少しでもあなたを
十二日目、朝。
なんだか騒がしいです。
「還はどこ?! っていうかここどこ!?」
バァン、と派手な音を立てて私の部屋に入ってきた少年。……相馬さん。
「きゃぁぁぁあああ!!!」
可愛らしい悲鳴を上げて、ドアを乱暴に閉めていかれました。
なんなの?
「おはようございます、ぐんじ……ザシャさん。それと、」
「…………今朝は取り乱してごめんなさい。相馬葵です」
肩まである長い髪が特徴的な少年、相馬くん。
「えっと、相馬くんの年齢は?」
「二十九です」
……え?
「二十九です」
え??
「二十九です」
ぇぇえぇええええええええ!?
「わ、若い! すっごく! なんでこんなに綺麗なの?!」
目を光らせて相馬くんに近づくと、彼は照れたように笑った。
「私、還に認めてもらいたくて」
えっと……めぐるって誰ですか?
「とりあえず自己紹介お願いします相馬くん」
よく分からないことが多いので相馬くんに丸投げした。
「さっきも言いましたが相馬葵です。年齢は二十九歳。出身は大日本帝国で、仕事は皇太子殿下の護衛をしています。還は………………その、コイビト……というか……」
しどろもどろになりながら言う。
可愛いです。
……ってちょっと待った!
大日本帝国出身の皇太子の護衛さん?!
危ないよこの人、頭逝っちゃってるよというか私の頭が逝っちゃってるのかな?
「千早、そんな顔しなくても俺と同じだよ」
平然という軍人さん。
「そうですか……、で、還さんって方は男性なんですね」
「そうなんです。もう、どうすればいいかわからなくて…………!」
ちょっと涙目になる相馬くん。
何かいい案はないかな……。
「この時代にはセイテンカンっていう、男から女になる方法もあるらしいよ」
と、軍人さんが爆弾発言をしました。
性転換ですね。それくらい漢字で言いましょうよ。
「本当ですか? どうやって?」
「うーん。別に僕そういうの望んでないよ?」
誰の声でもない声。
驚いて振り向くと、
「誰ぇぇえ?!」
知らないお兄さんがいらっしゃいました。
「あ、僕岩崎還です」
この方が還さんですか。
目の前に座る相馬くんが、ちょっとだけ笑顔だ。
「起きたらクローゼットの中でびっくりしたよ」
苦笑する還さん。
クローゼットって……またか!
あのクローゼットは次元移転装置か何かでしょうか。
自分の家が怖くなってきた。
「で、性別を変える方法について話してたんだね、葵」
「そうだけど」
「見ます? やり方」
私が聞くと、三人とも神妙に頷いた。
軍人さんに至っては複雑な顔をしている。
私はネットに繋ぐと、性転換とキーワードを打った。
出てきたのは、HOW TO 性転換手術。…………。言葉を失ってしまった。
グロい。グロすぎる。うん。
とりあえずぼやかして言うと、「ポールとボールをとってホールを作る」らしい。
男性諸君、この言葉検索してみたら見たことを後悔するよ。きっと。
私はそっと後ろの三人に席を譲った。
びこーず作者VS登場人物あとがきこーなー(°д°)
作者:はろろーん。
ザシャ:はろろーんじゃないよ。ついに登場☆
作者:うん。登場したね。
ザシャ:もしかして作者、この小説に出てくる登場人物みんな二人ひと組恋人設定だったりするのか?
作者:あたり。訳ありカップルを登場させる予定。
ザシャ:第一号は、
作者:深沢義龍さんあんど赤峰さん。人間と艦魂っていう種族差(?)。
ザシャ:んで、第二号があの二人か。
作者:ということで、登場人物まとめです! ↓どうぞ。
①佐和千早
職業:学生
年齢:十六歳、高校二年生
成績:普通★★☆☆☆
体力:普通★★★☆☆
身長:159センチ
容姿:黒髪黒目。髪の毛はツインテール。
趣味:音楽鑑賞。ポップ、バラードが好き。
性格:平凡。普通女子。ちょっと苦労人で天然さん。
②ザシャ・ヴォルクハルト
職業:SS軍医(医者→国防軍軍医→SS軍医)転勤続き。
年齢:21歳(1930年当時)
成績:結構いい★★★★☆
体力:結構いい★★★★☆
身長:185センチ
容姿:金髪碧眼アーリア人の見本。軍人だから筋肉もある。
性格:仕事をしてる時は誠実だが、実際女好き。女の子見ると見境なくナンパするという残念な方。
③相馬葵
職業:皇太子殿下の護衛兼側近
年齢:二十九歳
成績:普通★★★☆☆
体力:結構いい★★★★☆
身長:165センチ
容姿:少年顔。茶髪茶目。肩くらいまである。
性格:女性的になろうとしてる。怒ったり焦ったりすると男口調に。
④岩崎還
職業:まだ秘密。
年齢:二十六歳
成績:結構いい★★★★☆
体力:ちょっと…★☆☆☆☆
身長:178センチ
容姿:真ん中だけ前髪を出して、あとはオールバックで耳くらいの高さで一つ結び。
性格:おっとりやわらか。でもたまに鋭い。恋人ラブ。
作者:はい、以上です。次回もお二人の話が続くよ!




