて、軍人さんを招き入れた。















「えっと……はじめまして。私は佐和(さわ)千早(ちはや)です」

ソファに座って自己紹介。

「私はザシャと言う。ザシャ・ヴォルクハルト。ドイツ人だ」

「…………日本語は喋れるんですか」

ザシャさんは腕を組んで答える。

「喋れないと思うが、君はドイツ語を喋れるのか」

「滅相もございません」

答えてからふと気づく。

「じゃあどうして意思疎通が出来てるのかな……」

「それは私も思った。が、意思疎通ができているのでこの際それは置いておくとする」

というプラグマティズムな言葉。

「私は21歳の……元陸軍の軍人だ。今は何故か親衛隊に入れさせられているが」

「そうなんですか。私は17歳の高校2年生です」

ザシャさんは目を見開いた。

「小学生じゃないのか」

「失礼な。というかどこ見て言いましたか」





騒がしい2日目。



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